番組のみどころ

志を失わなければ、人は輝き続けることができる―戦国一のかぶき者・前田慶次の晩年を描いた痛快時代劇!衝突を恐れ、他人の意見に従っているだけでいいのか?言いたいことも言えず、権力に迎合していく者を良しとする世の中で、年をとり、立場が変わっても、信じる価値観のため戦った漢・前田慶次。その謎に包まれた晩年を、木曜時代劇「かぶき者慶次」でついにドラマ化します。

【物語】

時は慶長13年(1608)、徳川家康が関ヶ原の戦いで勝利したころ。上杉家は会津120万石から出羽米沢30万石に大減封されることになった。組外衆の多くは将来に見切りをつけ、米沢を去って行く。そんな中、前田慶次はこの地にとどまり続け、困難に立ち向かう人々と生きる道を選ぶ。
60歳を超える慶次は米沢の地の粗末な庵に細々と暮らし、「潮時」を考えていた。
一方で息子の新九郎は、風流三昧で、酒好きのオヤジ、さっぱり世に名高い猛将らしくない慶次に反発を覚える。
だが、ここぞという時で「かぶく」慶次。引退を考えながらも、上杉家を守るためなら命を投げ出すことも厭わない。次第に新九郎は本当に人間を知っている者のみが持つ度量の大きさ、彼の生きざまに魅せられていく...。

作者のことば

作:小松江里子

戦国の武将、前田慶次は華やかなかぶき者。
そのため、以前、大河ドラマ「天地人」を書いた時、主役よりも目立つのではと、敢えて描かなかった人物です。
そんな慶次と、今回巡り会えたことを嬉しく思っています。
「己を裏切らず、正しいと思ったことをやれ。それが『かぶき者』」
慶次のドラマの中のセリフです。
戦国であろうが、現代であろうが、傾奇くとは、派手さや奇抜なことだけではなく、己の信じた生き様を貫き通すこと。
藤竜也さんが、そんな晩年の慶次を見事に演じ切ってくれています。

制作にあたって

制作統括:内藤愼介(NHKエンタープライズ)

「現代のかぶき者」たちにエールを!
ドラマ誕生のきっかけは、原案者の火坂雅志先生との再会でした。「戦国時代には意表をつく振る舞いで名を轟かせたかぶき者たちが数多くいる。そんな中で、一番のかぶき者は誰か?前田慶次―」そんな話で盛り上がり、これまで描かれることのなかった彼の晩年に焦点を当てることで、年を取ってもまだまだやれると感じている人たちや、生き方に迷いを感じている人たちを応援する、新しいドラマが作れるのではないかと考え始めました。
「かぶく」とは、ぶれない物差しを持っているということ。彼の揺るぎない生き様は、時に頑固と取られることもありますが、やがて周囲を変えていきます。そんな強さこそ、変化の激しい現代に必要なものだと思います。
主演の藤竜也さんは、芯が通って、いたずら好きで、優しく、チャーミング。実際の慶次もかくやあらんといったはまりぶりです。天下のかぶき者・前田慶次が老いてなお見せるかぶきぶり、ぜひお楽しみください。

演出にあたって

演出:佐藤峰世(NHKエンタープライズ)


【この作品の特徴】

1.ドラマの時代設定と場所設定

 →1608(慶長13)年・秋~1609(慶長14)年・初夏
 →出羽国・米沢~上杉30万石

日本史年表では、1603年徳川家康が征夷大将軍に任ぜられ、江戸幕府が成立し、安土桃山時代(織豊政権)は終わった。しかし、安土桃山時代の遺風は色濃く残存していた。
このドラマでは、かぶき者といわれた前田慶次を中心に、東北米沢の地に生きる名も無き人々を、時代の大きな転換点を背景に、人情味豊かに描く。


2.かぶき者

★異風を好み、派手な身なりをして、常識を逸脱した行動に走る者たちのこと。茶道や和歌などを好む者を数寄者と呼ぶが、数寄者よりさらに数寄に傾いた者と言う意味。
★「法」「社会通念」「因習」に囚われず、自分が正しいと思ったことを実行する者。
★年齢を重ねた結果、「共同体」(若者たち・百姓・町人) の為に正しいと思うことを実行し、死をも厭わない。「小さきものの命をも大切にする」。
★徳川家による「取り潰しの危機」から上杉家を救う。徳川による危機とは、反主流派(馬廻組・衆)による軍備増強策。又、自身が三成の子を秘匿していること=三成の恩義に報いたい。
★反主流派との確執・対立⇒事件が引き起こされる→慶次が解決する。
★趣味人 無苦庵(セット)に意匠を凝らす(数奇屋風の造り) 。飄々とした風体・日常。
★約百石取り。


3.家族劇

★人を育てる基本は何か? 憎しみに生きるな!?自分と向き合えば、人生は楽しい。
★日本人の倫理観「己を裏切るな」「正直に生きる」「素直に生きる」。
★「君子の交わりは淡きこと水の如し」主君とべたべたした付き合いはしない。
★米沢から京・大坂に行きたいと言い出す息子。世俗の権力者になったら、自分の時間が持てなくなり、つまらない人生になってしまう。
★「地方」にはその土地、土地の魅力がある。新しい価値を作る意気を持て。
★かぶき者・慶次の妻子は、夫以上のかぶき者であった。


4.上杉氏の越後への回帰運動

 →上杉家内の主流派vs反主流派
 →両派が事件を引き起こし、慶次と新九郎が解決する
主流派はもはや徳川の時代である。徳川政権の下、米沢で生きる→新田開発。質素堅実・ストイック(牢人たちの首は切ったが、家臣団の首は切らなかった)。
反主流派は、米沢への資本投下に反対。いつの日か父祖の地・越後の本貫の地へ回帰したい。謙信公を尊崇する強い信念、米沢は仮の住まいと認識している。しかし、徳川に利用されてしまう。

【スタッフ】

作:小松江里子
原案:火坂雅志
脚本:山上ちはる(8回のみ)
音楽:渡辺俊幸
演出:佐藤峰世・吉村芳之・田中英治(NHKエンタープライズ)
制作統括:内藤愼介(NHKエンタープライズ)・原林麻奈(NHK)

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木曜時代劇 | かぶき者 慶次

かぶき者 慶次 | 総合 2015年4月9日(木)スタート 毎週木曜 午後8時

NHK 木曜時代劇 かぶき者 慶次