ページの本文へ

NHK北海道WEB

  1. NHK北海道
  2. NHK北海道WEB
  3. 道南web
  4. 長万部町の老舗弁当店 鉄道とともに歩んできたカニの駅弁

長万部町の老舗弁当店 鉄道とともに歩んできたカニの駅弁

  • 2024年3月14日

道内でも早くから交易や漁業が発展、文化面での進展も進んだ道南エリアに多く点在する老舗の数々。そんな老舗を深掘りし、道南の魅力をお届けするシリーズ、「ぐるっと道南 老舗めぐり」。今回は、噴火湾に面し、古くから漁業で栄えてきた長万部町の老舗にお邪魔しました。

長万部駅前に、昭和3年創業、老舗の弁当店があります。

松島徹さん(取締役)
名物 かにめしでございます。

ご飯の上にカニの身がのったこの弁当、長万部だからこそ生まれたといえるんです。
昭和3年、函館から室蘭を経由して札幌へ向かう鉄道が開通。長万部駅では燃料の積み込みなどが行われ、停車時間が10分から20分ほどありました。そこに目をつけた初代が、駅のホームで仕出し弁当を販売しました。

しかし、戦後の食料難で、弁当作りが困難に。かわって販売したのは・・・

なんと、塩茹でした毛ガニ!当時、噴火湾で大量にとれたものを出したところ、大人気になりました。そのカニを水揚げのない時期でも味わってもらおうと生まれたのがかにめしだったんです。
製法は昔から変わりません。ほぐしたカニの身とたけのこを釜に入れ、熱すること40分。水分を飛ばしながら、味を凝縮させていきます。

今はホームでの立ち売りはなくなり、直売所やスーパーでの販売がほとんどに。変わらぬ味を求めてやってくるお客さんに駅弁気分を味わってもらおうと、店の隣に列車の車内を再現した飲食スペースを作りました。

松島徹さん(取締役)
こういうスペースを設けたいというのはもう長年の夢だったんです。車で来られたお客さんもやっぱり車の中じゃなくてこの中で食べたいっていう方が結構いらっしゃいますので。

多くの人に届けたいと冷凍版のかにめしも始めました。時代の変化に対応しながら伝統の味を守り続けます。

松島徹さん(取締役)
できればやっぱりあの新幹線でも販売したいっていう夢はあります。何とか今後も続けていきたい。

鉄道の歴史とともに歩んできた駅弁。長万部町に老舗あり!

NHK函館放送局トップへ戻る

ページトップに戻る