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万之瀬川のリスク 堤防など未整備地域の氾濫に注意

2021年10月6日

南薩地域を流れる万之瀬川では、急激に上がる水位と、堤防が整備されていない地域での氾濫に注意が必要です。
(鹿児島局記者・津村浩司)

南薩地域の川でも、流域範囲は…



南さつま市や南九州市を流れる全長およそ36キロの万之瀬川。南薩地域の広い範囲が流域に含まれ、雨が降ると鹿児島市南部の山岳部や日置市などからも水が集まり、一気に水位が上がるのが特徴です。こうした地形の影響で、過去にも氾濫が繰り返し起きてきました。

昭和58年6月には、1日の雨の量が観測史上最多となる285ミリに。支流で堤防が決壊し、いまの南さつま市の加世田地区で2000棟以上が浸水しました。

去年7月の豪雨では支流で男性が流され、3キロほど下流で遺体で見つかりました。

そしてことしも8月の大雨で、一時、氾濫危険水位を超える危険な状態になりました。

万之瀬川を管理する県の南薩地域振興局、四村正二課長は、昭和58年のような水害がいつまた起きてもおかしくないと考えています。


四村正二課長

8月も、雨があれ以上降り続いていたらどうなっていたかなと心配していまして。あれ以上降ったときにはちょっと危なかったです。県内でも有数の流域面積を誇っていて、下流には、上流の20ほどの川から流れてきます


対策重ねるも“整備をめぐる課題”



県は、水害を防ぐために護岸を整備したり川底を掘り下げたりして、流せる水の量を増やしてきました。平成15年には、上流に「川辺ダム」を整備するなど様々な対策を重ねてきました。



四村正二課長

半世紀近く整備を進めているところです。過去の水害時と同じ量の雨が降ったとしても、ある程度までは浸水被害までいっていないという部分もあるかもしれません

ただ、気候変動の影響で大雨が増える中、不安な要素もあります。堤防の整備をめぐる課題です。

堤防を作るなどの河川の整備率は、万之瀬川本流で35点5%。支流を含めても40%余りと、整備されていない部分が半数以上を占めています。

国が管理する川はすべて1級河川で、県内では17河川なのに対して、県が管理する2級河川などは、万之瀬川を含め400以上に及びます。山岳部が多く、海までの距離が短い鹿児島の川では、整備を担う県の財政的負担が大きく、堤防の整備に時間がかかっているのです。


四村正二課長

どうしても河川整備というのがすべての場所で対応できているわけではありません。浸水被害の軽減に努めているという状況なので、災害のリスクというのがまだまだ残っている場所は数多くあります


広い流域面積 上流の雨にも注意を



四村課長は、大雨の際に気をつけて欲しいことがあるといいます。

流域面積が広いことから、身のまわりだけでなく、上流の山あいの雨の量などさまざまな情報に気を配って欲しいと呼びかけています。


四村正二課長

近年異常気象などで集中豪雨とかありますので、そういったところの雨が降った場合に、どうしても下流のほうに相当な量が流れ込んでくることがあります。下流で今降っているという状況に加えて、さらに上流のほうで雨が降っているかも含めて注意をしていただきたい