タイトル チェルノブイリ 再生の歴史
国・地域名 フランス
機関名 カメラ ルシーダ プロダクション

1986年4月26日に起こったチェルノブイリ原子力発電所の爆発事故。
放射性物質の放出により周辺住民13万5千人が避難した。事故後、街は廃墟となり深刻な土壌汚染が生じたのだが、現在は豊かな自然環境を取り戻しつつある。高い放射能汚染にもかかわらず、なぜ動植物は繁殖を続け命を繋いでいるのか?その謎について研究を続けている生物学者、遺伝学者など科学者たちを取材。最先端の研究をCGでわかりやすく視覚的に説明しながら、 放射能汚染の問題についてここに住む生き物の生態から検証した科学ドキュメンタリー番組。

最優秀賞を受賞し光栄です。この名誉は、制作チームや放送局や科学研究機関の皆と分かちあいたいと思います。低線量放射線の影響のような現代科学の問題は複雑で、相反する結果が出たり、決定的な答えが出なかったりします。放送番組で扱うには難しすぎるテーマかもしれません。しかし、私たちがこの作品で心がけたように、複雑な問題をできるだけ多くの視聴者に解りやすく提供できるよう、最大限の努力をすることが大切なのだと思います。現代科学が人類の共有する未来の大部分を形作っている今、これは教育全般の問題でもあり、多くの制作者仲間たちと共に「民主主義の継続」にどう貢献するかという問題でもあります。今回の受賞は、この道を更に歩んでいくための温かく力強い励ましとなりました。
(アントワン・バーマス)

前代未聞の大規模な原発事故が起きたチェルノブイリ。今やその地は、放射能の影響を初めて科学的に検証できる土地として、遺棄された不思議な世界として、さらには木々が芽吹く自然保護区として、科学研究の最前線になっています。作品は、この新たに出現した自然の楽園から与えられた将来への手掛かりをたぐりながら、このような大惨事の生命への影響を解明しようと奮闘する人たちの姿を追います。難解な事象に迫るため、素晴らしい映像の中に人間の選択が招いた予期せぬ結果と、自然の回復力を織り込みながら、豪華で刺激的な作品に仕上がったこのドキュメンタリーは高い評価に値します。生命への影響と未来に向けた重要な選択という重要課題の研究に、洞察と教育的な着想を盛り込んだ作品です。

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