西郷どんを訪ねて ゆかりの地巡り

西郷どんを訪ねて ゆかりの地巡り

9 鹿児島市 <中薩摩・南薩摩>

西郷どんを訪ねて 第十四回

西郷どんの“分身”

(平成30年5月22日 情報WAVEかごしまで放送)

大河ドラマ「西郷どん」もとうとう奄美編に突入しました。
運命の女性との出会いや、藩政の“闇”を知った吉之助の葛藤が豊かに描かれ、西郷どんの人間性が存分に引き出されるドラマ展開となっています。
「西郷どんを訪ねて」。第14回のテーマは、そんな西郷どんの人生をもっとも近く、もっとも長く見続けてきた“あの人”に迫ります!

第1話、西郷家の人々が登場するシーン。

西郷家

ひときわ存在感を放つキャラクターがいたのを覚えてますでしょうか。
ドーーーーン!

永田熊吉

そうです! “熊吉”こと「永田熊吉」です。
実は熊吉、「西郷どん」のオリジナルサウンドトラックの中に「熊吉さぁ」という曲があるくらい、今後も重要なキャラクターになってくること間違いなし(?)の人物なのです。

熊吉さぁ

そんな熊吉、いったいどんな人物だったのでしょうか。
「西郷どん」の時代考証を担当する、志學館大学原口泉教授に聞きました。

熊吉がいなければ西郷家は回らない、動かない

「熊吉がいなければ西郷家は動かない。回らない。」
というのも、両親が早くに亡くなった西郷家では、長男の吉之助が西郷家全体を指揮しなければなりませんでした。
西郷さんを助ける人といえば弟の吉二郎、そして家全般のことを取り仕切る熊吉。
熊吉の助けがあったからこそ、西郷さんは江戸から京都と活躍の場を広げていくことができたんですね。

実は歴史上で有名なこの場面でも、熊吉は西郷さんに付き従っていました。
江戸城総攻撃直前の勝海舟との談判の場面です。
談判の舞台裏について、熊吉の証言が残っています。
「勝が懐から、西郷の好きな“竹皮包みの握りずし”を出してふるまい、場が和んだ」というのです。

熊吉の証言

いつの時代も、胃袋を掴むことは有効だとでも言いますか、歴史を動かした偉人の交渉術、勉強になります! 熊吉がいなかったら、この舞台裏は分からなかったことですね。

そして西郷さんの最後の大舞台である西南戦争。当然、熊吉は寄り添うように主君についていきます。
激しい戦闘のなか、西郷さんの「愛する息子」である菊次郎が右足切断の重傷を負います。
西郷さんが最期に我が子を託したのも、熊吉でした。

最後の決戦に敗れた西郷は菊次郎に投降してもらいたかった

西郷さんは、攻めてきているのが、弟の西郷従道、いとこの大山巖であることを知っていました。
投降すれば、息子の命は助けてもらえると分かっていたのでしょう。
菊次郎を延岡まで連れて行き、無事に叔父である西郷従道に投降させた熊吉は、西郷家にとって菊次郎の命の恩人でもあるのです。
ふたりの信頼関係と固い絆が伺える、少し切ないエピソードでした。

こんな話もあります。
明治維新の重鎮となっていた西郷さんが街を歩いていたところ、美しい女性が通りかかります。

西郷「熊よ、己も彼のような正宗を買いたく思うぞ」

「熊吉よ、私もあのような正宗(刀の名品の名称=美しい女性)を欲しいなあ」

熊吉「戯むれにもあの様ことは、仰せられるべきものにあらず」

それを聞いた熊吉は、「ご主人さまには、冗談でもそのようなことをおっしゃて欲しくありません。」と言って、3日間、西郷さんのお世話を一切しないという行動に出ました。

西郷「我あやまてり、堪忍せよ」

すると西郷さんは熊吉に謝ったというのです。
「主人の申すことでも理不尽なことは行わない」
これは、誰かの生き方とそっくりではないでしょうか。
そうです、西郷隆盛本人の生き方とまったく共通しているのです。

「上下関係があっても人間性においては対等」
西郷さんの価値観は、幼き日々のこうした人々との交流の中で育まれていったのかもしれません!

今後、熊吉は物語の中でどのように活躍していくのでしょうか?

ドラマが終わって最初から最後まで西郷のことを全部知っているのが熊吉

「どんどん時局が変化することの証言者として、ドラマの中で現れてくるのでは。」
原口教授はこう予想を立てます。
新たな局面を迎えた大河ドラマ「西郷どん」。
熊吉と西郷さんの特別な関係にも、注目していきたいですね!
次回も乞うご期待!

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