第34回「日本賞」<2007年>優秀番組

最優秀番組紹介 エントリーリスト
番組部門 一般教養番組の部
番組名 KBSスペシャル ギルテック先生の子どもたち
機関名 韓国放送公社(KBS)
国名 韓国
 「ギルテック先生と子どもたち」は 1980 年のサブクという小さな町が舞台です。独裁者が暗殺され、国民の苦境は変わらず、政治的には非常に暗い時代でした。しかし、皮肉にも、この小さな町にとっては、人々が次々と移り住んでくる、最も繁栄した時代でした。この番組は、混沌と重労働と希望が混ざり合った、サラダボウルのような時代を生き抜いた、小学校教師「ギルテック先生」と生徒による詩集の物語でもあります。この年はサブクの町でも小さな暴動がありました。
 27年後、番組は現在40歳になっている元生徒たちを韓国全土から探し出し、もう忘れられていた、子ども時代に自分達が作った詩集を届けました。この詩集に収められた詩は、炭鉱で働く父親や働き者の母親、そして町の様子が、素朴で正直な言葉でつづられています。最初は、小さな詩人が27年後に自分が書いた詩に再会するその時を記録するという企画でしたが、炭鉱の町で育ったすべての子どもと、今では活気を失った韓国の炭鉱の町を伝える番組になりました。
 この番組は韓国人なら分かち合える懐かしい出来事で構成され、韓国人でなければ分からない表現も多くあります。だからこそ、世界各国から集まり、異なる文化的背景を持つ審査員が寛容と知力を持って、韓国独特の表現を理解し、評価されたことに深い感銘を受けます。「ギルテック先生と子どもたち」という小さなお話に、多大な理解を示していただき、審査員と日本賞に心から感謝申し上げます。
 ギルテック先生は成長した「小さな詩人たち」に会うことなく10年前に亡くなりましたが、先生の授業は今でも子どもたちの心を温かく灯しています。そして今、ギルテック先生の子どもたちは、韓国社会のいたる所で自分の信じるもののため頑張って生きています。
チョ・ジョン・フン
プロデューサー
番組名 インスピレーション: 西アフリカ物語
機関名 ティーチャーズ・テレビ
国名 イギリス
 番組制作を手がけたフラッシュバック・テレビジョンは、教育界にゆるぎない業績を残しているだけでなく、力強いドキュメンタリー制作においても長い歴史があります。ですから、ブドゥブラム難民キャンプで見たカロリン・ミラー小学校での驚くべき光景は、ぜひとも伝えておきたいものでした。この話を誠実に、また教師や生徒の生の声として伝えるには、時間をかけ、彼らとともに働き、真の信頼関係を築かなければなならいことはわかっていました。ディレクターのナンシー・プラットとガーナの撮影チームは、その仕事を見事に果たしてくれました。その結果が、感動的でありながら感傷的でない、ティーチャーズ・テレビの視聴者であるイギリスの教師、ひいては世界中の様々な人々に語りかける、この番組になりました。よくあることですが、小学校での出来事をよく見てみると、一つの問題がもっと大きな何かを映し出していることに気がつきます。私たちフラッシュバック・テレビジョンでも、この番組を誇りに思い、受賞をうれしく思います。この学校に国際的な目が向けられたことが何よりもうれしいのです。
イングリッド・ファルク
エグゼクティブ・プロデューサー、フラッシュバック・テレビジョン
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