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指定外避難所確保の自治体が半数に

2021年6月17日(情報は6月9日時点)

新型コロナウイルスの影響で、避難所での密集などを避けることが求められる中、県内は、ことしも大雨の時期を迎えています。そこで、NHKは県内すべての市町村にアンケート調査を実施。すると、避難所をめぐる新たな動きが見えてきました。(鹿児島放送局 神慶佑)

新たな避難所を確保

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、指定避難所では密集などを避けるため災害時に受け入れられる人数が減っています。実際に、去年の台風10号の際には、避難してきたものの入れない人が相次ぎました。

これを受けてNHKでは、5月から6月にかけて、県内に43ある市町村に避難所のコロナ対策についてアンケートを行い、すべての市町村から回答を得ました。

その結果です。

指定避難所以外に住民を受け入れる場所について

宿泊施設や研修施設などを避難所として確保した

→13の市と町で、全体の30%

  • 枕崎市
  • 指宿市
  • 垂水市
  • 霧島市
  • 南九州市
  • 姶良市
  • 湧水町
  • 大崎町
  • 肝付町
  • 龍郷町
  • 喜界町
  • 天城町
  • 伊仙町
確保する予定で調整中
→7の市と町で、全体の16%
  • いちき串木野市
  • 南さつま市
  • 伊佐市
  • 長島町
  • 南大隅町
  • 中種子町
  • 知名町

この2つをあわせると46%となり、半数近くの自治体で確保の動きが進められていることが分かりました。

この中で、新たな受け入れ先の施設としては、▼ホテルや旅館などの宿泊施設、それに▼学校や武道館・公民館などの公共施設があげられました。


“専用避難所”開設も

避難所でも感染対策が求められる中、「専用避難所」の開設が進む現状も明らかになりました。「専用避難所」は、▽発熱やせきなどといった新型コロナウイルスの感染を疑う症状がある人のほか、▽感染者の濃厚接触者など、より高い感染対策が求められる人を対象にした避難所です。

「専用避難所」の開設について尋ねた結果、

予定している
→14の市町村で全体の32%
  • 垂水市
  • 薩摩川内市
  • 霧島市
  • 奄美市
  • 長島町
  • 湧水町
  • 大崎町
  • 東串良町
  • 肝付町
  • 龍郷町
  • 天城町
  • 和泊町
  • 与論町
  • 宇検村

検討し調整中
→10の市町で、全体の23%

  • 指宿市
  • 西之表市
  • 志布志市
  • 南大隅町
  • 中種子町
  • 南種子町
  • 喜界町
  • 徳之島町
  • 伊仙町
  • 知名町

この2つをあわせると55%となり、半数以上の自治体が開設に向けて取り組んでいることが分かりました。

それぞれの自治体によりますと、専用避難所の場所としては、宿泊施設や公共施設、それに病院を予定しているところもあるということです。


自治体からは懸念の声も

ただ、こうした新たな避難所の受け入れについては、自治体から懸念の声も上がっています。

ある自治体の担当者

避難所を多く確保することによって、担当者の確保や連絡体制などの運営に支障が出てしまう

避難が長期化する可能性もあるなかで、運営面をどう担保するかという点は、ひとつの課題です。

こうした避難所運営の課題や住民の避難所でのコロナ対策について、避難所の運営などが専門の高知県立大学の神原咲子教授は次のように話しています。

神原咲子教授

避難所が増えるのは安心できる場所や選択肢が増えるということでよい傾向です。自治体の中だけの資源を考えるのではなく、少し広域的に人々が住めるところをほかの自治体と協力して考えていくことが大事でしょう。これから夏の時期となり、この時期に多い水害では、天気予報などであらかじめ避難の有無などを考えることができるので、早めに家族などと話し合ってもらいたい


ためらわずに避難を

感染が懸念される状況で不安に思う方もいるかもしれませんが、危険が迫った際には“ためらわず”に避難してください。大雨のシーズンはまだ続きます。災害が起きていない今のうちにハザードマップを見て身の回りのリスクを確認しておくことが大切です。