1万5000年前、オオカミをイヌとして飼うようになって始まった家畜の歴史。以来、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ニワトリ、ウマなどが家畜化され、人類に定住化と文明の発展をもたらしました。これら家畜たちに共通しているのは、ヒトに従順で、多様な姿形をしていること。さらに、その形質が何世代にも渡って受け継がれていることです。
ロシアの細胞学遺伝学研究所では、わずか50年で、キツネをペットにすることに成功しました。ヒトに尻尾を振って甘え、頭は小さく、耳がたれ、ブチ模様をもったキツネが、次々と生まれるようになったのです。同じ遺伝子を受け継いでいるはずの生き物が、なぜこのような変化をとげたのでしょう。福岡伸一さんが、研究の最前線を訪ね、生命の進化の謎をひもときます。