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即席めん業界最大手の日清食品。日本で最初のインスタントラーメンをうみ出し、今なお新しい商品の開発に力を入れています。それぞれの主力商品にはブランドマネージャーが配置され、生産計画や販売促進策などを一手に任され、いわばその商品の“社長”としてヒット商品作りを目指しています。最近は原料の小麦が高騰するなど頭を悩ませることもあり、どういう戦略を打ち出していくのか、それぞれのブランドマネージャーの役割はこれまで以上に大きくなっています。また、日清食品は明星食品を買収し、さらにJTと共に加ト吉を買収するなど、新しい動きに積極的に出ています。食品業界を取り巻く環境が大きく変わる中、安藤社長はどういう将来像を頭に描いているのか話を伺いました。 .................... .................... .................... 【関口】今年も食品の値上げが相次ぎそうです。消費者として、味と品質が値段に見合うか吟味する年になります。もう一つ今年はインスタントラーメンが登場して50年です。年明けの値上げでメーカーとしても神経は使うと思いますが、消費者の反応は?
【安藤】市場は厳しいです。12月末までに消費者が買ってくれたこともあって、もともと1月は販売が落ちると予測しています。
【関口】即席麺の値上げ幅はどういう考えで決めましたか?
【安藤】コストが上がり、限界のバーを超えてしまうと、やむを得ないことだと思うのです。ラーメンは値上げ幅に合わせて中身を小さくすることはできません。ですから値上げ分の価値を認めてもらうことに努力せざるを得ないのです。材料で見ると小麦粉も、植物油も、包材関係、具材関係、それからガソリンも物流関係も上がっています。ですから全部含めると155円の標準価格が170円にならざるを得ないのです。
【関口】なるほど。政府が小麦の売渡し価格を今年4月にもう1回上げる見通しと言われています。その時はどうなるんですか?
【安藤】国際相場はすでに上がっているので政府が逆ざやを負担している状態で、いずれ値上げするのは避けられないと思います。その時には、メーカーとしてもう一度値上げせざるを得ない苦しい状況です。消費者の方にご理解下さいとお願い申し上げるしかない。
【古野】そういう状況だからこそ、新しい付加価値のある商品づくりが大切と?
【安藤】メジャーな商品もありますが、それ以外にも消費者が認めてくれる商品を作りたいですね。ラーメンは湯がきをします。袋麺の時代は、鍋で炊いている文化。それがカップ麺に移りやかん文化に代わった。その後やかんがポットに代わり、さらに電子レンジに代わろうとしているわけです。
【古野】電子レンジで即席麺を作るのは新しい感覚だと思いました。こういう商品はどんどん出てくるんですか?
【安藤】これから増えると思います。もしキッチンのスペースが小さかった時に一つだけ置くとしたら、昔はやかん、それがポットになり、そのうち電子レンジという時代が来ると思うんです。
【関口】電子レンジ文化を普及するにはメーカーの努力も要りますよね。
【安藤】大変です。消費者がやかんのお湯と思い込んでいる作り方を、これから水を入れて電子レンジと言っても、なかなか習慣にはならないです。習慣化してもらうには3年〜5年かけて努力して初めて実現するものです。
【古野】スティール・パートナーズは日清食品の株を19%持っている大株主です。何か働きかけはあるのでしょうか?
【安藤】いろいろ言ってきていますが、一般の株主に比べ、特別ということはないですね。
【関口】食品業界にとって言えば、ややぬるま湯的な体質があったところにスティールが登場し、みんな目が覚めたというか業界再編も動き出した。もう後戻りはないでしょう?
【安藤】我々が株主を重視しているのは創業者がその視点に立っているからです。それに株主だけでなく、ステークホルダーという企業を取り巻く関係者も全て重要ですから、バランスを考えて経営する必要があります。
【関口】冷凍食品の事業統合でみると、JTはたばこ会社、加ト吉は四国出身のオーナー会社。生い立ちも違うし、異種格闘技みたいですが、どんなものが生まれますか? 【安藤】冷凍食品には優れた技術が必要です。素材の加工度を低く、添加物を使わずに自然な状態で提供できるという点で冷凍食品は優れた食品です。技術革新はこれからです。そういうこともあって今後の食品業界は、単独にこだわらず、多くの人たちが参加して知恵を出し合うというステージを目指すことになると思います。 |
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