経営に関する情報

国民保護業務計画

「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」が、平成16年9月に施行され、NHKは有事の際の指定公共機関として、警報、避難の指示(警報の解除、避難の指示の解除を含む。)、緊急通報の3つの緊急情報を放送する責務を負うことになりました。
また法は、指定公共機関に対し、国民の保護に関する業務計画を作成し、内閣総理大臣に報告するよう求めています。
NHKは、有事の際にも、報道の自由、編集の自由を確保しつつ取材・放送にあたることを前提として、NHKが使命を果たすために必要な対策を業務計画として定めました。

日本放送協会国民保護業務計画

制定 会長指示 平成18.2.28
改正 会長指示(平成18.10. 2)
改正 会長指示(平成28. 5.31)

第1章 総則

第1節  計画の目的

 この計画は、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(以下「法」という。)および国民の保護に関する基本指針(平成17年3月25日閣議決定)に基づき作成した日本放送協会(以下「協会」という。)の国民の保護に関する業務計画であって、武力攻撃事態等において、放送の自律と表現の自由を確保しつつ、協会業務に係る国民の保護のための措置を迅速かつ的確に実施し、もって公共放送としての協会の使命を達成しようとするものである。

第2節 用語の定義

 この計画において「武力攻撃事態等」、「武力攻撃」、「武力攻撃災害」、「緊急対処事態」、「対処基本方針」、「対策本部長」、「国民の保護のための措置」、「緊急対処保護措置」、「都道府県対策本部長」、「市町村対策本部長」、「避難の指示」、「緊急通報」、「安否情報」および「被災情報」の意義は、それぞれ武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律ならびに法に規定する当該用語の意義による。

第3節 国民の保護のための措置の実施

 対処基本方針が定められたときは、この計画で定めるところにより、協会業務に係る国民の保護のための措置を自主的に実施する。

第4節 計画の変更

  • 第1 この計画を変更したときは、速やかに、総務大臣を経由して内閣総理大臣に報告する。ただし、法施行令で定める軽微な変更の場合は、この限りでない。
  • 第2 この計画を変更したときは、速やかに、これを関係都道府県知事及び関係市町村長に通知するとともに、公表する。

第2章 実施体制の確立

第1節 体制の整備

  • 第1 国民の保護のための措置を迅速かつ的確に実施するため、各部門の権限と責任を明確にするとともに、その相互の有機的な連携を図る。
  • 第2 対処基本方針が定められたときは、会長を本部長とする国民保護実施本部を設置する。
  • 第3 国民の保護のための措置に関する業務は、国民保護実施本部が指揮し、別に定める職員の配置および服務の基準に則り、分担して執り行う。
  • 第4 武力攻撃事態等において初動対応に万全を期するため、必要な職員等の非常参集の体制は、あらかじめこれを整備する。
  • 第5 総務大臣から警報(法第44条第1項の規定により対策本部長が発令する警報をいう。以下同じ。)またはその解除の通知を、都道府県知事から避難の指示もしくはその解除または緊急通報の通知を、それぞれ24時間受けることができるよう、本部および各放送局(ただし、北海道にあっては札幌放送局、福岡県にあっては福岡放送局とする)に窓口を定め、あらかじめ関係機関に周知する。

第2節 職員等の安全の確保

 国民の保護のための措置の実施に当たっては、当該措置に従事する職員等の安全の確保に十分配慮する。

第3節 国民への情報提供

 協会業務に係る国民の保護のための措置に関する情報については、協会の放送、インターネットその他の適切な方法によって、国民・視聴者に迅速に提供するよう努める。

第4節 訓練の実施

 国民の保護のための措置についての訓練は、平素から、協会独自で、または他の機関と共同で実施するよう努める。

第5節 備蓄等の実施

  • 第1 国民の保護のための措置を実施するため必要な物資および資材は、平素からこれを備蓄し、整備し、または点検し、国民の保護のための措置を実施するため必要な協会の管理する施設および設備は、平素からこれを整備し、または点検する。
  • 第2 前項の規定による物資および資材の備蓄は、災害対策基本法第49条の規定による物資および資材の備蓄と兼ねることができるものとする。

第3章 国民の保護のための措置の実施

第1節 警報等の内容の放送

  • 第1 総務大臣から、警報またはその解除の通知を受けたときは、速やかに、その内容を、原則として全国向けに放送する。
  • 第2 都道府県知事から、避難の指示もしくはその解除または緊急通報の通知を受けたときは、速やかに、その内容を当該都道府県の区域向けに放送するとともに、必要に応じその他の区域向けまたは全国向けに放送する。
    ただし、当該通知を受けた避難の指示の内容は、視聴者に迅速かつ的確に伝達されるよう、その正確性を損なわない範囲で、要約し、またはその表現を変更しもしくは簡潔にして、放送することを妨げない。
  • 第3 前二項の規定による放送を行う場合において、当該放送の内容を含む放送番組の配列(編成)、放送系統、放送区域その他の放送の実施方法は、武力攻撃事態等の状況に即して、これを自主的に決定する。
  • 第4 第1項および第2項の規定による放送を行うに当たっては、高齢者、視聴覚障害者、外国人等への情報伝達にも配慮する。

第2節 被災情報の収集

  • 第1 武力攻撃事態等において、放送局長および本部の部局長は、それぞれその所管する施設、設備および職員の武力攻撃による被害の状況を、迅速に収集するよう努めるとともに、判明した被害の状況は、速やかに、報道局災害・気象センター長に報告する。
  • 第2 報道局災害・気象センター長は、報告を受けた被害の状況をとりまとめ、速やかに、総務大臣に報告する。

第3節 応急の復旧

 協会の管理する施設および設備について武力攻撃による被害が発生したときは、関係する放送局および本部の部局は、国民保護実施本部の指揮のもとで、相互に連携し、速やかに、その応急の復旧のため必要な措置を講じる。

第4節 復旧

  • 第1 協会の管理する施設および設備に係る武力攻撃災害は、被害状況の調査結果に基づき、復旧計画を作成したうえで復旧を行う。
  • 第2 前項の復旧の実施に当たっては、人員、資材等の重点的な活用により、早期の完成に努めるものとする。

第4章 関係機関との連携

第1節 国民の保護のための措置に関する要請

  • 第1 協会業務に係る国民の保護のための措置の実施に関し、総務大臣、地方公共団体の長その他の関係機関から、法第21条第3項の規定による要請があったときは、当該要請の内容が、法令およびこの業務計画の定めに違背せず、かつ、特に実施が困難な事情がないと認められる場合には、当該要請の内容に基づき、国民の保護のための措置を実施するよう努める。
    この場合において、当該要請の内容は、協会に放送の自律が保障され、かつ、協会の言論その他表現の自由が確保されると認められるものでなければならない。
  • 第2 協会業務に係る国民の保護のための措置を実施するため特に必要があると認めるときは、法第21条第2項に基づき、総務大臣、地方公共団体の長その他の関係機関に対し、労務、施設、設備または物資の確保について応援を求めることができる。

第2節 総合調整への対処

協会業務に係る国民の保護のための措置に関し、対策本部長、都道府県対策本部長または市町村対策本部長の総合調整があったときは、当該総合調整の結果が、法令およびこの業務計画の定めに違背せず、かつ、特に実施が困難な事情がないと認められる場合には、当該総合調整の結果に基づき、国民の保護のための措置を実施するよう努める。
この場合において、当該総合調整の結果は、協会に放送の自律が保障され、かつ、協会の言論その他表現の自由が確保されると認められるものでなければならない。

第3節 職員派遣

都道府県対策本部長から、法第29条第3項の規定による職員の派遣の求めがあったときは、特に困難な事情がない場合には、職員を指名し当該都道府県対策本部に派遣する。

第4節 報告、資料の提出

都道府県対策本部長または市町村対策本部長から、法第29条第9項の規定による報告または資料の提出の求めがあったときは、特に困難な事情がない場合には、当該報告を行いまたは資料を提出する。

第5節 安否情報等の収集への協力

総務大臣、地方公共団体の長その他の関係機関から、当該機関の行う被災情報または安否情報の収集に協力するよう要請があったときは、当該要請に係る被災情報または安否情報を保有している場合は、個人情報その他第三者の権利利益の保護に十分な配慮を行いつつ、特段の支障のない範囲で、提供その他の協力を行う。
ただし、当該要請に係る被災情報または安否情報が取材・報道を目的として取得しまたは保有しているものである場合は、原則として、提供による協力は行わないものとする。

第6節 備蓄物資等の供給への協力

武力攻撃事態等において、協会の備蓄する物資及び資材の供給に関しては、総務大臣、地方公共団体の長その他の関係機関と、相互に協力するよう努める。

第5章 緊急対処事態への対処

緊急対処事態においては、武力攻撃事態等における対応に準じて、協会業務に係る緊急対処保護措置等を自主的に実施する。