2017年5月8日の

一番星
川畑善博さん

川畑善博さん

出版社社長

職場を“居場所”に
~出版社社長 川畑善博さん~”

みなさんにとって会社はどんな場所ですか? 会社に行きたくないと感じる人、早く辞めたいと思っている人もいるかもしれません。今回の一番星さんは、出版社の社長・川畑善博さん(49)。他の会社ではうまくいかなかった社員たちにも「会社が居場所」と感じさせる、川畑さんの会社運営の秘けつに迫りました。

 

川畑さんはメンタルヘルスに関する本を扱う出版社の社長です。この会社では精神障がいの当事者から詩や小説などの投稿を集め、雑誌「シナプスの笑い」を出版しています。実は雑誌をつくっている社員の7割にも精神障がいがあります。

 

従業員たちが安定して働けるよう川畑さんが始めたのが、社員1人ひとりが書く「1日1分の日報」です。仕事内容とともに体調や気分の安定、集中力に問題はないかを書いてもらうのです。これにより頑張り過ぎてしまうことが多い従業員の健康状態を常に把握することができます。

 

更に川畑さんが意識しているのは「個人の長所を引き出すこと」。従業員の1人、39歳の女性は精神疾患の影響で、得意な絵を描く気力も失う毎日を送っていました。そんな女性社員に自信を取り戻してほしいと、川畑さんは絵本の仕事を託します。キャラクターは温かく優しい風合いに仕上がりました。「宝くじが当たってもこの会社で働き続けたい」と女性社員は話します。

 
番組制作者からひとこと

川畑さんの会社に初めてお邪魔したとき、とても驚きました。精神疾患と闘いながら働いているとは思えないほど、社員の皆さんが生き生きと働いていたからです。会社で働くことで病気になる前よりもいい状態になった、と話す方もいました。
なぜそんな経営が可能なのか。川畑さんに取材を続ける中で、なるほどと思わされたのは、「精神障がいがあってもなくても違いはない。大事なのは社員との信頼関係だ」と話していたことです。川畑さんが社員の能力を信頼し、社員も川畑さんを信じているからこそ、「会社が居場所」になっているのですね。番組で紹介した川畑さんの方針は、どの企業でも参考にできる点が多いのではないでしょうか。川畑さんの柔和な姿勢と、つらい過去を背負いながらも輝く笑顔を見せる従業員のみなさんが強く印象に残った取材でした。