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豊浦町でサケを知ろう!

  • 2023年10月19日

こんにちは!「ほっとニュース道央いぶりDAYひだか」胆振日高担当リポーターの内部明日香です。最近また一段と寒くなってきましたね(>_<)でも、寒い時期の北海道の海の幸のおいしさをこっちに来てから知り、秋冬も楽しみになっています♪さて、今回のななまるMAPもそんな秋の味覚です。伺ったのは豊浦町!テーマは、サケです!

豊浦町には、遡上してきたサケを間近に見られる珍しいスポットがあるんです!町内でサケについて知るツアーに参加してきました!ガイドをしてくれるのは、噴火湾とようら観光協会の田中博子さんです。去年ななまるMAPでホタテツアーに参加した際も案内してくれた、おなじみのガイドさんです♪

田中さん)「まずは海でとれたサケ、みなさんが食べるサケを見てもらいたいと思うので、セリを見学してもらいます」。
内部)「セリ見るの初めてです。楽しみ♪」

案内していただいたのは、いぶり噴火湾漁協の豊浦支所です。一般の人は見ることができないセリ。このツアーは観光協会のガイドさんと一緒なので見学できるんです!セリが行われる市場には入れませんが、市場を見下ろせる2階の見学スペースから見せてもらいます。

田中さん)「セリが始まる前に、きょうどんな魚があるかお見せしたいと思います。私は特別に市場に入る許可をいただいていますので、携帯電話で中継をつなげて2階のモニターに映します。」

ということで、まずはセリ前のサケを見せてもらいました。
たくさんのサケがあって、しかも大きくて驚きました!そういえば、いつも切り身で見てばかりだから、本来の姿ってなかなか見ることないなぁ…。

田中さん)「サケの色が銀色っぽいと思うんですけど、このサケが海で定置網でとれたサケなんです。この様子を覚えておいてください。あとで川に戻ってきたサケも見ますので。」

ほかにもブリやカジカ、サバなどいろいろな魚を見せてもらいました!ふだんよく食べるような魚たちも、本来の姿を全然知らないものだなぁと感じました。私が無知なだけかもしれませんが!(笑)

さて、そろそろセリが始まるということで、田中さんが2階に戻ってきました。ここからは見学スペースの中でもガラスのない場所に移動して見学します。ガラスがないので音がよく聞こえ、迫力満点です。聞き取れないほどの早口でセリが進んでいくのにびっくりしました!

内部)「すっごいスピーディーに進んでいくから最初は何が起こってるの?って感じでしたけど、だんだん分かってきて楽しいですね。」
田中さん)「鮮度を保つためにすぐトラックに積み込みたいので、テキパキとやってますね。今の時期はサケがこうやって見られるので、セリ見学におすすめの時期です。」

セリ見学を終え、続いてはインディアン水車公園へ。遡上してきたサケを捕獲する装置として知られるインディアン水車。道内でも数少ないこの施設ですが、なかでも豊浦町には非常に珍しいインディアン水車があるんです!水車を見る前に、まずはサケが上ってくる川から見せてもらいました。

田中さん)「海のサケを見ましたので、今度は川のサケを見ましょう。内部さん、川の中に柵がついてるの分かりますか?」
内部)「分かります!」
田中さん)「あれ、“ウライ”っていって、アイヌ語で簗とか柵っていう意味です。あの柵があるおかげで、サケが上流にあがってこられないんですよ。じゃあ上流にあがりたいサケがどうするかっていうと、このパイプで囲われた内側のほうに入ってくるんです。」

内部)「パイプで囲まれたほうに誘導されちゃうってことですか。」
田中さん)「そうです。このインディアン水車公園、だいたい海の河口から1キロ弱ぐらいのところにあるんですけど、1キロ、川を旅してきた最後の最後の力を振り絞ってきたサケなので、よく見るとけっこう傷だらけなんです。近づいてみてみましょう。」

田中さん)「肌とかガサガサですよね。川があんまり深くないのでどうしても傷を負ってしまうし、川にあがってきたらもうご飯を食べないで断食してるんですよ。なので体力もなくなっています。見てもらって分かる通り、セリで見てもらったサケよりも色が茶色くて、川に馴染んでいると思いません?」
内部)「たしかに、川底の色と同じですね。」
田中さん)「こういう風に色が茶色くなって、模様ができたら産卵の準備がある程度できてきた証拠なんですね。」
内部)「あの赤い模様ですか?」
田中さん)「そう。婚姻色といって、産卵の準備ができるとあの模様が出るんですね。」

さて、ウライによって誘導されたサケがどうなるのか。そのまま上って、人工的にできた魚の道、魚道のほうに入っていくんです。

田中さん)「魚の道をずーっとのぼっていくと、赤いインディアン水車、捕獲する水車ですね。あの水車で捕獲されて、人工的に採卵して受精して、また川に戻すということをやってます。タマゴをふ化させて、稚魚になったものを川にもどすという作業です。」
内部)「で、また次の世代が育っていくんですね。」
田中さん)「いまはとるだけの漁業ではどんどん魚は減ってしまうので、とるだけじゃなくて育てる漁業も一緒に。」

次に、インディアン水車に捕獲されたサケがどうなるのか教えてもらいました。

田中さん)「捕獲されたサケは、集められてタマゴを取り出します。で、取り出したタマゴにすぐ精子をかけて人工授精をします。実はお腹を開くのも精子を出すのもすごく大変な作業なんです。熟練の作業ですね。」
内部)「どういう所が難しいんですか?」
田中さん)「精子を出す力加減など、けっこう難しいらしいですよ。」

田中さん)「この人工授精したタマゴたちは、山の中にある工場に運ばれてタンクの中で冬を越します。2か月ぐらいたつと、目がちょっとずつできます。」

田中さん)「さらに時間がたつと、魚の形になってるの分かりますか?」
内部)「本当だ!」

田中さん)「お腹にイクラみたいなのが付いているんですけど、まだこの時はごはんが食べられないので、お腹のイクラみたいな栄養素をとって成長していきます。そして、春になったらご飯を食べられるようになるので、ご飯を食べながらだいたい3~4センチぐらいの大きさになります。そして春になったら放流します。十何万匹も放流するんですよ。」

ちなみにインディアン水車に捕獲されたサケは、ペットフードにしたり、鮭フレークにしたりして活用しているそうですよ!サケの成長過程が分かると、なんだか目の前のサケが神秘的に見えてきました。

するとここで田中さんからクイズが。サケの赤ちゃんは放流したあとまた海に行って、少し旅をして戻ってくるんですけど、なんで生まれた川に戻ってこられると思いますか?とのこと。考えてみたこともありませんでした…。答えは何なのか?!このあと夕方6時40分ごろからの放送で!

インディアン水車の仕組み、そしてサケのことを知った後は、実際にインディアン水車を見に行きます!インディアン水車自体珍しいものですが、豊浦のものはかなりレア!なんと、ガラス越しに横から観察できるんです!というわけで、サケいるかな?!と2人でドキドキしながら、観察窓へ向かいました。

2人)「あ、いたいたいた!」
内部)「こんな近くで見られるなんて!長旅をしたサケですね!」
田中さん)「だいたい3年から4年ぐらい、アラスカのほうまで行ってハワイの近くまで行って戻ってきたサケなんですよ。こんな近くで見られるのってけっこうすごいことかなと思うんですけどどうでしょう。」
内部)「遡上してきたサケを目の前で見たことないです。初めて。」

じっくり観察できるこのスポット。しばらく(仕事を忘れて)無心で見てしまいました。

田中さん)「サケは捨てるところがない魚と言われ、アイヌの人たちとかも全部食べていました。皮もチップスにしたりとか、皮は長靴とかに使ったりもしていました。身はもちろん食べますし、その他の内臓、心臓とかバター焼きにするとおいしいですし、いくらは大体1匹のメスに2500個ぐらいの卵があるんですけど、これが孵化されて戻ってくるのがたった4%。このサケたちここで卵を産んでまた戻って海を旅し、その子供たちが戻ってこられるのがたった4%。なかなか大変なんですね。サケたちこの後卵産んだら海に戻らずここで死んでしまうんですね。それを考えるとなんかすごいいとおしく感じませんか。」
内部)「最後の力を振り絞ってここまで戻ってきたことにまず感動。しかもアラスカまで行ってた。」
田中さん)「まあよく戻ってきてくれたと本当に私もすごく好きで、けっこうここに来てただサケを見ながら、『よく戻ってきてくれたな』とたまに秋になるとたまにやっています。」
内部)「ありがとうって言いたくなりますね。」

さあ、サケのことをたくさん学んだあとは、やっぱり食べたい!ツアーに参加した人のみ食べられるスペシャルなランチを食べに行きました!

海産物も野菜も地元のものにこだわっているお店なんだとか。こちらでいただけるツアー限定メニューが、ちゃんちゃん焼きです!サケはもちろん、野菜はしめじ以外すべて豊浦町産!甘めの味噌ダレがこだわりです!

早速いただきました!サケの身がふわっふわ。香ばしいみその香りと、サケのうまみが絡み合っています。ずっとかんでいたいぐらいサケのうまみがすごかったです!

ちゃんちゃん焼き以外にも、豊浦のイクラがかかったおにぎりなどいただきました!最高のランチタイムでした♪

田中さん)「やっぱりサケを見た後に食べるっていうのがより一層おいしく感じませんか。」
内部)「一生を知るからこそありがたみも感じますね。」
田中さん)「そうですね。それがツアーの狙いです。サケって身近な魚だとおもうんですけど、サケのことをはっきり知らないことってすごくたくさんあると思うので、このツアーでサケのことを知ってもらって、最後はおいしく食べてもらって、豊浦町の魅力、サケの魅力をたくさんの人に知ってもらいたいです。」

今後、サケを食べるときにより一層感謝の気持ちがわいてくるだろうなと思いました。楽しかったです♪田中さん、今回も丁寧に、そしておもしろく教えてくださってありがとうございました!このツアーが気になった方は、噴火湾とようら観光協会まで!サケの遡上がいつまでかにはよるものの、11月中旬ごろまでは開催できるかな?とのことでした!それでは(^^)

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