第34回「日本賞」<2007年>受賞企画

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企画部門
放送文化基金賞
企画名:ヤング・デモクラシー
機関名:KCDプロダクション
国名:ブータン
企画内容
 インドと中国、二つの大国の間に横たわる国ブータン。ヒマラヤに位置するこの国 が国際社会と関わるようになったのは 1960 年代後半のことです。
 長く君主制であったブータンですが、国民総生産に代わる国民総幸福量という 概論を提唱し、世界の注目を集めます。
 2006 年には第4代国王である ジグメ・シンゲ・ワンチュクが、国と国民の将来のために 2008 年までにブータンは立憲君主国家へ移行すると宣言しました。
 この番組はブータンの新しい世代、国のために何かできるという希望に満ちた男女二人を紹介しています。
 一人目はソナム・トブゲイ・ドルジという民主人民党(= People's Democratic Party ) という政党の政治家です。官僚として約束された未来を捨て、政治家として生涯を送ることを決めました。率直で、カリスマ性とやる気にあふれ、未来を変えられると信じる男です。
 もう一人は若い女性で、ブータンの変わりゆく政治状況を懸命に理解しようとしています 。大多数のブータンの人々と同じように、彼女はこの国における自分の役割について考え、来たる選挙でどのように票を投じようか決めようとしています。
 彼らの目を通し、歴史的変化を遂げようとするブータンを垣間見ることができるでしょう。
審査講評
 「ヤング・デモクラシー」は、世相や政治的変化に対するブータンの人々の期待を、鋭い視点で見つめた番組でした。経済と社会を発展させるための改革を、ブータンはどれほど必要としているのかを見る者に教えてくれる番組です。
 「国民が改革を望もうと、望まずとも、この国の存続のためには改革を受け入れなければならないでしょう」と番組プロデューサーは語っていました。二度と誤った方向へ進まないよう、ブータンの政治は今まさに歴史的な分岐点に立っているのです。
 新しい民主化政策への参加をブータンの人々に呼びかけるプロデューサーの情熱を審査委員は感じました。彼女は番組制作にあたり、ある二人の人物に焦点を絞っています。番組で重要な位置を担うこの二人は、とある政党に属するカリスマ性のある候補者と有権者の若い女性です。選挙期間中の彼らの考えを通じ、彼らが抱く期待やブータンにおける今後の民主主義が浮き彫りになります。放送するための大きな課題は、見る人のためにどれだけ公平な番組にできるかでしょう。
制作者コメント
ケサン・ドルジ
KCDプロダクション代表


 放送文化基金賞をいただき、長年の夢がかないました。
 日本賞と数年に渡る温かい交流の中で、多くのことを学んできました。私にとってこの受賞はとても意味深いものです。日本とブータンからの 激励と支援に大変感謝をしています。
 そして、わたしの国ブータンを代表する機会をいただき、とても誇りに思っています。
 放送文化基金賞と日本賞の援助をいただいたことで、ブータンの発展と歴史的な変化を全世界にお見せできることと思います。
 「ヤング・デモクラシー」はブータンのためだけではなく、世界中の国で、教育的に高い価値があると思っています。この番組のテーマは、政治的変化や不透明感という万国共通のものであり、誰もが共感できるでしょう。
 Tashi Delek!  ありがとう!
 このドキュメンタリー番組の制作に挑戦し、 2008 年の日本賞で皆さんにお見せできるのを楽しみにしています。
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