キミの心の“ブラック・ピーター”
機関名 ファミリーフィルム&テレビ
国/地域名 オランダ
メディア テレビ
(トゥーラ・ラヤヴァーラ)
「キミの心の“ブラック・ピーター”」は、無意識の人種差別を題材にした、勇気あふれるそして印象深い作品です。普段、見逃してしまっていることを、立ち止まってもう一度考えさせてくれます。監督が取り入れた手法は、社会的にまた科学的に興味深い試みであり、またカメラを身近な人たちに、そして彼女自身に向けるというものでした。私たちは、作品を楽しみながら、同時に偏見のもたらす傷の深さを知り、そして見た後には、自分の行動について自問させられることになります。これは私たちが暮らす世界において、とても重要なことです。わたしたち審査委員はこの作品を心から讃えたいと思います。勇敢で、普遍的で、魅力的で、特別で、ユーモラスでありながら、同時に差別について語っているのですから!しかも全く説教じみていないのです!パーソナルな語り口と革新的なアプローチの秀逸な例だといえます。誰もが心動かされるこの作品にグランプリ日本賞を贈ることを、たいへん光栄に思います。

(モニーク・バスマン)
「キミの心の“ブラック・ピーター”」が、このような大きな賞を日本でいただけたのは、大変な名誉です。そして、それ以上に重要なことは、ブラック・ピーターというキャラクターをとりまく議論が、オランダだけでなく世界中の人たちに関心を持ってもらえたことです。この作品の中で、監督のスニ・ベルフマンは、ブラック・ピーターに対する態度を通して、どのような人が差別意識を持っているのかを分析しました。撮影期間中、私たちが目指していたのは、オランダの人たちに、肌の色に対する無意識の偏見、「心の中の差別意識」を気づかせることでした。この作品を高く評価してくださり、賞をいただけたことに感謝します。「キミの心の“ブラック・ピーター”」は、オランダだけでなく、多くの国々にとっても重要な作品であると信じています。

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