漂う:北京で生き抜くチベット人親子
機関名 ストーリーズ・ザット・マター
トライポッドメディア
国/地域名

アメリカ/中国

メディア 映画
(エドウィナ・ワディ)
ジャスリン・フォード制作・監督のこの映画作品は、チベット人たちの生活を紹介する貴重な扉になりました。故郷の村だけではなく、中国の大都市で懸命に生きる彼らの姿も伝えています。フォード氏は、この大叙事詩の主人公であるザンタと偶然に出会います。彼女が断ち切ることのできない因習にとらわれた家族関係 ―― それがこの作品の背景にあります。ここから私たちは、より良い人生のスタート地点に息子を立たせたいという母親の愛情、さらには今も続くチベットの家父長制度を目の当たりにしてゆきます。この作品は、教育の重要性、家族の絆の大切さ、また異文化間での相互理解の必要性などが、さまざまな面で描かれています。そしてまた、人の優しさを描いた物語でもあり、運命を変えてゆこうとする主人公の決意の物語でもあるのです。

(ジャスリン・フォード)
私はこの主題に思いがけず出会ってしまった、と言ってもいいでしょう。あの晩、私はザンタが陸橋の上でアクセサリーを売っているのを見て、近づいていきました。どうして漢民族の多い北京に、チベット人が住みたがるのか不思議だったのです。その時はこの出会いが映画になること、そしてその映画をもって世界中を旅することになることは予想もしていませんでした。ザンタが民族差別、性差別を克服していく物語が、より公正な世界を作るにはどうすればいいかという世界規模の議論に貢献してくれることを願っています。この映画をきっかけに日本の若者と中国の若者が語り合う機会を持つことになれば、監督として大変うれしく存じます。

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