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2023年9月 北見市長選挙 現職・辻氏が3選 投票率は5回連続で過去最低更新

  • 2023年9月10日

現職と新人、2人の争いとなった北見市長選挙は9月10日に投票が行われ、無所属の現職で自民党と公明党北見支部、それに新党大地が推薦した辻直孝氏が3回目の当選を果たしました。

北見市長選挙の開票結果です。
▼辻直孝(無所属・現)当選 2万2928票
▼大場信之(共産・新) 9054票
現職の辻氏が、共産党の新人で党北見地区常任委員の大場信之氏を抑えて3回目の当選を果たしました。

辻氏は北見市常呂町出身の70歳。
市の企業局長や常呂自治区長を務めたあと、2015年(平成27年)の市長選挙で初当選し、現在2期目です。

選挙戦では、人口減少が続く中、子育て支援策の充実に向けて第2子以降の保育料を所得制限なしで無償にすることや、1次産業の振興などを通じて地域経済の活性化に取り組むと訴えました。

その結果、推薦を受けた自民党や公明党などの支持層を固めたほか、いわゆる無党派層の支持も集め、3回目の当選を果たしました。
今回の選挙の投票率は33.86%で、これまでで最も低かった4年前の前回を1.03ポイント下回り、5回連続で過去最低を更新しました。


辻氏「スピード感もって取り組む」

辻直孝氏は「多くの方の知恵と意見を支えに全力で北見市やオホーツク圏域のために取り組んでいきたい。選挙戦で掲げた8つの大きな政策にひとつひとつ向き合いながら、『もっと笑顔ひろがる北見に』をキャッチフレーズにして仕事に向き合っていきたい」と述べました。
そのうえで「医療費の助成拡大や子ども食堂など、子どもや子育てに関する支援策を整理し、スピード感をもって取り組みたい」と述べました。


大場氏「力不足と言わざるを得ない」

大場信之氏は「多くの皆さんに支持をいただきながら、投票という行動に結びつけられなかったのは、私の力不足と言わざるを得ない。苦しい状況の中で生活している市民の声を聞き、政治の力で励ましたいという思いで選挙戦を戦ってきた。人権を大切にする政治を実現するために、一市民としてこれからも頑張っていきたい」と話していました。


【解説】辻氏の勝因は 今後の市政は

今回、自民党や公明党などの推薦を受けた辻氏は、現職の強みを生かし多くの業界団体の支援を受けました。
さらに、NHKが行った出口調査では無党派層からもおよそ70%の支持を得るなど、着実に支持層を広げたことが勝因と言えます。

2期目の任期中には新型コロナウイルスの感染が拡大し、市長として難しいかじ取りが求められる中、売り上げが落ち込んだ飲食業や宿泊業を対象とした独自の緊急支援策を補正予算に盛り込むなど、安定した市政運営が評価された形です。
一方、投票率は過去最低を更新し、選挙への関心の低さが目立ちました。明確な争点が無かったことが投票率の低下につながったと指摘する声があります。

北見市では、この10年で人口が1万人以上減るなど、人口減少が急速に進んでいます。
こうした中、選挙戦では子育て支援策や地域経済の活性化策などをめぐって論戦が交わされましたが、関係者のあいだでは投票日が近づいても「まったく盛り上がっていない」という声が上がっていました。
さらに北見市長選挙は、今回も含めると3回続けて辻氏と共産党が支援する候補の2人が争う構図で、市民の関心が高まりにくかったことも投票率を押し下げる結果になりました。
一方、出口調査では期待する政策について、「物価高・経済対策」と答えた人が3分の1を占め、「医療・福祉の充実」や「教育・子育て支援」を挙げる人も多くいました。

辻氏にとっては、物価の高騰が続き市民生活への影響が大きくなっている中で、効果的な対策をどう示すかや、深刻な人口減少を食い止めるためにも医療や福祉、子育てなどの分野で魅力ある施策をいかに打ち出していくかなど、具体的な「成果」が問われる4年間になります。

2023年9月10日

 

出口調査を分析しました👇

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