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リース業やレンタカー、不動産ビジネス、保険などさまざまなビジネスを手がけている「総合金融サービス業」オリックス。宮内会長は業種の枠にとらわれず、新しい時代のニーズを捉え、リスクをとりながら新規事業に次々に乗り出すことで会社を成長させてきました。超スピード経営を旗印に月に数回開かれる「投資委員会」では毎回およそ30件の投資案件を審査。投資するかどうか判断します。現在はゴルフ場の運営や企業の再生ビジネスに力を入れています。宮内会長は、最も多感な時期に終戦を経験したことから「国を信じない、自主独立精神でいく」ことが自らの源流になっているといいます。長い間、国の規制改革の旗振り役も担ってきた宮内会長に、その哲学を伺いました。 ................ ................ ................ 【関口】今日の会社は金融を核にしたベンチャー企業ですが、どういう会社か知る近道はトップに聞くのが一番だと思います。それと国の規制改革の旗振り役をしてきたご意見番ですから、今の日本に対する叱咤激励もお願いします。戦争体験で宮内少年が学んだのは権威に頼ることではなく、自立することだったのですね。
【宮内】私と同じ世代の人は同じような考えの方が多いと思います。戦争体験は子ども心に酷かったと思いますし、負けてしまって廃墟でしたからね。それから180度、変わってしまったのは、この年になっても強烈でしたね。
【関口】人間はともすれば会社や組織に寄りかかったりしますが、それではいけないと。
【宮内】戦後は、戦争に負けた体制と全く逆のほうへ来たわけです。みんなで助け合って国ができるだけのことをしようという極端から極端へ来たという感じはあります。そういう意味で国民の中で、国や会社に頼ろうというのは美しい社会かも分からないけれども、一人一人が逆に弱くなりますよね。でも自分の人生ですから、自分で考えて自分の足で立つべきです。企業も同じだと思います。それができなければ企業は強くなれないです。
【古野】リスクを取られるようなことでも率先して挑戦していますね。
【宮内】欧米の企業は大胆にリスクを取っています。日本は農耕文化ですから、隣が気になる傾向はあるかもわかりません。ただリスクを取ればいいというほど事業は簡単ではありません。いかに計量化、数値化して緻密な計算をした中で判断すべきです。大きな方向性のような戦略は大胆に決めるべきです。そして実際の一つ一つの取引は大胆にやってはいけない、大変なことになりますからね。
【関口】世界の経済地図はアメリカの凋落と新興国の台頭という風に変わりますかね。
【宮内】大きな流れとしてはそうかもしれません。でも、そういう中で日本の地位がもっと低下するという位置にいると思います。
【関口】日本経済が取り残されませんか?
【宮内】高齢化・少子化で人口が少なくなるからダメだという考え方がありますが、私はそうは思わないですね。日本では改善すべきところがたくさんあります。特に経済の大部分を占めている第三次産業の生産性は欧米に比べて著しく低いままです。この部分を上げていくということができれば人口減少を相殺できますし、経済のパイは大きくなります。ですから経済のパイを大きくすることが一番重要です。ところが国内で起こっているのはパイの配分です。切り分け方ばかりを議論しているのは残念なことです。確かにパイの配分は重要ですが、パイが小さくなれば配分が醜い争いになるのは当然です。そうでなくてパイを大きくする中で配分を考えれば解決できます。パイをいかに大きくするかが日本経済の対処すべき最も大きな問題だと思っています。
【関口】宮内さんは長年、規制改革に取り組んできました。かつての勢いがないように感じますが、どうですか?
【宮内】全く勢いがなくなって規制改革に対する反動みたいなことが起こっていると思います。私は経済のパイを大きくするカギは2つあると思います。1つは民間部門の規制改革、もう一つが政府部門における行政改革です。こういうことをやることによって、経済の効率は上がります。例えば第三次産業の生産性が低いのは、要は人間に比べて付加価値が少ないわけです。ですから、もっと付加価値ができるような新しい産業が生まれる施策が必要なわけです。そのための重要なカギとしては、もっと規制を改革して政府の作った制度を見直すべきです。
【関口】企業は世界に打って出て活躍してもらいたいですが、日本経済も輝ける存在であってほしいですね。 |
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