ダウン症のある4人のアーチストの非凡な思考と感情豊かな生活を、自己描写アニメー ション、自分自身でのナレーション、インタビューを組み合わせ、ユニークな視点で紹介しているアニメドキュメンタリー。障害、芸術とアイデンティティ、自己表現、他人との違いを理解し、私たちに障害者についての固定観念を打ち破り、差別について考えるよう促している。児童でもダウン症を理解することができるだけでなく、障害者教育のプロを育成するための教材にもなる。

 「自分でできるよ」は、その制作に取り組むすべての人に物質的・金銭的なものを超えた価値を見出させてくれる類まれで特別な映画のひとつです。我々全員に、社会に変化を与え、違いを生み出していくという大切な使命を遂行するチャンスを与えてくれます。映画の中の4人のダウン症候群の芸術家は完全に生まれ変わり、自分らしくあることへの自信を持てるようになったばかりではありません。彼らはさらに他の人々にも自己の声を見出すインスピレーションを与え、世の親・保護者たちに変化は可能であるという希望を育ませたのです。我々一同(フィルムメーカーのシラ・アベニ、プロデューサーのマイケル・フクシマ、そしてカナダ国立映画制作庁)がこの映画の制作で共に力を合わせられましたことは非常に名誉なことでした。また、我々の芸術に対する信念と社会変化への手立てに共感してくださった「日本賞」審査委員の方々に深く感謝いたします。
NFB アニメーション・スタジオ プロデューサー マイケル・フクシマ)

 制作者の犯しがちな過ちは障害のある人を哀れみのトーンで描いてしまうことです。しかし障害のある人たち自身は、過酷な人生を送るかわいそうな人たちとしてではなく、一人の人間として尊厳をもって扱われたいと考えています。
 この「自分でできるよ」は、このような作品を正しいトーンで作った最高レベルのお手本です。障害のある人を、子どもにも親しめるように巧みに、尊敬の念をこめて描いた作品となっています。このような作品がもっと増えることを望みます。

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