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作品は、まれな遺伝子障害を持つアルフェをめぐるものです。映画製作者の父親は、アルフェの視点から、彼女の周りの世界をきめ細やかに記録していきます。その結果、信じられないほど美しく、感動的な映画が生まれました。何が彼女にとって最善なのか、映画はアルフェの両親が向き合う選択を描いていきながら、配慮の行き届いた教育制度が、いかに特別の子どもだけではなく、その子とかかわり合う、いわゆる「健常児」たちをも変容させることができるかを示してくれます。また驚くほど前向きで喜びにあふれた幼いアルフェの個性が、作品に特別な価値を与えています。しかし、このような特質を映像に捉えるのは決してたやすいことではありません。だからこそ監督は高く評価されるにふさわしいのです。