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釧路湖陵高校アイスホッケー部 ~19年ぶりの復活にかける思い~

  • 2023年11月15日

アイスホッケーが盛んなまち、氷都・釧路。幼いころからシニア世代まで、幅広い年代の人がプレーしています。一方で、市内にある高校の部員数はこの10年でほぼ半減。チームを維持するのが難しくなっています。そんななか、釧路市の進学校・釧路湖陵高校では、昨年、19年ぶりにチームが復活。自分たちのチームで試合がしたいと奮闘した高校生の思いに迫りました。 (釧路放送局カメラマン 栗田健太郎) 

高校アイスホッケーの古豪

北海道立の進学校である釧路湖陵高校。アイスホッケー部は1928年に創部されました。1958年と1960年には冬の全国高校総体で優勝。高校アイスホッケー界の古豪です。しかし、近年、ある問題に悩まされています。

部員が集まらず休部状態に

釧路市は苫小牧市と並んで、全国的にアイスホッケーが盛んな地域です。1952年からの全国高校総体の優勝校を見てみると、苫小牧市の高校が50回、釧路市が12回と大きな割合を占めています。一方で、釧路市アイスホッケー連盟によると、連盟に登録している高校生の数は、実はこの10年で107人から59人とほぼ半減。湖陵高校も例外ではなく、2000年前後から部員の数が激減し、2003年からは休部状態になっていました。

アイスホッケーをプレーするためには、スケート靴やスティックなどおよそ10もの用具を揃え、身体の成長に合わせ買い替えていかなければなりません。顧問を務める中山文人先生によると、こうした金銭的な負担もあり、経験のない生徒が高校から競技を始めるのにも高いハードルがあるといいます。さらに、公立校ならではの悩みも。

釧路湖陵高校 アイスホッケー部 中山文人 顧問
「やっぱり公立高校なので、受験を経て入学してきてもらう必要があります。例えば有望な選手がいても、じゃあおいでよっていう風になかなか気軽に声をかけられないのです」

チームを復活させたい

そんななか、立ち上がったのは髙野太一キャプテンです。2年前の2021年に湖陵高校に入学。「高校でもアイスホッケーがしたい」と休部中のチームを復活させるために、同級生の2人とともに部員集めを始めました。

アイスホッケーの試合をするためには、少なくとも6人以上が必要です。あと3人の部員を集めるため、髙野くんたちは、高校入学前の中学生に声を掛けていきました。

髙野太一キャプテン
「とにかく声をかける、頼んで、頼んでっていう感じで。勉強に関するサポートは何でもするから、なんとか入ってくれってお願いしました」

勧誘され入学した 隈元奏多くん

「本当に来てねってすごい言われて。しかも太一さん僕のために受験のワーク(参考書)とかくれて、なんとか湖陵高校に受かろうって思いました」

さらに、通信アプリには髙野くんから『がんがん勧誘しちゃって』とさらなるメンバーのお願いも。

そして去年(2022年)、19年ぶりに念願だったチームを復活させることができました。

髙野太一キャプテン
「単独チームでやりたいなってずっと思ってたんで、やっとできるんだな、楽しみだなってわくわくが大きかったです」

湖陵高校アイスホッケー部は、ことしも部員8人とチームを維持。プレーができる喜びを胸に、日々練習に励んでいます。

来年以降もチームを残していくために

チーム復活から2年。3年生となった髙野くんたちは引退まであとわずか。この冬の全国大会出場を目指しながら、髙野くんはチームの今後も見据えています。

「去年もインターハイを見て入学を決めてくれた子もいたので。しっかり結果を残して、(湖陵高校に)アイスホッケーしたいなって思ってもらえるようなホッケーができればなと思います」

釧路湖陵高校では、現在、中学生を練習に招いて体験会を行っています。さらに保護者が中心となって、試合や練習風景をSNSを使って積極的に発信し、選手の獲得を目指しているということです。

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