2010年02月01日 (月)追悼 J.D.サリンジャー
アメリカの作家J.D.サリンジャーが先週亡くなりました。91歳だったそうです。
とっても残念です。
ご多分にもれず私も、10代の終わりに彼の作品にハマりました。
「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を手始めに、「ナイン・ストーリーズ」、「フラニーとゾーイー」、「大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア-序章」と読んでいったものです。
サリンジャーがいつまでたっても隠とん生活から戻ってこず、結局亡くなってしまったことにショックを受けています。
サリンジャーの「キャッチャー・イン・ザ・ライ」は歴史に名を残すアメリカ文学として世界中の多くの若者の間で熱心に読まれてきました。
そしてテレビドラマや映画の中でもたびたび触れられてきたんです。
ひとつ例をあげると、NHKで去年7月に放送した『フルハウス』の第137話「それぞれの家族」。
D.J.の恋人スティーブと夜学に通うジェシーおいたんに読書感想文の宿題が出て、二人は「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を半分ずつ読んで相談しながら感想文を書こうとする場面がありました。
この第137話「それぞれの家族」の中心テーマは実は<児童虐待>でした。
ステフのクラスメートのチャールズが父親に虐待されていて、それを知ったステフがジェシーおいたんの説得に応じて当局に通報。その結果チャールズが里子に出され、転校してしまうという結末でした。
いつも愉快でほがらかな『フルハウス』にしては随分と重たいテーマを扱ったこの回に、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」が登場するのはとても大きな意味があったと思います。
大人社会の欺瞞(ぎまん)を告発する少年ホールデンの独白物語、それが「キャッチャー・イン・ザ・ライ」なのですから。
ジェシーおいたんとステフは児童虐待事件を告発するのだけれど、それが決して手放しで喜べる結果を生むわけではない。そんなストーリー展開と、ホールデン少年がサリンジャーの小説でたどった末路とが重なってみえるという、とても手の込んだエピソードでした。
さて、サリンジャーは世間に背を向けている間も小説を書き続けているのではないかと言われてきました。
もしも今後彼の遺稿が出てくることがあれば、ぜひとも読んでみたいと思います。
サリンジャー氏のご冥福をお祈りします
投稿者:YUKI | 投稿時間:16:25
