過去の受賞番組
第26回コンクール日本賞受賞番組
(高度な教育的価値を有し、教育の分野における放送の大きな役割と可能性を立証する、全部門を通じて最も優れた番組)
第26回コンクール文部大臣賞受賞番組
ETVカルチャースペシャル
「最後の晩餐ニューヨークを行く
〜僕たちが挑むレオナルドの謎〜」


参加機関: 日本放送協会
部門: 青少年

【番組の内容】
 レオナルド・ダビンチの壁画の名作「最後の晩餐」を素材に、青少年を対象として、個々の見方を大切にした美術鑑賞の方法をわかりやすく魅力的に伝える番組。  500年前に描かれた名画は、残念ながら退色が進み、ダビンチが描いたディテールが読み取れないほど原形から遠ざかっていたが、イタリアの専門家による修復作業とNHKのハイビジョン技術により、見事に名画が再現された。

 番組では、その原寸大のレプリカを、ひとりの美術史家がニューヨークの高校生の前に提示して、絵が語りかけるものは何かを問いかけ、高校生たちは、作家がその1枚の絵に込めたメッセージについて活発に意見を述べ、討論を展開する。

【審査委員の講評】
 映像をはじめとする技術水準の高さとともに、双方向の教育番組としての可能性を示している点が、審査委員から高く評価された。番組冒頭で「ユダはどこにいるか」と問いかけて若者たちの関心を引きつけ、さらにテレビの前の視聴者もその謎に引き込んで番組を展開した手法が、非常に斬新で、美術を鑑賞する新しいアプローチを示唆するものだと受け止められた。一般家庭での視聴はもちろんのこと、学校での教材としても、 有効に活用できる可能性があり、あらゆる文化的背景の人にとって意味深い番組である。