ここに注目! 「クーデターを"警戒"」2012年01月24日 (火)

広瀬 公巳  解説委員

つづいて「ここに注目」です。パキスタンでは軍との対立を深める政府が、
クーデターを警戒するなど不安定な状況が続いています。
広瀬解説委員です。

Q1 クーデターは、現実に起きる可能性があるのでしょうか。

A1 予測はできません。
   すぐに実行されることはないだろうという見方が強いのですが、
   パキスタンは核保有国ですから混乱が生じないか
   関係各国は細心の注意をはらう必要があります。
   パキスタンの首相は「政権を倒そうとする陰謀が進行している」と
   軍によるクーデターを警戒する姿勢を公にしています。
   同じ政権側のザルダリ大統領は、軍のクーデターを恐れて
   アメリカに援護を求めるメモを送ったとされ、問題になっています。
   これが軍の政府に対する不信の理由になっています。
 
Q2 どうして軍と政府が対立することになったのですか。

A3 直接の発端は、オサマ・ビンラディン容疑者の殺害でした。
   アメリカ軍の作戦はパキスタン軍への通告なしに行われたので
   軍はメンツをつぶされた形となりました。
   軍は、政府がアメリカに対して弱腰だと攻撃しています。
   これに対し政府側は軍よりの国防次官を解任するなど、
   対立は激化の一途をたどっています。

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Q3 事態収拾の見通しはあるのでしょうか。

A3 現在国外にいる前の大統領のムシャラフ氏が帰国して
   両者の火消し役になろうとしています。
   しかしこのムシャラフさん、双方の言い分をまとめられるのは、
   自分しかいないと思っているかもしれませんが、
   もともと軍の参謀長で自分自身が過去にクーデターを実施した人物です。
   帰国してもうまく事態を収められるのかは、疑問です。
 
Q4 軍が実権をにぎるとどうなるのでしょうか。

A4 地域の安定に大きな影響がでます。
   まず現在悪化しているアメリカとの関係がもっと悪くなる恐れがあります。
   そうするとアフガニスタン情勢にも大きな影響がでます。
   またインドとの関係が再び緊張にむかう懸念もあります。
   パキスタンは軍の力が強く、これまでにもクーデターが繰り返されてきました。
   不安定な情勢が大きな政変に進展するとはないのか、
   混乱に乗じて核技術が闇市場に流れることはないのか、
   注意深く見守る必要があります。