2016年1月14日(木)夜8時スタート【総合・毎週木曜】よる8時00分~8時43分 [連続8回]/再放送:【総合】毎週火曜 午後2時5分から

番組のみどころ


NHKのサイトをはなれます。
人気劇団率いる劇作家・鬼才 松尾スズキ演じる冴えない中年スランプ作家・近松門左衛門が神出鬼没の渡世人・万吉×青木崇高と元禄大坂を駆け抜ける新感覚!痛快娯楽時代劇
木曜時代劇「ちかえもん」

時は元禄16年(1703年)、戦国の世から100年。元禄文化は陰りを見せ、経済は右肩下がり。現代にも通じる格差広がる世の中で、戯作者・近松は大衆が何を求めているのかを見失い、堂島新地の「天満屋」に引きこもっていた。客入りが落ち込む芝居小屋の座長・竹本義太夫からは「世間が沸き立つ戯作を書け」と脅され、妻には逃げられ、同居する母の小言にも悩まされ、何を書いても面白いと思えず、筆を折りかけていた。為政者・綱吉は生類憐みの令に続き“親孝行”を表彰。赤穂浪士事件は忠義貫く美談と世間はもてはやした。「何が忠義や、なんで命落とす! あほや! お上が親孝行を表彰するのも気に入らん。お上に押し付けられるもんやない!」そう周囲もはばからず言い放つ男・万吉と近松は出会う。万吉は代金が払えずに女将に敬遠されながらも天満屋に居座り、板場では見事な包丁さばき、お銚子運びに宴会に大活躍で、遊女たちの人気者。その一方、竹本義太夫は近松にたいし「当たり興業が出せなければ、あんたは首や!」と言い放つ。

落ち込む近松は万吉を相手にする気力も出ないが、彼に勝手に相棒にされて、万吉が惚れた遊女・お初と夫婦になりたいと相談される始末。近松が適当に下すアドバイスを本気にし、大騒動を巻き起こす中、万吉は失恋をするが、お初には笑顔が戻る。かくして毎回、近松と万吉のふたりはお初や徳兵衛など、人形浄瑠璃「曾根崎心中」に登場するひと癖もふた癖もある人々と出会い、さまざまな騒動に巻き込まれていくことに。

そんな日々の中、果たして近松は傑作を書きあげることができるのか?

物語を見つける ...脚本 藤本有紀

私は物語をつくっているのではなく、見つけているのだと思います。

見えないだけで、物語はいつもそこかしこに存在している。

その中からひとつを見つけ出して、手に取って、書く。

それが自分の仕事だと思っています。

「不孝糖売り」などと、あったかどうかも定かではない肩書きをしょって、万吉という男がある日突然、私の原稿に現れます。

「誰やねん!」と思います。

しかし現れたものはしかたがないので、つき合うことにします。

すると万吉は、こともあろうに名高い浄瑠璃作者の近松門左衛門をつかまえて、なれなれしくも「ちかえもん」と呼びます。

近松は近松で、プライドは高いのに自信がないという扱いづらい性格を抱え、元禄時代の人のくせして70年代のフォークソングを好むという無軌道ぶりです。

そんな近松が万吉の起こす騒動に巻きこまれ、ついに傑作『曾根崎心中』を書く、という物語がどうやら存在していて、私はそれを見つけてしまい、書くことになったらしいのです。

設定を決め、構成を決め、展開を決めて書き出したつもりでも、万吉も近松も、そこからはみ出して動きます。想定外のことをしゃべり出し、ほかの登場人物たちを引き連れて、あらぬ方向へ物語を導いていきます。私がふたりを動かしていたはずなのに、気がつけばふたりが私を引っぱっているのです。私はふたりを見失わないよう必死で追いかけ、ひたすら書くのみです。

やがて、虚実入り乱れた世界観の中、欠点だらけのおかしな人間たちが泣いたり笑ったり、じたばたしながら自分の道を見つけてゆく痛快娯楽時代劇『ちかえもん』が生まれました。

万吉役の青木崇高さんとは、初めてお仕事をご一緒してから8年の間に、もう何度目かというくらいにご縁をいただいています。いまや何の不安もなく信頼し、すべてをお任せしています。つかみどころのない、難しい役どころをこんなにも楽しげに生き生きと演じていただき、万吉も喜んでいることと思います。

近松役は松尾スズキさん。自分の脚本が松尾さんの目に触れるというだけで緊張しますが、それ以上にうれしい気持ちでいっぱいです。この脚本が近松に求めていることの質量は異常です。松尾さんはそのすべてに完璧に応えてくださっています。

時代劇で、コメディで、文芸もので、心中もので、友情もので、親子もので、ミュージカルでミステリーでラブストーリーでサクセスストーリー。

 こんな欲張りでわがままな脚本をドラマにしたいという願いを、最高のキャストとスタッフのみなさんが全力を尽くしてかなえてくださいました。

ずっとどこかに存在していて、でも誰の目にもふれることのなかった物語が、いま世に出ようとしています。ぜひご高覧いただき、この物語を一生懸命生きるおかしな人間たちと一緒に、泣いたり笑ったりしていただけましたら幸せです。


【プロフィール】

兵庫県出身。舞台脚本等をへてテレビドラマの脚本を手がけるようになる。NHKでは大河ドラマ『平清盛』、連続テレビ小説『ちりとてちん』、土曜時代劇『咲くやこの花』、土曜ドラマ『夫婦善哉』などを執筆。魅力的な人物造形と巧みなストーリーテリングには定評がある。

木曜時代劇「ちかえもん」

愛されるメロディー ...音楽 宮川彬良

「初めての撮影所で緊張しましたが、無事済んでよかったです。元来の面長にちょんまげが良く似あい…」え?コメントって音楽について?

だと思いました。

えへん、作曲家生活三十余年、名刺に「舞台音楽家」と書くぐらいですので「ドラマ」に関しちゃ、さぞや経験があるだろうとお思いでしょうが、何とテレビドラマの音楽を担当するのは四回目の私。しかもこれが初時代劇。よくぞ私に声をお掛け下さった。ありがとうNHKドラマ班。

プロデューサーからの要望はただひとつ。

「愛されるメロディーを」

うんうん、分かる。今時メロディーを大切になさるとは良き心掛け。ようし、全身全霊をかけてご要望に応えましょう、と奮闘すること数週間。(途中、綱吉役で出演というハプニングまであり…。)何とか録音日には間に合いまして…。

はてさて、悲劇の作家を喜劇で演ずる「ちかえもん」、「愛されるドラマ」として無事「初日」を迎えられるのでありましょうか。


【プロフィール】

1961年2月18日、東京生まれ。
東京藝術大学在学中より劇団四季、東京ディズニーランドなどのショーの音楽を担当。その後、数多くのミュージカルなどを手掛け、舞台音楽家として活躍。
自身で、作曲、編曲、指揮、ピアノ演奏、解説を行いながら進める独自のコンサートスタイルで人気を呼んでいる。
2003~2010年NHK Eテレ「クインテット」、2009~2010年NHK BS2「どれみふぁワンダーランド」、2011~2012年NHK BSプレミアム「宮川彬良のショータイム」の音楽を担当、出演。

“虚実皮膜(きょじつひまく)”のファンタジック・コメディ ...演出 梶原登城

今回、ひょんなことから藤本さんとお会いし喜劇を演出する事となりました。が、演出にとっては最も難しいジャンルです。コメディは。

むむ、早まったか?

一抹の不安を抱えながらの船出となりましたが、そんな僕らの前に突如として現れたのが、近松門左衛門の“虚実皮膜”という言葉です。

きょじつひまく? 不安は高まる一方です。

嘘とまことの境目は曖昧なもので、どこまでがリアルでどこまでがフィクションなのかわからない、その薄皮一枚の微妙な交わりにこそ人間のおかしみや感動があるというのです。300年前の人が。

あれ?でも、わかるかも。

世の中、人を驚かせたり面白がらせるために本気で嘘をつくことはある。他人や自分を守るために本心を偽ることだってある。それが必死であればあるほど傍から見れば滑稽なものはありません。そうかそうか!今も昔も喜劇とは「必死さ」にあるのかも!!

藤本さんが生み出す“追い詰められてちょっとおかしくなった人たち”を“かなりおかしな”青木さん、松尾さんが真剣に演じる「虚実皮膜」のカオスな世界。是非ともご堪能いただければ幸いです。

今に響く“物語の力” ...制作統括 櫻井賢

土曜ドラマ『夫婦善哉』でご一緒した藤本有紀さんに「上方らしい喜劇を時代劇でやりたい」とお声がけしたのは昨年3月のこと。時代小説を読み漁り、ブレストを重ねる日々・・・けれど企画開発は難航しました。

「今の時代に響く時代劇って何?」・・・弱きを助け、強きを挫く―――勧善懲悪の名作時代劇は多々あるが・・・「この時代にはなんだか綺麗事・・・どうも心に響かない」。

そして2カ月があっと言う間に過ぎた5月。藤本さんから「近松門左衛門を登場させ、曾根崎心中を題材にオリジナル時代劇をやりたい」と提案されたとき「それ、喜劇になります?しかも、オリジナル!?無理でしょ」と大いに困惑しました。「近松と曾根崎心中」と言われても、多くの人は、その実よく知らない。さらに、このご時世に生々しい“心中事件”を題材にしたドラマを「誰が夜8時に見たいです?」。しかも時代劇でオリジナル。「果たして準備は間に合うのか・・・」と、大いに疑心暗鬼になりました。けれど、私は浅はかでした。

やがて、わたしの想像をはるかに超えた痛快娯楽時代劇『ちかえもん』が誕生し、藤本さんの台本に魅了された最高のキャストが結集。“上方芸能”を支える最強の布陣で臨む、なんとも贅沢なドラマ制作が実現しました。

今の時代に届けたい“物語の力”がたっぷり詰った至極の時代劇を、どうぞお見逃しなく。

木曜時代劇『ちかえもん』


[放送予定]

2016年1月14日(木) スタート
総合 毎週木曜日 夜8時00分~8時43分(連続8回)


[作]

藤本有紀


[音楽]

宮川彬良


[出演]

青木崇高
優香  小池徹平  早見あかり
山崎銀之丞  徳井優  佐川満男
北村有起哉  高岡早紀
岸部一徳
富司純子
松尾スズキ
ほかの皆さん


[制作統括]

櫻井賢


[プロデューサー]

木村明広


[演出]

梶原登城・川野秀昭



[義太夫節指導・三味線]

竹澤團七師匠


[人形遣い・監修]

桐竹勘十郎師匠


[劇中アニメーション]

岡江真一郎


[撮影協力]

国立文楽劇場、文楽協会


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