NHK土曜時代劇 桂ちづる診察日録

キャスト(登場人物)

桂千鶴(かつらちづる・24才)

…市川由衣

 思い立ったら止まらないから、そそっかしい。よく言えば、一途だ。本当は笑顔がよく似合うが、医者ともなると……。

 診療科目は外科、内科、眼科など、なんでも診察。医者の父・東湖(遠藤憲一)の背中を見て育つ。母を亡くした6才の頃、父のようになりたいと思う。父に漢方を教わる。男に伍して医者になるために、護身用に柔術を学ぶ。蘭方と漢方、二つが補えば新たな医療の道がある、父の言葉に共感し、蘭語の塾に通う。そして、華岡青洲の大坂分校に寄宿し、外科手術を身につけ、23才の時、長崎の出島でシーボルトに学ぶ。

桂陽太郎(かつらようたろう・34才)

…高嶋政伸

 不肖の兄だと人はいうが、千鶴には大切で大好きな兄である。沈んだ千鶴を明るくさせる、お人好しの「お兄ちゃん」である。10才年上で、母親が違う。芝居好きが高じて、四世・鶴屋南北(江原真二郎)の弟子になる。見習いから、狂言方五枚目になったばかりで、五世・南北を夢見る青年だ。生来、手先が器用で、小遣い稼ぎに入れ歯を作る。本気で『入れ歯師』になって真っ当に稼いだらと千鶴は思うのだが……。父の東湖が千鶴に医者を託したのは、血を見ると卒倒する性癖が、遂に直らなかったからだ。地獄耳の持ち主らしい。

お竹(おたけ・38才)

…キムラ緑子

 桂家の女中。個人病院のいわば看護婦長でもある。下手な医者顔負けのベテラン看護師。時には気弱な女医さんを叱咤激励する鬼婦長も。プライベートでは、母親を早くに亡くした千鶴の母親代わりとなる。千鶴の生母の嫁入りに従い、11才で奉公に来る。千鶴のおしめを替え、子守をする。親子二代に仕えて勤続通算26年になる。結婚歴、有り。千鶴の表情を見ただけで、何を考えているかが分かってしまう。医者の不養生で命を落とした東湖に、誰よりも責任を感じているのはお竹である。そばにいながら、無理する東湖を止められなかった、と。

酔楽先生(すいらくせんせい・60才)

…三宅裕司

 根岸の里で、飄々と生きる町医者。但し、故あって休業中で、医者修業の親友、東湖の遺志をついで、医者いらずの優しい医学書を執筆している。もっとも、いつ完結するかは本人にも分からない。千鶴の父親代わりで、医学のこと、人生のこと、厳しくも優しい相談相手である。陽太郎の行く末も案じている。

 旗本千石の三男坊に生まれ、剣の道を究めろと強制する父親に反発し、家を出て、医者になったと言われる。東湖の死についても、責任を感じて、生涯、独り身である。将軍に子宝が授かる秘薬を献じていて、収入には事欠かない。

おたつ(54才)

…戸田恵子

 牢屋敷の女牢の『牢名主(ろうなぬし)』である。息子殺しの罪で、永牢(ながろう)と言う<無期刑>となって、今年で、20年になる。子殺しの業を背負って、それでも生き抜いたゆえなのか、ある種の悟りが備わったらしい。不幸に虐げられて罪を犯し、劣悪な牢屋の中で、希望を失いがちの女たちには、頼もしい姉であり母である。そして千鶴も、おたつから人生を学ぶ。その昔、千鶴の父・東湖に殺した子を診察して貰ったと言う。辿ると、材木問屋のお嬢さん育ちらしい……。

桂東湖(59才没)

…遠藤憲一

 千鶴の尊敬する父。名医と評判の町医者。治療所の薬料は「ある時払いの催促無し」であった。漢方と蘭方の出合いに新しい医学の夢を託した。相模国の農家の次男に生まれる。疱瘡が流行り、幼い弟を失ったのが、医者を志すきっかけとなる。15才で、江戸に出て町医者の桂東雲に弟子入りし、医者修業の酔楽に出会う。性格は正反対だが、妙に気があって親友となる。26才の時、東雲の娘の婿養子となって、桂東湖を名乗る。娘は陽太郎を出産後に直ぐに亡くなる。33才の時、千鶴の生母と再婚する。

NHK土曜時代劇 桂ちづる診察日録