ハイビジョン特集「インド 幾千年の音楽の村」BShi 7/2(水)20時〜 再放送 7/10(木)14時〜
NHKがアジアの公共放送として、アジアの人材と番組を制作する試み「ドキュメンタリー熱インド」は、昨年9月に4本シリーズを制作・放送し、「インド人の手によるインドの今を探るNHK独自の試み」として国内外で一定の評価を得ました。第2シリーズは、よりテーマを明確にし、インド女性の今を描くことに視点を置いて8つの短編を4日にわたり放送します。自立を求める女性、旧来の価値観に疑問を投げかける女性、逆に伝統の価値観を守ろうとする女性、大きな変動期のインドの女性たちの姿を、女性ディレクターを中心に、新たな映像世界で伝えます。



第一回 11月24日(月)BShi 23時45分〜24時45分
祭が近づく南インドの街にドラムの音が響く。大きな民家、窓から通りを見下ろす高齢のひとりの女性。ドラムの響きが懐かしい。少女の頃よく祭りに出かけた。でも最近は祭を見たことがない。幼くして結婚、毎年のように子どもを産み育て、家の外に出る時間などなかった。「家の中にて働く」、それがインド女性伝統の生き方。でも最近の女性は違う。テレビによく現れる女性スポーツキャスターは恋人が何人もいて結婚せず働いている。テレビの中を見て窓の外のドラムを聞き、高齢の女性は密かに「小さな冒険心」に駆られる。



第一回 11月24日(月)BShi 23時45分〜24時45分
少女の頃スケッチブックに描いた「憧れの女」たち。少女はどんな女性を夢見たのか?やがて成長するに従い、少女は「インド社会が期待する女性像」と出会い、その期待像に自分を当てはめることを周囲が望んでいる、と気がつく。そして違和感を覚える。例えば、初潮を向えたときの自らの驚き、それとは別の周囲の反応(「けがれたもの」という感覚)に対する強い違和感。インドで女になる、とは「こうした違和感を積み重ねること」だ!二人の女性、本作監督と女優が、心の奥に溜まった思いを吐く対話ドキュメンタリー。



第二回 11月25日(火)BShi 23時45分〜24時45分
都会で働くキャリアウーマン、悩みは、なかなか妊娠しないこと。自分のキャリアも大事にしたい、現代インド女性たち。会社の仕事と妊娠のタイミングを探りながら、夫と協力して子どもを育てたい、と思っている。でも現実は、夫の出張、自分の仕事の都合、事はなかなか計画通りにはかどらない。コルカタ(カルカッタ)で働く、二組の夫婦の苛立ちを描く。



第二回 11月25日(火)BShi 23時45分〜24時45分
テレビや映画に押され斜陽の伝統エンタテーメント「絵巻紙芝居」(ポト・チトロ)。その伝統を従来の主役=男に代わり、支え始めた女がいる。「絵巻紙芝居」は神々の物語、社会の出来事を、巻紙に幾枚かの絵で描き、街や村を巡って歌いながら見せ、語り継ぐ、いわば紙芝居。古来、絵も歌も男の仕事。芸術家は同じ村に住み、女性は留守番だった。だが、ひとりの女性が絵に強い興味を覚え、男に混じり学び始め、やゆされながら続けるうち、国際的評価を得て注目され、彼女を中心に新たな女性の芸術集団が誕生した。彼女の娘も、新たな美を継ぐものとして絵を描き始めた。でも、まだ伝統的な価値観は残り続けている。



第三回 11月26日(水)BShi 23時45分〜24時45分
独立の父ガンジー、現代の若い世代にとって既に教科書の中の古い存在。自立の教えに耳を傾けるものは少ない。だが「自立の精神」を教えるため、ガンジーがインド各地に設立した「自給自足」を実践する農園は今も存続している。自らの衣食住は全て自らの手でまかなう。そのシンボルは「糸を紡ぐ道具」糸車。本作の監督の親友は、数年前から、この農園に入所し生活し続けている。若き女性は何を求めているのか?取材を始めると、さっそく、監督の履くサンダルが「いかに無駄な高級品か」と批判を浴びてしまう。「なぜ今ガンジーなのか」自給自足の意味を、友人との会話の中に探っていく。



第三回 11月26日(水)BShi 23時45分〜24時45分
ニューデリーの古ぼけたアパートの小さなベッドルーム。そのベッドの上で織り成される、男女の会話で綴られるドキュメンタリー。部屋の主は、デリーへ出稼ぎに来た姉妹。かつて、村の女たちは「生きるため」に「出稼ぎ」に出たが、今は故郷の村も極貧ではなく、若い女たちの「出稼ぎ」の理由も変わった。「都会の空気を吸う」ためだ。姉妹の姉は、でも母の説得で故郷に戻り結婚することになった。妹は姉の帰郷が面白くない。姉はなぜ都会の自由を捨てていくのか?妹はデリーに「恋人30人」と豪語し都会の結婚に憧れる。狭い部屋での「姉妹・恋人」の会話で綴る女たちの心の屈折の物語。



第四回 11月27日(木)BShi 23時45分〜24時45分
北インド、アッサム州でHIV感染者のため活動を続ける女性ジョナビ。彼女自身も感染者だ。ジョナビの夫と夫側の家族は、結婚前に既に「夫の感染」を知りながら、ジョナビとの結婚話を進め、結果ジョナビは感染。生まれた幼い子も感染、発病し亡くなった。夫と娘を失ったジョナビ、だが自分と同じように感染する女性が極めて多いことを知り、感染予防と感染者救済に尽くすようになった。自ら感染を公表したのは、世間の真剣な眼差しを集めるためだという。本作は彼女が自らの名を公表してまで活動を続けるエネルギーの源は何なのか彼女に密着して心の内を探った。



第四回 11月27日(木)BShi 23時45分〜24時45分
インドの教育は植民地時代の影響も濃く英語が主流。高等教育のほとんどが英語、といって過言ない。文芸作品も英語が主流。でもそれらの言葉は、日常生活からかけ離れた言葉である。そうした教育を受けた若者たちに新しい影響を与える女性作家が登場した。ヒンディー語で、ヒンディー語の世界を綴る女性作家。ヒンディー語でしか表すことのできない世界とは何か?ヒンディー語で考え、ヒンディー語で感じて生きている、路上の物売りの人たち、田で泥につかり米を育てる人たち、そうした人たちを主人公にした物語。カメラは若い女性作家の家に密着し、その暮らしぶりから、作家の考えの中に忍び込む。