膨大な人口を抱えるバングラデシュ。識字率が極めて低く、政府はすべての国民に基礎教育を施すよう奮闘しているが、開発に必要な施策のすべてを適格に実行することは不可能な状態にある。貧しい機織工の息子、アクバル・アリは教育の大切さに気がついた人間の一人だ。教育がなければ何も変わらない―その信念をもとに、彼は自らのお金で成人のための夜間学校と子どものための学校を設立する。このドキュメンタリーは、アリの取り組みを紹介することで、富裕層と教育者たちに教育開発への支援を促すことを目的としている。

 このような栄誉ある賞を受賞でき、非常に感激していると共にとても誇りに感じております。今回の受賞は母国バングラデシュにとって、また自身の人生に対し決して「No」と言わない青年、アクバー・アリ氏にとって大きな名誉となります。この企画は、自身も十分な教育を受けられない境遇下に育ったにもかかわらず、慢性的な財政難により教育環境の改善が課題となっている地域に暮らす人々へ教育を推進させたアリ氏の運動を取り上げるドキュメンタリーです。映像が人々を魅了する力は万国共通でありそのコマ1つ1つから放たれるメッセージには時に、どんなに言葉をもってしても勝ることのできない力強さがあります。だからこそ「教育‐社会の光』を通じ、ひとりの青年の献身的な運動がすべての階級の多くの人々の意識を捉えることを期待しております。彼が掲げたモットーは、「文明社会の人々は教育を受けられるべきである」。

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