2010年02月25日 (木)『ER14』人生は手こぎボートのように
もうほとんど修復不可能と思われたコバッチュとアビーの結婚ですが、最終回でひとまず大きな決断をしたようですね。
コバッチュは自分の決意をアビーにこんな風に語っていました。
コバッチュ「これまで僕はジョーと君と自分の関係はいつも変わりなく安定していて、しっかり根づいてるものと思ってたけど、違うんだ。
例えるなら、そう、湖に浮かんでるようなものだ。ほら、ふらふら揺れながら、小さな…」
アビー「手こぎボートで?」
コバッチュ「そう、手こぎボートで向こう岸に渡ろうとしてる。
でも君の告白を聞いたとき、何かが死んだようなショックで喪に服してしまって…。
僕たちは常に変わってることを忘れてた。
何がどうなろうとこぎ続けてさえいれば…幸せをつかめる。」
コバッチュが突然人生を手こぎボートに例えたのは、ホスピスを去るウォルターの次の言葉に背中を押されたからです。
ウォルター「なあ、(甥っ子といっしょに)ボートで釣りに行くんだ。こぎ疲れたら代わってくれるそうだよ。」
こぎ疲れたら代わってくれる人---
それがアビーだということにルカは思いが至ったということですね。
さて余談ですけど、人生を手こぎボートに引き比べるルカの言葉を聴いて、私はフィッツジェラルドの小説『グレート・ギャツビー』のエンディングを思い出しました。
「ギャツビーは、その緑色の光を信じ、ぼくらの進む前を年々先へ先へと後退してゆく狂躁的な未来を信じていた。あのときはぼくらの手をすりぬけて逃げて行った。しかし、それはなんでもない。あすは、もっと速く走り、両腕をもっと先までのばしてやろう……そしていつの日にか…。
こうしてぼくたちは、絶えず過去へ過去へと運び去られながらも、流れにさからう舟のように、力のかぎりこぎ進んでゆく。」(野崎孝訳/新潮文庫)
ここだけ引用するとなんのこっちゃ?と思うかもしれませんけど、『グレート・ギャツビー』を読んだ人は大抵このエンディングの美しさに心が震えるといいます。
私もそうです。
人生って過去のしがらみをかかえながらも、こぎ続けることが大事なんだってことを思った『ER14』最終回でした。
『ER14』をご覧いただき、ありがとうございました。
投稿者:YUKI | 投稿時間:23:45
