企画部門 優秀賞<日本ユネスコ協会連盟賞>

第45回日本賞 優秀作品

企画部門 優秀賞 <日本ユネスコ協会連盟賞>
砂漠の“トイレ”革命
機関名 ビューレン・ゾヒスト・プロダクション
国/地域名 モンゴル
(ヒダヤ・オン)

 制作者が乗り出したのは、いつの時代においても一番骨の折れる任務です。それはすなわち、男たちに話しを聞かせることです。


 これは表向き、幹線道路沿いにトイレを設置するという公衆衛生についての企画です。ところが、男性、女性、活動家、フェミニスト、若者、政治家など、その人が誰であるかによって、新しい学びが得られ、隔たりが埋められていきます。それがストーリーを伝えることの不思議な力ではないでしょうか。よいストーリーは、何を考え、感じ、実行すべきと語る必要がありません。前向きな行動を促すものです。だからこそ「日本賞」は、デジタル、テレビ用コンテンツ、教育メディアの世界で唯一無二の存在なのです。


 その核心にあるのは、私たちの振る舞いや習慣を変える有意義な作品の制作です。よりよい父親、母親、夫、妻、上司、そして同僚となるため、さらにはこの地球のよりよい住人となるためのコンテンツです。


 「砂漠の“トイレ”革命」のプロデューサーにお祝い申し上げるとともに、健闘を祈ります。ぜひ男たちに話しを聞かせてみてください。

(オユンダリ・ツァガーン)
 変化をもたらすドキュメンタリー制作の機会を与えてくださり、日本ユネスコ協会連盟および「日本賞」事務局に心より御礼申し上げます。名誉ある賞金で、アイディアを実現することができます。トイレ改革に向けた働きかけの必要性は、モンゴルで現在とても高まっています。72パーセントの家庭が使っている非衛生的なくみ取り式トイレが、人口密度の高い地域で大規模な土壌や地下水汚染を引き起こし、多くの家族や子どもたちが、常々苦しんできました。地元住民たちはこの問題に以前から気付いていましたが、実行可能な策を持ち合わせていません。私はトイレ改革運動を提唱する数少ないメンバーの1人として、率先して数々の研修会を開いてきました。1940年代後半の非識字率ゼロを目指した動きや、1990年の民主化運動のように、抜本的で急激な変革につながると信じています。このドキュメンタリーは歴史的な変革の一部となるのです。モンゴルにおける歴史の変化に貢献していただき、日本ユネスコ協会連盟と「日本賞」に感謝いたします。

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