2009年04月13日 (月)スタジオパーク 「値下がり続く マンション」
(稲塚キャスター)
最近、各地の都市部の新築マンションが値下がりしているというチラシや雑誌の特集などを目にします。マンション市場に、今、何が起きているのでしょうか?
今井解説委員に聞きます。
Q1)マンションは、どのくらい安くなっているのですか?
Q2)なぜですか?
A2)一言で言うと、在庫が積みあがってしまったからです。例えば、首都圏のマンションの在庫は、去年の年末時点で、一年前より15%程度増えました。もともと、地価や建築資材の値上がりを受けて、このように、販売価格が値上がりし、買い控えが起きていた。そこに、景気の急激な悪化が加わり、全く売れなくなってしまい、資金繰りが厳しくなったマンション開発業者が、赤字覚悟で在庫処分に踏み切っているというのです。
Q3)今後、値段はどうなるのでしょうか?
A3)何人かの専門家に聞いてみたところ、当面は、まだじわじわ下がるのではないか、という意見が多いのです。なぜかというと、確かに、安くなった一部のマンションのモデルルームには、にぎわいが戻っていますが、全体的には、需要と比べると、まだ、在庫が多い。マンションの開発業者の資金繰りは、依然、厳しいので、在庫の処分が当面、続くだろうというのです。しかも、今年の秋以降には、地価や建築資材の値下がりを受けて、売り出し価格じたいが安いマンションが出てくる見通しです。首都圏のマンションの売り出し価格は、いずれ、4100万円台まで下がるのではないか、という専門家もいます。
Q4)住宅ローン減税の拡充など、国の後押しをどう考えればいいでしょうか。
A4)まず、住宅ローン減税が今年の1月から拡大されました。これは、来年末までに入居すると、10年間で、最大500万円の減税の恩恵が受けられますが、その後は、減税の額が減っていく仕組みです。例えば、四人家族で年収700万円の世帯が3000万円のローンを組むケースでは、来年末までに入居すると、10年間でおよそ260万円の減税が受けられますが、2013年に入居すると、200万円と、減税額が60万円少なくなります。
また、国の政策として、もうひとつ。先週発表された新たな経済対策では、住宅の取得などのために、祖父母や親から金銭を贈与された場合、税金がかからない額が、500万円上積みされる特例措置が盛り込まれました。これは、来年末までの対策です。
ですから、気に入ったマンションが見つかって、しかも、頭金は十分にある、あるいは、親から資金を援助してもらえる。そして、年収が十分あって、残りのローンを、払い続ける自信がある。という人にとっては、国の政策が後押しになります。前向きに検討してもいいのではないか、というのです。
Q5)買い時ということですね。それ以外の人は?
A5)慌てる必要はないのではないか。むしろ、慎重に検討した方がいいというのが、多くの専門家の意見です。というのも、住宅ローン減税は、あくまでも、所得税と住民税を払っている範囲です。年収がそう多くない人にとっては、恩恵は限られます。さらに、なんといっても、今、失業や賃金引下げの不安が高まっています。賃料より安いと言われて、無理して買っても、万一、ローンが払えなくなると、家を失って多額の借金だけが残る結果になりかねません。ある専門家は、「年収も貯金もあまりないという人は、今は買わずに、余裕がある分を自分への投資に回す。例えば、資格を取って、年収アップをはかる方が長い目で見て、プラスになる」と話していました。
Q6)そういう中で、買いたいという人へのアドバイスは?
A6)主に、2点あげたいと思います。
まずは、マンションの開発業者や販売業者の経営状態をきちんと調べることです。資金繰りが厳しくなった業者が、投げ売りしているケースの場合、業者が倒産してしまったら、万一、室内の壁や床などに欠陥が見つかっても、無償の修理といったサービスを受けられない心配がでてくるからです。
二点目は、当たり前のことですが、資金計画をきっちりたてることです。頭金や税金、引越し費用などの分として、マンション価格の30%程度は、現金で用意する。その上で、ボーナスはもはや当てにならないので外して、毎月の手取りに対して、ローンの返済額を20%以内に抑えるべきだという専門家もいました。
いずれせよ「割安だから」とか「減税だからお得」と、業者に勧められて、無理をしたり、妥協したりして買うのではなく、本当に満足できる物件か。確実にローンを払えるのか。つまり、自分自身にとって、今、「買い時」かどうか。高い買い物だけに、それをじっくり考え、見極めることが一番大切ではないかと思います。
投稿者:今井 純子 | 投稿時間:15:19
