第36回「日本賞」学生セミナー
「日本賞」クロスメディア・フォーラム関連イベントとして開催されてきた『学生セミナー』。今年度からは規模を拡大し、単独イベントとして7月18日(土)にNHKふれあいホールにて開催され、メディアや教育を学ぶ学生を中心に92名の参加者が来場しました。各セッションで、たくさんの質問の手があがり、大変インタラクティブなセミナーとなりました。 学生セミナー

パネル・ディスカッション『新しい教育メディア〜シリアスゲームの可能性〜』

馬場 章

馬場 章

東京大学大学院教授
日本デジタルゲーム学会会長

シリアスゲームは「社会的問題解決型デジタルゲーム」開発、導入、評価の繰り返しで発展。
谷内正裕

谷内正裕

慶應義塾大学博士課程

ゲームは周囲との対話のきっかけとなる。コミュニケーションの促進は学びにつながる。
水口哲也

水口哲也

ゲームクリエイター
キューエンタテインメント株式会社 CCO

ゲームは体験のデザイン。生活の中の発見を通りすぎずに制作に活かすことが大切。
坂上浩子

坂上浩子

日本賞事務局事務局長
編成局ソフト開発センターEP

子どもたちの頭に!と?をおこして、発育を後押しするという目的意識で、幼児番組を制作してきました。

ゲームが双方向かつリアルタイムという特性を活かし成熟に向かっている中、ゲームをどうとらえるかという「ゲームリテラシー」がユーザーだけでなく、制作者、教育者にも必要であるというテーマについて、問題が提起されました。そして、「ゲームの本質は人間そのものである」(水口)、「学習は小さな成功体験の積み重ねであり、ゲームも同じである」(谷内)、「メディアの本質を理解するためには接することだ」(馬場)など各スピーカーの見解が示されました。また、日本では、ゲームは受動的であり、こと主体性に欠くという批判を受けがちであることに対して、「欧米ではゲーム学は確立された学問であり、学習ツールとして広く普及している」(馬場)、「すべてのメディアは当初は批判される運命にあるもの」(水口)、「テレビ番組も同様の批判を受けるが、鑑賞教育としてのちの主体的行動に役立つ。テレビもゲームも、使い方によって教育的にも非教育的にもなりうる」(坂上)などの意見が挙がり、テレビとゲームのメディアインテグレートへの方向性が示唆されました。参加した学生からは、「テレビとゲームは通常対立構図で取り上げられることが多いけれども、協力的な意見交換は印象的でした」(慶應義塾大学理工学部)などの意見が寄せられました。

第35回「日本賞」出品作品紹介

エリック・ヤング

エリック・ヤング

セレゴジャパン

個々人の記憶強度に合わせた反復学習プラットフォーム「smart.fm」では、ユーザーが学習コンテンツをコミュニティ内で共有できます。昨年、優秀賞を受賞した「iKnow!」に加え、様々なアプリケーションを使って、語学に限らずあらゆる知識を学習できるようになりました。今後は学校教育分野への進出を予定しています。
赤井美樹

赤井美樹

旺文社

NHK番組「えいごであそぼ」のコンセプト「楽しく、体で覚える、コミュニケーションのための英語」をもとに、ロケットペン型の学習教材を開発し、昨年度「日本賞」幼児向けカテゴリーで優秀作品に選ばれました。ロケットペンは、ポスターや本に印刷されたコードを読み取り、モードに合わせて数種類の音を出します。

産学連携でつくる教育コンテンツの取組み

春田真理子/山本晃士ロバート

春田真理子 

ベネッセコーポレーション

山本晃士ロバート 

ユーフラテス

中高生の理数離れに対する産学連携の教育的取組みとして『日常にひそむ数理曲線』という映像作品を制作しました。この作品では、従来アニメーション技術であるrotoscopeを再解釈した手法で、日常の中の美しい数理曲線を見出しています。安定した学習効果をもたらすよう全体の構成にも配慮しました。
阿部学/荒崎智史

阿部学  

千葉大学大学院博士課程

荒崎智史 

NPO法人企業教育研究会

企業と連携して作る教育コンテンツに取組むNPO活動として、小中学校に出前授業を提供しています。一例として、ゲーム会社と連携し、学校で学ぶ関数を用いてキャラクターを動かすプログラミング体験ゲームを紹介。学校は、産業界の技術や知識を取り入れることで、より充実した授業を提供できると思います。