第31回「日本賞」<2004年>最優秀番組

特別賞
ユニセフ賞
番組名:子どもに声を 誰のせい?
機関名:プラン・ケニア
国名:ケニア
番組内容
 子どもたちが番組を企画、取材、制作し、自分たちの願いや思いを込めた作品を発表するという形式のシリーズ。この回は、エイズで亡くなった少女の同級生が企画・制作したドラマ。演じているのも生徒たち自身である。
 14歳の少女ジェリは、母親に、大人の女性として認められるために割礼をしなさいと言われる。割礼を受け、成熟した女性であることを示すために男の子たちとつきあうようになり、やがて妊娠。「男の子たちとつきあいなさいとは言わなかった」と言う母親と言い争う。ジェリは出産するが、赤ちゃんがエイズに感染していることがわかる。体調が悪く、病院のベッドで苦しむジェリ。ラストシーンは、赤ちゃんのお葬式である。
  ジェリがエイズに感染した原因は何か。割礼で使われたナイフか?不特定多数の男性とつきあったことか?古いお産のやり方か? ――番組はその回答は出さずに、視聴後の教室での議論に余地を残している。
審査講評
 この番組はクラスメートの一人がエイズで亡くなった後、その同級生によって作られた。 ドラマという形式で、エイズをめぐりケニヤの若者が置かれている困難な状況やジレンマを描いている。女性の割礼など古くからおこなわれている習慣、そして子ども達が比較的低年齢で性交渉を始めていることなどによって、ケニヤの子ども達がHIVに感染する潜在的な危険は高い。こうした状況下では、正確で十分な情報がケニヤの若者に伝えられているかが大きなポイントになる。この番組は、こうした問題について、若い人たちの間に議論を巻き起こし、ケニヤでのエイズの蔓延に歯止めをかける1つのきっかけとなりうるだろう。
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