ページの本文へ

NHK北海道WEB

  1. NHK北海道
  2. NHK北海道WEB
  3. ほっとニュースweb
  4. 投票用紙にまつわるギモンに答えます!

投票用紙にまつわるギモンに答えます!

  • 2023年3月2日

これまでに寄せられた、投票用紙に関するギモンに答えます!

・投票用紙が何色かあるときも。色に決まりはあるの?
・枠からはみ出して書いても許されるの?
・候補者名はニックネームで書いてもいい?
・字が汚かった場合はどうなるの?
・候補者の欄に応援コメントを書いてもいいの?
・白紙で投票してもいいの?
・投票用紙を間違えちゃった・・・。有効になるの?
・使った投票用紙や使われなかった投票用紙はどうなるの?

選挙で目にする投票用紙。担当記者が責任を持って、これまで寄せられたギモンを取材しました!(札幌放送局  髙山もえか)


投票用紙が何色かあるときも。色に決まりはあるの?

前回・2019年の統一地方選挙で使用した投票用紙

4月に行われる統一地方選挙では、前半戦と後半戦で合わせて170以上の選挙が道内で行われる予定です。自治体によって行われる選挙は異なりますが、前半戦の場合、札幌市では4つの選挙が重なる状況で、知事選挙でクリーム色、道議会議員選挙でピンク色、市長選挙はアサギ色、そして市議会議員選挙は白色の4種類の投票用紙が使用されます。

選挙ごとに異なる投票用紙の色。どのような基準で使用する色が決められているのでしょうか。
北海道選挙管理委員会事務局の岡部一宏さんに詳しく聞きました。

道選挙管理委員会事務局 岡部一宏さん
「基本的には選挙ごとに担当の選挙管理委員会が話し合い決めています。ただ、同じ日に様々な選挙が重なる場合もあるので、その時は同じ色を使わないようにしています。また、不正がないように、前回の選挙に使った色とは別の色を使うようにしています」


さまざまな選挙が同じ日に行われる場合に備えて、色は全部で6種類!【白、クリーム、ウグイス、ピンク、オレンジ、アサギ】となっています。鉛筆で記入した文字がはっきり見えるようにと、薄い色合いを採用しているということです。

「候補者の名前を正しく書かないと…」「流れを間違えずに、投票ができるかな…」などと、不安な気持ちを抱える人もいるのではないでしょうか。

そもそも、有効な票になるのかについては、立会人(りっかいにん)と呼ばれる人たちの考えを聞いたうえで、最終的に開票所の責任者をしている「開票管理者」が判断します。立会人は候補者につき1人、開票所で立ち会うことができます。(候補者は、必ずしも立会人を選ばなくてもかまいません)
私たちが投じた票は1票ずつ慎重に確認しながら、開票されているということがわかりました。


有効?無効? 実際に聞いてみた

次は、投票用紙の書き方などについての質問にお答えします。
札幌市選挙管理委員会事務局の木村真治さんに、疑問の残る投票用紙を見て有効な票になるのかどうか判断してもらいました。結果はこちら。
(※写真は去年7月に行われた参議院選挙の選挙区用を参考にした見本の投票用紙ですが、今回の統一地方選挙と有効・無効の判断基準は変わりません)


木村さんによると「書かれた候補者名が正しく読めること」が基本とのこと。
1つずつ見てみると、

・枠からはみ出していても、候補者が分かるので○。
・「高」の字が乱れていても、読めるので○。
・ニックネームは、通称としてなじみがある場合は○とのことで、それを判断しなければならないため△。
・名字だけのものは、同姓の候補者がいなければ○。

ただ、同姓の候補者がいる場合は、該当する候補者の得票数の割合によって、票が分けられるということです。


白紙で投票してもいいの?

投票には行ったものの、投票したい候補者がいない…など、さまざまな理由から白紙で投票する人が一定程度います。そもそも白紙で投票すると、どうなるのでしょうか。
答えは、どの候補者に投票したいのかが分からないため、無効票となります。
選挙は、自らの意志を投票で示すことができる大切な場。投票しても、誰に投票したのかがわからなかったり、候補者名以外の内容を記入してしまったりと、一定の基準を満たしていなければ、「効力を失った票」、いわゆる無効票として判断されてしまいます。ですので、応援コメントが書かれたものも×ということでした。
木村さんも「判断しやすいように、わかりやすい字で、丁寧に、正しく書いていただけるとうれしいです」と強調していました。選挙では、正しく記入することを意識したいですね。


投票用紙を間違えちゃった・・・。有効になるの?

前半戦、札幌市では4つの選挙が同じ日に行われますが、会場で同時に4枚の投票用紙が有権者に手渡されるといったことはありません。【1枚ずつ投票用紙を担当者から受け取り、記入して、投票する】といった一連の流れを選挙ごとに繰り返します。木村さんに確認したところ、札幌市では前半戦で【知事選→道議選→札幌市長選→札幌市議選】の順番に、有権者は会場で投票を行うということです。
ただ、知事選の投票用紙に市議選の候補者名を誤って書くなど、投票用紙を間違えてしまうこともあるかもしれません。その場合、どうなるのでしょうか。こちらも木村さんに確認してみました。

札幌市選挙管理委員会事務局 木村真治さん
「指定の投票用紙を間違えて記入してしまった場合は、どんなに候補者名が正しくても、効力を失った票、すなわち『無効票』として扱われてしまいます。ただ、異なる複数の選挙に同じ名前の候補者がいた場合など、誤った用紙に投票したのかどうか判断が難しい場合もあります。その際は有効な票になるのか1票ずつ開票所で判断することになります」


使った投票用紙や使われなかった投票用紙はどうなるの?

最後に、投票後に関する疑問です。
ことし4月の統一地方選挙で準備される予定の投票用紙は、知事選と道議選だけでも約900万枚!【=知事選(全道分)、道議選(全道分)の合算】
大量の投票用紙ですが、使った後や、未使用となったものは捨ててしまうのでしょうか?
答えは、「一定期間保管する」です。
開票後の投票用紙は任期の間、保管するよう法律で定められているとのことでした。ですので、今回の統一地方選挙で行われるどの選挙も、任期となる4年間は各自治体が責任を持って保管します。札幌市では、箱などに投票用紙を詰めて封印し、区ごとに鍵のかかる場所に保管しているそうです。

そこで1つ、私も疑問がわきました。
「任期が終わったら、どうなるの?」
こちらも、確認してきました。

「任期後は基本的に廃棄となります。実は、投票用紙ってプラスチックを薄くのばして作っているんです。なので処理工場に持って行き、新たな固形燃料としてリサイクルするか、産業廃棄物になります」

「投票用“紙”」というからには、紙で作られていると思っていましたが、まさか、プラスチックが原料で作られているとは!プラスチックの廃棄が問題になる中、量が多いだけに、リサイクルする努力は必須ですね。

取材を通して、選挙管理委員会の皆さんは「丁寧に正しく記入すること」が大切だと強調していました。今回の統一地方選挙で初めて投票する方も、もう慣れたという方も、ぜひ実践してほしいです。

2023年3月2日

 

「センキョの疑問 答えます」まとめページ👇

“春の政治決戦”に向けた動きをまとめています👇

チョイス北海道 トップページ👇

 

ページトップに戻る