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スタジオパーク 「BSE対策 規制緩和へ」2011年11月01日 (火)
合瀬 宏毅 解説委員
暮らしの中のニュース解説です。厚生労働省の審議会は昨日、国内で実施している牛海綿状脳症BSEの検査態勢とともに、アメリカ産牛肉の輸入条件を見直すことを決めました。合瀬宏毅(おおせひろき)解説委員です。
Q.BSEの検査態勢の見直し どういう事ですか?
日本でBSEに感染した牛が見つかり、対策が始まって今年でちょうど10年。牛の検査も1200万頭を超え、牛がいつ発症するのかや、国内の感染状況も次第に分かってきた。そこで国内対策や、現在制限されている海外産の牛肉の輸入条件を見直すことを食品安全委員会に諮問することにした。
Q.どう見直すのでしょうか
焦点となっているのは牛の検査基準です。
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そもそもBSEは、病原体である異常プリオンを牛がエサとして食べ、体内で増えることで引き起こされる病気です。若いうちは感染していても病原体の量が少なく、生後20ヶ月以下の牛からは見つかっていません。
このため日本では、生後21ヶ月以上の牛について食肉処理場でBSE検査を行うとともに、脊髄などプリオンの溜まりやすい危険部位を取り除いた上で、牛肉を流通させることを義務づけている。
今回政府は検査の月齢を、31ヶ月以上に引き上げる方向で検討に入った。
同時に生後20ヶ月以下に制限されているアメリカ産牛肉についても、緩和の方向で検討することにしています。
Q.なぜいま見直すのか?
背景には外国からの要請がある。日本はBSEの世界的な感染拡大を受けて、1998年以降イギリスなどヨーロッパ各国、そして2003年にはカナダとアメリカからの輸入をストップしてきた。
その後アメリカとカナダ産については、それぞれの対策が整ってきたとして規制を緩和したが、それでも生後20ヶ月以下に限るという高いハードルだった。
ところがそうした世界の状況が変わってきた。
Q.どう変わってきたのですか?
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これは世界のBSE発生件数の推移です。1992年には3万7000頭を数えた世界の発生頭数は、エサの管理や危険部位の廃棄で年々減少し、今年は先月までに12頭にまで減少した。アメリカでも見つかったのは2頭、2006年を最後に見つかっていません。
こうしたことを受けて各国は、BSE検査を次々と緩和、食肉処理場で検査を行っているのは今や、日本以外ではEUだけ、それも生後72ヶ月以上と日本より遙かに緩い。
Q.日本とはずいぶん違いますね?
脊髄など危険な部分さえ除去すれば、肉の安全は確保できるとする考え方が、いまや世界基準です。国際機関においても、対策をとっているアメリカ、カナダは年齢に関係なく輸出できる国だと認定されている。
20ヶ月という基準で輸入を制限しているのは日本だけで、アメリカだけでなくカナダやフランス、オランダからも輸入の緩和、もしくは再開を求めてきていた。
さ来週末には、ハワイで日米首脳会議も予定され、野田政権としては会議前にこの問題に決着をつけておきたかったと言うことだろう。
Q.しかし見直しても問題はないのか?
そこをこれから議論することになります。ただ日本が20ヶ月にこだわる根拠は薄れつつあります。これを見てください。
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日本がこれまでに検査した牛は1200万頭で、そのうち見つかった感染牛は36頭でした。ほとんどは生後48ヶ月以上でしたが、2頭だけが21と23という若い牛だった。
若い牛から異常プリオンが見つかったのであれば、当然検査をする必要があります。これが21ヶ月以上は検査するという世界でも厳しい検査を採用した日本の理由でした。ところがその根拠が揺らいでいる。
Q.どういうことでしょうか?
この2頭の牛については、感染しているのかどうか専門家の間でも論争が続いていました。このため研究機関が3年近くにわたってマウスで実験を続けた結果、結局この牛の異常プリオンからは感染性は見つかりませんでした。つまり間違って他の牛が摂取しても、感染しないということで、20ヶ月以上の検査に疑問符がついたことになる。
すでに日本では2003年以降生まれた牛からは感染が見つかっておらず、専門家の間では今後は高齢な牛だけ検査すればいいという声も強い。
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Q.この問題をどう考えたらいいのか。
食の安全を守るためには、リスクに応じた対応が原則。新たな科学的根拠が見つかったのならその都度、見直すことが重要です。そうした意味からは海外から指摘を受ける前に、本来は自ら見直しを進めるべきだった。そうしないと消費者の間にかえって混乱を招きます。
今後様々な科学的根拠を集めて、対策を見直すのであれば、外国からの圧力ではなく科学的に見直すことを消費者に丁寧に説明することが重要だ。
