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【トークイベント】ありがとうございました!

  • 2024年3月18日

先週開催した、札幌市の地下歩行空間「チ・カ・ホ」でのトークイベント。「災害から命と暮らしを守る」キャンペーンの一環として、北海道での災害の特徴や日頃の備えについてお話しました。その内容を、少しですが振り返ります!

「災害から命と暮らしを守る」キャンペーンって?

「災害から命と暮らしを守る」キャンペーン。
防災・減災についてのコンテンツを集中してお送りしてきました。
たとえば…
15日(金)夜7時30分から放送した

総合G 北海道道「巨大地震・津波にどう備える? 見えてきた北海道のリスク」
NHKプラスでも配信中です!

「命を守る 北のそなえ術 これだけは!」トークイベント

「災害から命と暮らしを守る」キャンペーンに連携して、イベント「命を守る 北のそなえ術 これだけは!」を開催しました。
イベントの最終日に行われたトークイベントは…

根本昌宏教授(日本赤十字北海道看護大学)(写真右)
髙橋諒技官(札幌管区気象台 地震火山課)(写真左)
のおふたりと、北海道での災害の特徴や必要な日頃の備えについてお話しました。

北海道での防災を語る前に…

北海道の防災において、厳しい冬について考えることは欠かせない!ということで、
“道民が当たり前に意識している”冬の天気に関する注意点を解説しました。
ちなみに、本題に入る前にお見せしたのは、普段目にすることが少ない青い衛星画像

宇宙から見た流氷を紹介しています。
(マニアックな話になりますが)
この青い衛星画像は、気象衛星が撮影した実際の画像を合成して、一部を青く色付けしたものです。宇宙から見ると、雲・積もった雪・海の氷はいずれも白く見えます。しかし、雲と雪や氷では反射する光の波長が異なります。波長の違いを利用して、海氷や積雪を識別しやすく画像加工することができるんです。明るい青色(シアン色)の部分が、積雪や海氷ですよ~!

本題へ! ~北海道の地震~

はじめに、札幌管区気象台の髙橋技官とのトーク。
髙橋技官は、1月には能登半島地震の被災地で業務にあたりました。

髙橋技官
能登半島地震では、札幌含めて全国の気象台から現地の市町村に対して職員を交代で派遣しています。今復旧作業に働いている地元機関の方々の作業を支援するために、現地で直接、気象の見通しや解説をします。

そして、北海道で予想される地震や長周期地震動についても伺いました。

髙橋技官
札幌近郊では、1834年に石狩地震と呼ばれる、いわゆる内陸で起こるような大きな地震が起きていますが、札幌市に近い断層が想定通り動いてしまうと、今後札幌市でも震度6強、7が想定されます。また、千島海溝沿いの辺りでは東日本大震災に匹敵するような大きな地震が起こると考えられています。
規模の大きい地震になるほど、通常のガタガタガタという揺れとは別の、すごくゆったりした長周期振動と呼ばれる揺れが生じやすくなっていきます。そのゆっくりした揺れと背の高い建物が共振してしまって、高層部では大きな揺れに見舞われてしまうことがあります。

北海道三陸沖後発地震注意情報をご存じですか

髙橋技官
北海道三陸沖後発地震注意情報って聞いたことあるという方?
会場:・・・。(ほとんど手が挙がらない)

耳慣れない言葉ですが…この注意情報が出るのは、「大きな地震が起きた後でも、さらに大きな揺れが予想される」ときです。
北海道三陸沖後発地震注意情報がでたら、
・家具の固定や持ち出し袋をチェックする
・いざという時逃げる道や避難場所を改めて確認しておく
普段からの地震への備えを再確認してください。

冬に地震が起きたら…

次に、冬に必要な備えについて、日本赤十字北海道看護大学・根本教授に教えていただきました。

根本教授
実は私たちの普段の生活で寒さ対策はしっかりとできています。暖房をとにかく無理やりつけようというのではなくて、私たちがどうやったら暖かさを得られるかということを考えていただきたいです。

暖房器具が使えない時、体を温めるのに大事なのは、温かい食事をとることだそうです。
電気やガスが通っていれば、なるべく温かいものを摂取。電気がなくてもカセットコンロを使えば、温かい食事とともに暖を取ることができます。もしポータブルなストーブがあれば、ストーブの上での調理も考えられます。
室内で使う場合には使い方に十分注意しながら、できれば普段使っているものを使ってください。

冬の避難所に行くときは何を持っていく?

山下が実際に自宅玄関に置いている非常持ち出しリュック。その中身を根本教授にチェックしていただきましたが、なくてはならないものが入っていませんでした…
それは室内履きです。

冬の床の温度は0度。避難所で履くものがないと、床から体温が奪われます。
その室内履きはスリッパではなく、かかとまである靴がおすすめだそうです。
スリッパだと歩くときにペタペタと音が鳴るため、周りに気を遣い、夜に歩くことがはばかられます。夜にトイレを我慢してしまう原因のひとつになるので、室内用の靴を用意するのが大切です。
↓こちらを参考に、もう一度非常用持ち出し袋の中身を確認してみてください。

また、ダンボールベッドがない場合、3日以上は固い床で寝ることが予想されます。寝袋だけでなくクッション材になるようなものがあると理想的だということです。
ほかにも…

根本教授
非常食としておすすめなのが羊かん。災害みたいなピンチの時になると、喉がカラッカラに乾いて食べられないんですよ。適度に湿り気があって甘みがあって食べやすく、カロリーがあるのがいいです。

完璧な防災はない

根本教授や髙橋技官が強調していたのは、「災害は想定を超えるものだ」ということです。

根本教授
どんなに準備できていると思っていても、いざというときになると必ず後悔するんです。

これまでの災害における後悔から、命を守るための準備や避難体制は、日々改められてきました。しかし、同じような規模で同じような被害が出る地震はありません。想定を超える大地震が起きたとき、全く準備していなければ何もできないけれど、防災の知識と備えがあれば命を守れるかもしれない。ひとりひとりの視点で、自分に合った備えや対策を見直し、考えて続けていくことが大事だと改めて感じました。

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