咲くやこの花 | ドラマのみどころ

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咲くやこの花 | ドラマのみどころ

 百人一首が大好きで、地味に目立たず生きようとしていたはずのヒロイン・こい(成海璃子)が「大江戸かるた腕競べ」で勝ち進み、江戸中の注目の的となっていき、さらには仇討ちを志す浪人・由良(平岡祐太)との初恋を経験する中で、人間として成長していく大江戸青春グラフィティー。愛、友情、親子愛、師弟愛、全ての泣き笑いをぎっしり盛り込んだ、感動の30分!成海さん、平岡さんとも時代劇初出演!

作者のことば…藤本有紀

 子どもの頃、お正月にはよく家族で百人一首かるたをしました。

 家族それぞれになんとなく「好きな歌」があって、みんな、その札だけは取られまいとしていました。

 スポーツでもなんでもそうだと思いますが、親となにかを競い合っていると、あるとき突然に、自分のほうが強くなっていることに気がつく瞬間があります。

 わが家の百人一首でも、そのときが訪れました。

 ある年のお正月、父のお気に入りの歌が読まれたのに、父はその札をいつまでも見つけられずに探しているのです。

 私はとうの昔に見つけていましたが、身を乗り出して懸命に探している父を見ていると、先に手を出すことができませんでした。

 やがて父が札を見つけて取りました。父はとても満足げで、私はどうしようもなく泣けてきました。

 そのことを、どういういきさつだったか学校の国語の女の先生に話すと、先生は泣き出してしまいました。その感受性に、私はひどく驚きました。

 遠い昔の、ささやかなそれらのできごとを、今でも鮮明に憶えています。

 お正月の家族の団らん。勝つことの楽しさ、痛み。成長することのほろ苦さ。共感して泣いてくれる先生の存在。くり返し読み、聞き、憶えた百首の歌。そこから伝わってきた恋や人生。

 それらのできごとをこのドラマにこめようとしたわけではありません。

 今このドラマが作られるために、それらのできごとがあったのだと思っています。

制作にあたって…佐野元彦

 藤本有紀さんが素敵なドラマを書き下ろしてくださいました!

 NHKの時代劇としては、百人一首をこんなにもフィーチャーした時代劇は初めてだと思います。この新鮮な題材のドラマの、ヒロインこいを演ずる成海璃子さんも、ヒーロー由良を演ずる平岡祐太さんも、時代劇初挑戦です。まさに新しい時代劇の誕生です。そして、このドラマをしっかり支えてくれるのが、松坂慶子さん、余貴美子さん、佐野史郎さん、寺田農さんら素晴らしい出演者のみなさんです。紋切り型の時代劇にない斬新さを持ちながら、どこか暖かさがあるこのドラマ。

 全10回を通して「忘れられないドラマ」になっていると思いますのでぜひ多くの方に見ていただきたいと願っています。

【作】藤本有紀
【音楽】河野伸
【主題歌】「また逢いたい」(作詞・作曲・唄 初音)
【語り】中村梅雀
【演出】佐藤峰世(NHKエンタープライズ)
富沢正幸
佐々木善春(NHKエンタープライズ)
【制作統括】佐野元彦(NHKエンタープライズ)
加賀田透(NHKドラマ番組)