イベント
Japan Prize 2020 公開イベント&授賞式予定
午後6時~午後7時30分
【キーノートセッション】
コロナと世界の教育メディア
キーノートセッションの冒頭を飾ったのは、台湾のデジタル担当閣僚、オードリー・タン氏だった。タン氏は若者の意見をもとに薬局のマスクの在庫が一目でわかるネット上の地図を開発した例を挙げ、デジタルネイティブ世代の発想にもっと学ぶべきだとメッセージを発した。モデレーターを務めたNHKの安田慎チーフ・プロデューサーは、コロナ禍の中で世界の教育メディアはどんなことに取り組んでいたのか、アメリカ、南アフリカ、イギリスの制作者に話を聞いた。アメリカの幼児向け番組『セサミストリート』のベンジャミン・リーマン氏は、自宅で遊ぶ方法や、互いへの思いやりをテーマにした緊急特集を制作したが、「子どもたちは事実を受け止める強さがある。メディアは正直に伝えるべき」と実感したという。南アフリカ放送協会(SABC)は、コロナの影響で、SABC初の教育チャンネルを5月に開局した。同局のジャクリーヌ・ヒョンワニー氏とチリジ・ダバナ氏は「子どもたちや教師の要望にきめ細かく対応するのは公共放送の大事な務め」と意気込みを語った。最後の議論には、BBCのリサ・パーシー氏とアメリカの教育ニュースメディア The74 のエメリン・ツァオ氏が加わり、コロナによって拡大する教育格差の問題が指摘された。「教育がコロナで脚光を浴び、問題解決を呼びかけるのがジャーナリストの役目になった」とツァオ氏。パーシー氏は「教育関係者やメディアの間で協働が進んでおり、勢いが加速していることに希望を感じる」とまとめた。
- 基調講演
オードリー・タン
デジタル担当閣僚
<台湾>国家発展委員会のオープンデータ諮詢委員会とK-12カリキュラム発展委員会の委員を務め、台湾初のe-Rulemakingプロジェクトを主導。Apple、オックスフォード大学出版局、Socialtextのコンサルタント。「政府をフォークする」という呼びかけのもと、市民参加型社会に向けて様々なツールを制作する活気あるコミュニティー「g0v(ガヴゼロ)」に積極的に貢献している。
- プレゼンター
- ベンジャミン・リーマン
VP、エグゼクティブプロデューサー
セサミストリート
<アメリカ>
- プレゼンター
- ジャクリーヌ・ヒョンワニー
プログラム部長
南アフリカ放送協会
<南アフリカ>
- プレゼンター
- チリジ・ダバナ
コミッショニングエディター
南アフリカ放送協会
<南アフリカ>
- パネリスト
- リサ・パーシー
エグゼクティブエディター
BBCチルドレンズ&BBCラーニング
<イギリス>
- パネリスト
- エメリン・ツァオ
プロジェクト&マルチメディアディレクター
ザ・74
<アメリカ>
- モデレーター
- 安田 慎
チーフ・プロデューサー
NHK制作局