ここに注目! 「不正アクセス禁止法改正案 国会提出へ」2012年02月22日 (水)

渥美 哲  解説委員

「ここに注目!」です。不正アクセス禁止法の改正案がきのう(21日)閣議決定され、今の通常国会に提出されることになりました。渥美解説委員に聞きます。

Q:改正案が作られた背景にどんなことがありますか?

A:他人のIDやパスワードを悪用した犯罪が増えていることが背景にあります。
いま、インターネットで金融機関の送金などを行うネットバンキングや、インターネットショッピングなどが広く行われ、契約者を識別する符号として、それぞれの契約者が決めたIDやパスワードが使われています。
最近、この他人のIDやパスワードを使って契約者になりすまし、ネットバンキングで契約者の預金を仲間の口座に不正に送金したり、ネットショッピングで商品をだまし取ったりする事件が増えているのです。

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犯行グループが他人のIDやパスワードをどうやって手に入れているかというと、その9割がフィッシングと呼ばれる手口で盗み取っていました。
フィッシングは、銀行などを装った偽のサイトを開設したり、偽のメールを送ったりして、「IDやパスワードを入力してください」と書かれた画面に利用者を巧みに誘導します。
そして、IDやパスワードを入力させて盗み取る、釣り上げるというものです。
ところが、今の法律では、こうした行為は違法とされていないため、実際に不正なアクセスが行われ、被害が把握されてからでないと取り締まれないのが現状なのです。

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Q:そうしたことを受けて今回の改正案が作られたということですが、そのポイントはどんなことですか?

A:こうした他人のIDやパスワードを不正に取得する行為じたいを禁止し、処罰の対象にします。
また、フィッシングのための偽のサイトを開設したり、フィッシングのメールを送ったりしただけでも処罰の対象にします。
警察庁などは、この法改正によって、不正アクセスに使うIDやパスワードを手に入れる、いわば準備段階から取り締まることで、被害が広がるのを防ぎたいとしています。

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Q:法改正で問題は解決するのでしょうか?

A:課題がまだあります。
一つは、警察がこうしたサイバー犯罪に対する捜査体制を強化し、フィッシングなどを行った人物を実際に検挙していくことが必要です。
また、利用者への注意喚起を行うことも重要です。というのは、フィッシングは、巧妙なメールなどに騙されて、最終的には利用者自身がIDやパスワードなどを入力しているからです。
たとえば「アカウントの更新手続きが必要です」といったメールが届いた際などに、IDやパスワードの入力を促す画面に、不用意に自分のIDやパスワードを入力しないことなど、利用者に対する注意喚起をもっと行うことが必要です。

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さらに、こうした犯行には、海外にあるサーバーが使われているケースが多いことなどから、各国の捜査機関との連携の強化も必要です。
サイバー犯罪に対する様々な対策を強化していくことが求められていると思います。