西郷どんを訪ねて ゆかりの地巡り

西郷どんを訪ねて ゆかりの地巡り

8 鹿児島市 <中薩摩・南薩摩>

西郷どんを訪ねて 第十三回

描かれた西郷どん

(平成30年4月24日 情報WAVEかごしまで放送)

描かれた西郷どん

今まで文学や絵画、ドラマなど様々なところで描かれてきた西郷どん。
そんな描かれた西郷どんを一同に集めた企画展が、鹿児島市のかごしま近代文学館で開かれています。今回はその企画展を訪ねてみました!

「描かれた西郷どん」展 かごしま近代文学館

亡くなってから140年以上経つにも関わらず、いまだに西郷どんをモチーフにしたグッズがたくさん並んでいました。凄い人気です。この企画展では、サブカルチャー・アート・文学など、162点の資料で西郷どんがどのように描かれてきたのかを紹介しています。

学芸員 吉村弥依子さん

展示を解説していただくのは、学芸員の吉村弥依子さん。
今回の展示を中心になって準備された方です。よろしくお願い致します!

ひとつずつ見ていきましょう! まずは錦絵。
こちらは、以前も少し紹介した「西南西郷星之図」です。

火星に描かれた西郷さん

西南戦争の最中に火星が接近した際、火星の中に西郷さんが見えた!とされる噂を絵にしたもの。ひげがはえていて良く知っている西郷さんとはちょっとイメージが違うような…

学芸員の吉村さんによると、この絵の西郷さんは、浮世絵師が実際に西郷さんをみて書いたものではないとのこと。一説には、西南戦争当時、永山弥一郎のブロマイドが西郷さんのものとして売られていたため、永山をモデルに書かれたのではといわれています。なるほど…そういうことだったのか…!

こんな錦絵もあります。「西郷涅槃像」です。

錦絵「西郷涅槃像」

よく見ると、人だけでなく動物たちも嘆き悲しんでいるみたいに見えますが…
これは庶民だけなく動物からも西郷さんが愛されていたという内容の浮世絵で、人ならぬ大きな存在として描かれたとのこと。当時から西郷さんが大人気だったことが伺えますね。

近代文学館という名前の通り、文学コーナーも充実しています。企画展では、23人の作家の資料が展示されていました。

まず紹介するのは夏目漱石!
漱石が西郷さんについて書いていたのはなんとなく意外な気がします。昨年新潮社で発見された直筆の原稿が展示されていました。漱石はこんな字だったんだなぁ。

夏目漱石の直筆原稿
「西郷隆盛」

この直筆原稿は、夏目漱石を朝日新聞に招いた池辺三山の書籍に寄せた序文の原稿です。池辺三山は非常に体が大きく、信頼に足る人物だということを伝えるために西郷隆盛を引き合いに出して紹介しており、「西郷隆盛に会ったような心持ちがする」ということが書かれています。漱石は、信頼できる人物の代表として西郷隆盛を考えていたことがわかりますね。

他にも、芥川龍之介や、武者小路実篤、三島由紀夫らも西郷さんについての本を書いています。ただ、数ある文豪たちの中でも、一番西郷さんに深い思いを持って書いたのは海音寺潮五郎なのではないでしょうか。晩年は「西郷隆盛」の執筆に全精力を注ぎました。

海音寺潮五郎

西郷さんを書くにあたり様々な調査をしましたが、途中で書くのが苦しくなり、司馬遼太郎が「翔ぶが如く」の連載を始めたため、司馬遼太郎に任せよう! と一旦は考えたこともあるそうです。しかし司馬遼太郎の「翔ぶが如く」では納得がいかず、“やはり自分でなければ書けない”と執筆を再開したという逸話が残っています。熱いですね…!

どの点が納得がいかなかったのかが気になりますが、それについて書かれた資料は残っていないので、海音寺がどう思っていたのかはわかりません。司馬遼太郎の「翔ぶが如く」は西郷さんを中心に描いていたわけではなかったことや、結局「西郷はわからない」と書いていることが原因ではないかと言われているそうです。
そんな海音寺は西郷さんのことを、「政治家ではなく、永久革命家だ」と書いています。これをどうしても伝えたかったのかもしれませんね。

「彼は理想主義者で、永久革命家だったのです。」

亡くなってから、いろんな作家がいろんな立場で西郷さんについて書いていることがわかります。書かせたくなる何かが西郷さんにはあるのかもしれません。色々読んでみたくなりました…!

展示にはサブカルチャーのコーナーもありました。そこで一番目を引くのが、音楽を聴くことができるブースです。

スウェーデンのメタルバンド?

え?スウェーデンのメタルバンド?

これはスウェーデンのメタルバンド・サバトンのオフィシャルリリックビデオです。「SHIROYAMA」というタイトルの曲が流れています。せっかくなのでじっくり聴かせていただきました。内さんが写真だとブレブレになるほど乗っています!こんな内さん見たことない…!

ノリノリの内アナウンサーノリノリの内アナウンサー
歌詞の中に「Saigo」

曲の中にはメタルらしく、「SAIGO」と連呼する場面も。しっかり歌詞にも「Saigo」の文字が出てきます。この歌詞には、西南戦争を最後の侍が新しい時代に抵抗した戦いだと捉えて、戦いぶりを忠実に歌った内容が書かれているとのこと。なんだか壮大な感じです。スウェーデンのメタルバンドまで西郷さんのことを歌うとは。世界で大人気な西郷どんでした。

「西郷は写真が1点も残っていなかったため、いろんなアーティストたちの書く意欲を起こさせて、いろんなイメージで描かれました。そんないろんなイメージの西郷を楽しんでいただいて、最後に自分なりの西郷像を思い描いて帰っていただけたら。」と学芸員の吉村さんは仰っていました。

今回紹介したもの以外にも、西郷どんが登場するマンガの原画や、映画・歌舞伎の資料なども展示しています!「描かれた西郷どん」展は、5月21日まで鹿児島市のかごしま近代文学館での開催です。

「描かれた西郷どん」展 鹿児島近代文学館で展示 5月21日まで

みなさんが西郷像を思い浮かべた時、銅像の西郷さんのイメージよりも、大河ドラマ「西郷どん」で鈴木亮平さん演じる西郷吉之助のイメージになったらいいなと思いながら、今回はここまで。次回も乞うご期待!

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