第44回日本賞 優秀作品

幼児向けカテゴリー最優秀賞 <総務大臣賞>
手でおはなし
月とオオカミ
機関名 教育省教育テレビ
イベロアメリカ自然文化遺産機関
デュン・フィルムズ
国/地域名 エクアドル
メディア テレビ
(ブレット・ピアース)
友情と愛のちからを題材にした民話を見事に再現した「手でおはなし」の特筆すべき点は、そこに登場する表現力に富む手話通訳者です。描写の美しさにも魅せられるものがあります。鮮やかな色彩と洗練された様式で語られる短編寓話が、見る者の想像力をかき立てます。しかし本当に革新的なのは、手話通訳者が語り部であり、主役であるということです。画面の片隅に登場するのではなく、アニメーション映像とうまく融合しています。全編を通して情感豊かに動く彼女の存在が、古くから伝わる物語の世界を広げ、さまざまな効果をもたらします。この番組の対象は聴覚障害者だけではありません。見た目にも楽しく、違和感なく引き込まれる番組作りが、子どもたちにとって手話を身近なものにしています。そして今年の審査委員はその賢明なる手法は視覚的にも斬新で、かつ鮮烈な印象をもたらす力があると評価しました。
(モニカ・マルリ)
多様性、そして多様性を受け入れることは、公共メディアや教育メディア用に番組を制作する者にとって重要なテーマです。しかしエクアドルでは、これらのテーマは民族や社会経済の問題と関連付けられる傾向にあります。聴覚の障害は表面的にはわかりにくく、子どもたちは手話と接する機会がありません。メディアにおいても、手話通訳者は政府関連のニュースで見ることはできても、子ども番組には登場しません。「手でおはなし」は、これまで焦点をあてられなかった聴覚障害の子ども向けに制作されましたが、すべての人を対象としています。音楽と色彩にあふれ、そして何よりも手話について学べる番組となっているからです。「in sign(手話で)」はスペイン語で「en sena」と書きます。そして「ensena」を活用形にもつ動詞「ensenar」には、「教える」という意味があるのです。ダブルミーニングの言葉遊びが番組のタイトルになっています。「手でおはなし」は、良質で楽しい番組であると同時に、メディアにとって実に革新的な作品なのです。

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