わたしの友だちは “トカゲ”
機関名 フィールグッド・フィクション
メディア テレビ
国・地域名 イギリス

この小説のように感動的な物語は、より公正で寛容な社会の構築にいかに知識が役立つものであるかを示しています。 万人向けでもありますが、特に7歳から12歳の児童向けに制作されたこの物語は、アスペルガー症候群の少女と視点を共有する機会を視聴者に与え、互いの偏見を打ち破り、友情を育み、豊かなものにしていくことができると私たちに気づかせてくれます。
私たちはいつの間にかドラマの主人公たちと一体化してしまいます。言葉に頼らず、湧き起こるさまざまな感情を伝える映像のレトリックも巧みで、音響、撮影手法そして語り口のペースにより、私たちは、この特別な状況と障害に向き合う人をより深く理解するようになります。病気の前に人間の姿を見ることができるのです。
リズムも長さも申し分ない、面白くかつ心温まる物語を楽しみながら、視聴者が「他者」を受け入れていく力も養ってくれます。これは、「共生」社会の構築にテレビというものが、どれほど教育的効果があるのかを示す確かなお手本です。

援助が必要な障害を抱える子どもは、孤独で扱いにくい存在になることがあります。彼らは挫折感を感じていらだったり、自分が無力で役に立たない、結局自分はほかのみんなと違うのだ、と感じてしまうのです。私たちの映画が目指したのは、子どもたちにそうした違いを受け入れ、支援が必要な子どもたちに寛容であるよう教えることです。私たちがアスペルガー症候群を今回取り上げたのは、最も誤解されやすい障害だからです。人づきあいが下手で、そっとしておかれることの必要性から、彼らは反社会的で一人でいることが好きなのだろうと思われてしまうのですが、実際は全く違います。周囲の人は少し忍耐強く、彼らが本当に頑張っていることを理解するだけでよいのです。 主人公の女の子の目を通して、私たちは、彼らの日々の闘いをこれまでより理解できるようになり、誰もがポジティブなものを内にもっていることに気づくようになります。彼らが、すてきなこと、かっこいいことを教えてくれるかもしれません! 私たちの物語を選んでくださった「日本賞」に感謝いたします。制作に携わった私たち皆が感動し、光栄に思っております。

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