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京都市に本社を置く日本電産は、精密小型モータの分野で世界トップレベルの企業です。31年前、3人の仲間と事業を興した永守重信社長のモットーは「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」。世界?1になるという強い信念で会社を成長させてきました。永守社長が掲げる次なる目標は2010年の連結売上高1兆円です。そのために積極的なM&Aを展開。これまでに23社を傘下におさめ、すべての企業の業績を回復させています。どんな手法で会社を急成長させたのか。そして経営難の企業を再生させる秘訣は何か。永守社長に伺いました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【鹿島】 永守社長の基本精神、『情熱・熱意・執念』そして、『知的ハードワーキング』それから、『すぐやる・必ずやる・出来るまでやる』を選んだ理由を教えてください。
【永守】 会社を創業した31年前に、我々の競争相手だったのは、世界や日本を代表する大企業でした。これに勝つためにはどうするか、そこに全てつながっています。
【関口】 日本電産の成長を支える柱が企業買収で、経営難の会社に出資し、立て直してグループの戦力にしてきたわけですが、買収する会社はどういう視点で選ばれていますか?
【永守】 一番大事なことは、技術です。技術を確立するためには、最低で10年かかりますから。きちんとした技術を持っている企業でないと、再生は難しいですね。
【関口】 永守流の企業再生の特長は、人員削減を基本的にしないということですが、これは何故ですか?
【永守】 人間の能力の差は、通常は2倍ぐらいでしょうか。ところが、人間のやる気は、100倍ぐらいの差がある。その能力がないからとその首を切りますと、ほとんど切らなければならなくなる。
【関口】 再生するためには、雇用を守るということで意識を高めて、やる気を出してもらうということが大事だということですね。
【永守】 業績が落ちている時は、経営者も社員もやる気が落ちている。それを上げていけば当然、業績が良くなってくるということです。
【鹿島】 みんなで毎日掃除をすれば、業績が改善するのであれば、明日からうちもやってみようという会社も多いと思いますが、それで本当に再生しますか?
【永守】 どの業種でも、必ず黒字になると私は思います。また、出勤率というのは社員のやる気を表わす指標です。ですから、出勤率が上がって、6S(整理・整とん・掃除など)を守れば、業績も上がってきます。これはもう過去の実績です。再建を手がけた23社すべてで数字が出ています。
【鹿島】 やる気を出させる、士気を向上するというのが一番難しいと思います。
【永守】 それが経営者の役目です。経営者が社員のやる気を引っ張り上げるのが、一番大事な仕事です。それから、優秀な人間だけで会社をやろうと思うから間違いで、やはり、全員の力が企業を強くする。
【鹿島】 当たり前のことが、なかなか出来ないと思いますが。
【永守】 会社の経営は、当たり前のことを当たり前にやることです。天才を集めないといけないとか、秀才がいなかったら会社がやっていけないということはないと私は思います。この31年間、経営してきて、経験がない、知識がない人材でも勝てる軍団に変えていける。それが、経営者の情熱だと思います。
【鹿島】 永守さん、無理はしていないのですか?
【永守】 いや、毎日楽しんでいます。会社が成長することや、大きくなって仲間が増えていくことが、本当に楽しい。企業の最大の社会貢献は、雇用だといつも言っています。若い社員たちが、生き生きと働いてくれる姿を見ると、もっと元気が出てきます。
【関口】 中間管理職としては、何が大事でしょうか?
【永守】 困っている部下を助けるということが、一番大事です。色々な能力が要求されますが、部下が困っていることに親身に対応できることが大事です。
【関口】 経営のプロとして伺いますが、プロ野球の球団経営のどこに問題があると思いますか?
【永守】 ファンに対するサービス精神を失ってきていることです。やはり、私はサービスに徹すべきだと思います。試合に負けてもいいから、負けても人気のあるチームを作ることが球団経営の基本だと思います。それから、新規参入したい企業には、どんどん参入させたらどうでしょうか。今回参入を希望している方は、30代の若い経営者ですから、こうした経営者を自由に参入させれば、日本のプロ野球も変わると思います。 |
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