アメリカの環境保護活動のパイオニア9人の証言を通して、現在の地球環境を考える長編ドキュメンタリーである。第2次世界大戦後のアメリカは豊かな物質文明を追い求め、経済成長を続けた。その陰の産物として生じたのが環境汚染や健康被害である。作品内で個人の半生を追うことで人々が環境問題に気づかされた経緯を見せており、人類が地球の生態系に与えた影響の原因を検証するとともに、それらの事実を認め立ち向かおうとする、近年の我々の努力を描いている。。ナレーションを極力排したインタビュー構成とすることで真実味と客観性を持ちながら環境保全の重要性を伝えている。

 「アースデイ アメリカを振り返る」の制作を始めたときから、私にとってとても大事な作品になると感じていました。それは我々の世界の見方を変えた、ある運動の重要な歴史を伝えるというだけではなく、私が最初に映画を作った12歳の頃から語り始めた物語でもあったのです。私が育ったニュージャージー州の小さな町の公害について描いたあの処女作以来、当時の私を触発した「何か」の支えとなる思想を掘り下げたものを作りたいという衝動を抱き続けてきたのです。
  環境に関する作品、地球・大気・生態系への公害の影響に関する作品が近年多く存在しています。しかし、「アースデイ」のように、環境運動が始まったきっかけを検証するような作品はありませんでした。「アースデイ」は、私たちがどこに向かわされているのか、不和がいかに私たちを破壊するのか、環境運動のパイオニアたちが、歴史のある瞬間にいかに団結して人類と地球のために真実を宣言したのか、それを知るために過去に目を向けた作品です。真実は移ろいやすいかもしれませんが、私たちの政治と文化に永続的な影響を与えました。
ロバート・ストーン、 監督・プロデューサー・脚本

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