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三菱ふそうのトラックによる死亡事故や度重なるリコール隠しなどの不祥事を起こした三菱自動車。三菱グループから巨額の増資を仰いでの経営再建から1年余りが経ちました。企業再生の先頭に立つ益子社長は、生産現場や販売店を歩き、会社を変えるためにはどうすればよいのか、模索を続けてきました。 去年の秋には29ヶ月ぶりに新車を投入、1月にも軽自動車を売り出し、信頼回復への足がかりをつかもうとしています。再生への苦闘を益子社長にお聞きしました。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【関口】 社長に就任されて1年あまり、今の会社の状況をどのように見ていますか?
【益子】 3ヵ年の再生計画の1年目が終わったところです。少し明るさが見えてきたのかなという感じはしていますが、まだまだ再生が実現したわけではありませんので、社員一同が力を合わせて、なんとか乗り越えていきたいと思っています。
【関口】 工場に検査を行うだけの要員を配置していますね?
【益子】 品質に万全を期すためには、そうした要員が必要だという判断です。
【関口】 従来のやり方のどこに問題があったからですか?
【益子】 テクニカルセンターは、お客様に一番近いところにいる技術部門です。ここに開発・生産の人たちを送ることによって、お客様の生の声を体験して、できるだけ早くフィードバッグすることが品質向上のスピードアップにつながると考えています。
【関口】 そうしないと、開発の方は顧客の生の声を聞けないということですか?
【益子】 直接聞けないという問題があってはいけませんから、そこを是正しようということです。
【関口】 いわゆるリコール隠しと言われた体質は、一掃できていますか?
【益子】 改善されました。今は、非常に早く経営の方に悪いニュースであっても上がってくるようになってますから、全体が十分に把握できる体制になっています。
【柴田】 意識の改革は、実はとても難しいことではありませんか?
【益子】 今まではどちらかというと受身で仕事していたと思いますが、自分で何かしないといけないというふうに思い始めた人たちが、たくさん社内にいます。そして、活動している結果が自信につながってきていると思います。自信が少しずつついてくると、改革のスピードも上がってきます。それは今、できてきているという実感を持ってます。
【柴田】 益子さんご自身というのは、どういうことをすべきだと考えていますか?
【益子】 自信を持ってもらうこと。そのためには、小さな目標でもいいから、確実に目標を達成していく、その積み重ねが自信につながる。それが意識改革につながると考えています。社員、あるいは家族は、ずいぶん辛い思いをしていますから、なんとか名誉挽回したいという気持ちが全員にあります。
【柴田】 販売の現場も変わってきましたか?
【益子】 女性だけの自発的な拡販支援チームができました。出勤前とか、あるいは退社後に、自らパンフレット配るということも行われ、社員の意識が変わって、それが行動に出てきています。
【関口】 販売の実績はどう見ていますか?
【益子】 2006年度は、本当にお客様に信頼回復が伝わっているかどうかという年です。さらなる高い目標を掲げてやっていきますので、ぜひ2006年度も目標を達成したいと思っています。
【関口】 生産体制の見直しは、そろそろ結論が出るのでしょうか?
【益子】 できれば、4月中にも方向性を出したいと思っています。
【関口】 それは生産は継続されるという方向ですか?
【益子】 2006年度の事業計画を固めてから、最終判断をしたいと考えています。
【関口】 入社式で今年の新人に、一番伝えたかったことは何でしたか?
【益子】 現状肯定型になって欲しくないこと。誠実な企業であるために、おかしいと思ったことはおかしいと言う勇気を持ち続けて欲しいこと。三菱自動車の復活に貢献したと思えるような環境作りを、今の経営陣がやらなくてはいけないこと。大きくその3つだったと思います。 |
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