トップページ  番組情報  ひるまえクルーズかごしま  さつま狂句  2021年10月7日放送分

10月の兼題
「寝(ね)っ」

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    ちょっしもた 一時いっと寝たなあ 博多駅

    鹿児島市 / 池江 蹴平 さん

    (あら、しまった、ちょっと居眠りしただけなのに博多駅に着いてしまった という意味)

    キャスター:どこで降りるつもりだったのでしょうね。
    寿星 :それを考える楽しみもあります。多分熊本ではないでしょうか。「みずほ」は熊本の次は博多ですから。電車であれバスであれ、このような乗り越しの経験は、皆さんお持ちではないでしょうか。失敗の話ですから距離に限らず狂句の面白い素材です。
    キャスター:この句は全部整っているようですが、まだ手を加える必要があるのですか。
    寿星 :「いっと」は「いっとっ」としたいところですがそれでは字余りになってしまいます。「一時(いっとっ)寝(ね)たや」とすれば良いわけです。似たような言葉を入れて5.7.5に収める工夫をしてみましょう。そしてこのままでは「はかたえき」としか読めませんので、鹿児島弁で読ませるには「はかたえっ」とのルビが必要です。 それとこの「ちょっとの居眠り」にぴったりの鹿児島弁があります。

    ちょっしもた つるっしたなあ 博多駅はかたえっ


     

    <唱> くだいじゃ今度こんだ 鹿児島かごいまじゃんそ
    (下りでは今度は鹿児島中央駅でしょう という意味)

    この「つるっすい」とか「つるつるっすい」など、これぞ鹿児島弁という言葉です

  • 昼寝で あの世の連れが 迎えきっ

    鹿児島市 / 川井 由紀子 さん

    (昼寝の夢にあの世から亭主が迎えに来た という意味)

    寿星 :初めての投稿の方です。実感かもしれませんが、ほっこりさせてくれます。
    キャスター:意味は分かりやすいですが、共通語が多いようですね。
    寿星 :薩摩狂句は鹿児島弁で、5・7・5の17音字で述べるのが大原則です。ここでの鹿児島弁は「来た」の「きっ」だけです。これも漢字にした方が分かりやすくなります。他には「昼(ひる)寝(ね)」は「昼(ひん)寝(ね)」、「あの世」は「あん世」、「迎え」は「迎(む)け目(め)」としましょう。他には上4の字足らずもあります。清書の際に指折り確認も必要です。

    亭主てしが 昼寝ひんねん夢で 目来めき


    <唱> 目がめたきゃ れちょいふたん
    (目覚めた時には涙で頬(ほお)がぬれていた という意味)

    久しぶりに会えたのでしょうか

  • っといも 精力せりっい しょれば

    日置市  / 中園 照志 さん

    (年を取ったら寝るのにもエネルギーが要る という意味)

    寿星 :高齢者にとっては共感を覚える方が多いのではないでしょうか。
    キャスター:うなずける方(ほう)ですか。
    寿星 :全く同感です。この「精力が要る」の表現が的を射(い)ております。
    キャスター:この句はどうしたらまだ良くなるのですか。
    寿星 :中6の字足らずと、下5をもっとすっきりと締めたいところです。添削するのに言葉の位置を入れ替えてみましたが、うまくゆきませんでした。このような時は思い切って言葉そのものを変えてみることも必要です。

    っといも 精力せりっい 目覚おず


    <唱> ごなって なおさんめで
    (夜が長くなってなおのこと辛いでしょう という意味)