トップページ  番組情報  ひるまえクルーズかごしま  さつま狂句  2021年10月14日放送分

10月の兼題
「寝(ね)っ」

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    ったて 可愛むぞか寝顔い ごめんちゅ

    鹿児島市 / 永栄 寿桃 さん

    (叱(しか)ったけれども、可愛い寝顔にごめんと謝った という意味)

    キャスター:子育てに一生懸命のようですね。
    寿星 :親の愛情(ぼんのう)がいっぱい詰まっております。この句は鹿児島弁が分からない方でも、字を見れば意味も分かると思います。5.7.5のリズムの軽やかさもまた良いです。
    キャスター:「可愛(かわい)い」を「むぞか」というのですね。
    寿星 :こんな言い方は主に鹿児島、熊本で使われているようですが、「むぞうがる」からきているそうです。これも薩摩狂句にはなくてはならない言葉です。

    ったて 可愛むぞか寝顔い ごめんちゅ


     

    <唱> じゃいが翌日あくひあ 朝から戦争いっさ
    (だけれども翌日は朝からまた子育ての戦争だ という意味)

    そのようにして、子供もですが親もまた成長してきました

  • まえきゅ たて途中つとから っしもっ

    湧水町 / 安藤 微苦笑 さん

    (せっかく高い席を買ったのに途中から寝てしまった という意味)

    寿星 :作者も、雅号どおりに微苦笑されているのではないでしょうか。笑いをこのように表現できれば句づくりも楽しいでしょう。鹿児島弁の「やいややいや(しまったしまった)」という声が聞こえてきそうです。
    キャスター:何の舞台かも想像させてくれますね。
    寿星 :つい居眠りをさせてくれるようですから、子守歌に近い優しい歌声かもしれません。適当な暗さがまたいい気持ちにさせてくれるのでしょう。
    キャスター:「途中」を「つと」というのですね。
    寿星 :「中途」を鹿児島弁独特に縮めれば「つと」になります。

    まえきゅ たて途中つとから っしもっ


    <唱> 周囲ぐるいねぎい ふっといびっ
    (周囲からにらまれる位の大きないびきだ という意味)

    まあしかし、時には心の栄養も必要ですから、このような機会も必要ではないでしょうか

  • 狂句をば 寝ってしもたや せじ

    薩摩川内市 / 藤﨑 前天 さん

    (寝る前にいい狂句を思いついていたけれど、寝てしまったら思い出せない という意味)

    寿星 :この句もまた「あいたしもた」のため息が聞こえてきそうです。皆さん同じような失敗をしているのだと、反面では親しみを覚える句です。
    キャスター:メモが大事ということですね。
    寿星 :薩摩狂句を楽しんでおればこそ、いつもこのように考えていらっしゃるのでしょう。晩酌をしながらピピッときたのかもしれません。
    キャスター:同じような経験があるようですね。
    寿星 :皆さんそのようにして励んでいらっしゃるというのがまた嬉しいことです。

    狂句をば 寝ってしもたや せじ


    <唱> 間違まっげなし天 じゃったてち後悔くけ
    (間違いなしに特選句だったのにと、メモしなかったことを悔やんでいる という意味)

    あくる朝見たら大したことのない句だった、というのが私はいつものことですけど