児童向けカテゴリー最優秀賞<文部科学大臣賞>

第45回日本賞 優秀作品

児童向けカテゴリー最優秀賞<文部科学大臣賞>
マイ・ライフ
ビデオブログが私の人生
機関名 ブレイクウェイ・ノース
国/地域名 イギリス
メディア テレビ
(ケズ・マルグリー)
ニッキー・リリーがYouTube上で何十万人もの心をとらえたように、彼女は審査委員たちのハートも盗んでゆきました。ある審査委員はこの作品を宝石に例えました。どうしてもニッキー・リリーに会ってハグしたいと言う審査委員もいました。とはいえ「日本賞」は教育的な要素を表彰するコンクールです。そのため審査の過程では常にこの点が最重視されました。私たちは、子どもたちは「学ばされている」と感じるとすぐにそっぽを向いてしまうことを知っています。ですから、視聴者がこのドキュメンタリーから得られる多くの学びのさりげなさが私たち審査委員を魅了しました。困難から何度も立ち直る力、自己も他者も受け入れる許容性、そして、ビデオブログを安全に利用する方法やケーキのアイシングのコツなど、実践的なアドバイスもたくさん入っています。これは精巧に作り上げられた美しい作品です。いくつもの物語が織り込まれてひとつの作品を形作っています。また、ディレクターのニッキーへの敬意が光っています。これはニッキーの作品なのです。彼女は自分を見失うことなく、恐れや痛み、あるいは混じりけのない喜びを感じる瞬間を視聴者たちと分かちあいます。ニッキー、私たちの力強いお手本になってくれてありがとう。あなたのことを話してくれてありがとう。まさに最優秀賞にふさわしい作品です。
(サラ・マーチ)

クランプリ日本賞をいただき、この上なく光栄に感じています。ニッキーが彼女の物語を番組にすることを許可してくれたときの嬉しさに匹敵します。


番組制作は終始一貫してニッキーとの共同作業で進められました。どのようなアプローチでこのドキュメンタリーを制作すべきかについて、ニッキーのアイデアに耳を傾けることが不可欠でした。ニッキーの行動を追った映像と彼女自身のビデオブログ、さらに彼女のプライベートな日記を用いることで、ニッキーの番組制作への当事者意識を高め、また、彼女の人生をありのままに、かつ詳細に洞察できるようにしました。


この作品の焦点はニッキーの病状だけではありませんが、病状が彼女の体験を形成しているのも事実です。そのため、ニッキーがときおり「外見で判断されているな」と感じるときの気持ちを理解することも大切でした。


何が普通で、何が完璧で、何が美しいのか。それらに関する子どもたちの理解がソーシャルメディアによって狭められることが多くなっています。そんな時代にニッキーがSNSを通してこれらの基準に異を唱えることはきわめて重要です。子どもが7歳になるまでに外見的な違いに触れると、それがあたりまえなものとして認識されるようになることを示す研究があります。放送に関わるものとして、プロデューサーとして、多様性を示し、何が「ノーマル」であるかについて常に挑戦してゆくのが私たちの責任であると信じています。

← 受賞作品(2018)

TOP