2019年11月

2019年11月30日 (土)

シリーズ 虐待を防ぐには(4)「児童相談所~子どもの一時保護~」<番組内容>

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前回に引き続き、児童相談所について考える。

児童相談所は、親の意思にかかわらず子どもを一時保護する権限を持つ。
思わぬタイミングで子どもと離れることは、保護者としてはつらいことでもあるが、子どもにとってはどうなのか。

そこで、一時保護された経験がある子どもの話に耳を傾けた。




 <VTR1>

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スタジオにきてくれたオクラさんの娘、さきさん(仮名・中学1年生)が一時保護されたときのことを取材させてもらった。

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さきさんは、父親から毎晩 どなられていたという。
「読んだ本を片づけろ!」「スマホを出しっぱなしにするな!」「制服を脱ぎっぱなしにするな!」

父親は、怒りのスイッチが入ると、何十分もどなり続け、母親がいくらやめるように言っても、エスカレートするばかり。

さきさん「全部“心にくる”みたいな。体じゃなくて、気持ちが傷ついていった感じ。
毎日、お父さんが帰ってくるのが怖いとか、お父さんが帰ってきたらどうしようとか、気が重くなる。お父さんが帰ってくるから、夜が一番怖い。何回も死にたいと思って。
自分も死にそうで怖かったけど、いつ私がお父さんを殺すかもわからないし、一番怖かったのは自分が死ぬよりもお父さんを殺してしまうこと。」

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そこまで思いつめていることは、母親にも言えず、2年近く、ひとりで我慢した。
さきさん「これ以上もう我慢すると危ないかなと思うときがあって。もう助けてほしいみたいな。」

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そしてある夜、学校の連絡帳に「お父さんのいる家にもう帰りたくありません」と書いた。
翌日先生に提出すると、学校が児童相談所に連絡。

その日のうちに訪れた児童相談所の職員にさきさんは3時間かけて、父親とのことを話した。
職員は優しく話を聞いてくれたという。

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さきさん「今日は家に帰れますか?帰りたいですか?と聞かれて、
『お父さんの顔を見るだけで怖い』って言ったら、『ちょっと保護しますね』って、
児童相談所に行きましょう、と言われた」
 

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一時保護の施設では、個室にひとり。
初めての場所で、さらにその日の夜、大きな雷が鳴っていて怖かったというが、お父さんがいるよりは安心だったのか、眠ることができたという。
 

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さきさんが一時保護施設にいたのは2か月。

母親のオクラさんは児童相談所から、「さきさんを家に帰すには安全な環境が必要」と言われ、自治体の窓口や地域の人を訪ね、相談して回った。

そして、夫と別居することを決断。
一時保護は解除され、さきさんは、家に戻った。

さきさん「今が一番幸せ。先生に相談してなかったら、自殺を考えていたかもしれないし、お母さんがいなかったら、こういう生活ができていない。
命の恩人だと思っているし、全部お母さんに感謝している。」


 

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<スタジオの保護者は・・・>

虻川美穂子さん(北陽)
携帯そこに置くなとか、服そこに脱ぐなとか言いがちなこと。
その延長で自分の娘が自殺まで考えているなんて。

ホゴシャーズの感想
中一の娘も似ていて、毎日夫の悪口を言うし、夫が帰って来る頃になると「気が重い」とかオクラさんの話を聞いて、もしかしたら悪い方向に発展したら
わが家も同じようなことになるかもしれないと思った。


さきさんの母親・オクラさんは・・・
◆見極めが難しい。“いきすぎたしつけ”のように、将来を心配して「勉強しなさい」と父親が言うことを、娘が「うるさいよ」と言い返してエスカレートしていく。
夫と娘がやりあっているときは、娘も中学生なので一方的にやられっぱなしじゃない。
だから娘の内面的な心の方まで目がいってなくて、そこまで思いつめていたのか・・・と思った。
◆子どもが勇気をもって学校に言って、児童相談所が介入したことによって、私自身、虐待っていうことと向き合って、すべてがプラスだったと思う。



<児童相談所の所長を務めた川並利治さんは・・・>

◆心理的虐待は傷などが目に見えることがないので、心の傷がどのぐらい深いのか、わかりづらい。さらに、もうひとつは中学生で思春期なので、なおさら見極めづらいことも。

◆子どもは、SOSを出しにくい・出せないもの。
例えば、「叩かれるのは自分が悪い」というように自分を卑下することによって、現実に耐えようとする。

◆保護者はそこで、「あなたは悪くないよ、守ってあげるよ、大切だよ」と言い続けることが大事。すると、子どもは本音を言ってくれる。


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<尾木ママの意見>
さきさんは、先生にSOSを出したのがすごい。
◆もし「自分の担任が若くて頼りないなと」思っても、学校全体で対応するし、児童相談所や専門機関と連携しているので、基本的にSOSを発信してほしい。

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<VTR2>

一時保護施設で2か月を過ごしたさきさんは、父親からは守られたが、施設での生活に疑問を感じることもあった。

さきさん「“ちょっと保護しますね、児童相談所に行きましょう”と言われて、1日~2日とか短いだろうと思ったら、2か月だった。」

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学校から制服のまま一時保護施設へ。
持ち物も制服も、学校の教科書も、すべて預かられ、2ヶ月の間、返してもらえなかったという。
さらに、外出もできない、学校にも通えない。

さきさん「学校とか部活に行きたかった。“いつ出られるんですか?”と聞いたけど、別居とかいうそういう提案がない限り、安全だと思えない限り、出させられないって言われて。あっち(父親)が悪いのに、私だけこんな不便な思いして、私だけすごい過ごしにくい環境で、なんで私だけこんな思いしないといけないんだろうって、ずっと思っていた。」

 

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<スタジオの保護者は・・・>

虻川美穂子さん(北陽)
守られているっていう事実もあるとは思うけど、もうちょっと柔らかくしてもらえたら、って思う。


<児童相談所の所長を務めた川並利治さんは・・・>
◆実は一時保護所の方は課題がいっぱいあって、最大の問題は、保護中の期間学校に行けないということ。
◆学年それぞれに応じたものではないプリントをやってもらったり。
全く学習やってないということはないが・・・。


さきさんの母親・オクラさんは・・・
「学習タイム」というのがあったが、その学年に応じた勉強ができなくて、新学期始まったときに新しい教科書を届けたが、それも全部没収されて、見ることもできなかった。
学校に復帰したとき、すぐにテストで、娘が大変な思いをしていた。


<尾木ママの意見>
◆被害者が隔離されて加害者が普通に仕事しているのが“不公平だ”という子どもの気持ち、すごくよくわかる。
◆いじめられている人が「転校したら」なんて勧められて、加害者はのうのうと学校行って楽しく遊んでいる。「なんで僕が転校するんだろう」というのと一緒。
◆一時保護の問題には、今聞いただけでも、難しい問題がたくさんあるので、一時保護に至る前の段階でどういうふうに私たちがつながっていけるのか、手を差し伸べることができるのかというのがポイントだと思う。




<VTR2>

番組では、一時保護になる前に手を差し伸べる取り組みを取材した。
スタジオに来てもらったのは、子ども虐待防止のため親子支援を行うNPO法人の理事長、畠山由美さん。

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畠山さん「本来なら、助けてくれる夫や祖父母、兄弟や友達がいるのが望ましいが、『困った、助けて』って言える人がいないことが一番問題。
1週間に1回でも、ご飯を作らなくていいとか、ちょっと大変な時に支えるだけで、また育児ができるようになるが、そういう助け手がいないのが、大きな問題。」

畠山さんのNPOが運営するのは、栃木県日光市にある育児支援施設。
食事や洗濯、お風呂などの家事・育児支援を行っている。
日光市は、家事や育児を手助けすることが一時保護を未然に防ぐと考え、NPOと連携して養育困難な家庭を支えている。

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この施設では、子どもをみてもらうだけでなく親自身も頼ることができる。
例えば、預けた子どもを迎えに来た際、一緒に夕食をとって帰る親もいれば、ちょっと休みたいときには、子どもと一緒にお昼寝をしてから仕事にいく親もいる。

支えてもらっている保護者
「“一人だと大変だろうから今日お風呂入っていったら”と言ってもらって、子どもだけでなく私も一緒にお風呂に入って、あとは帰って寝るだけ、というのが楽ですね。1回だけでも、気持ちが楽になります。すごい甘えさせてくれます。」

この施設で働く金子さんは・・・
「実家って『もうやだ~』って言えるじゃないですか。皆さんここにくると『もうやだ~』『育てられない~』とか言ってますけど。
そういう場所が心地いいんでしょうね。
母親がちょっと休みたいと言って赤ちゃんと一緒に寝てたりすると、『頑張ったね』って毛布を掛けます。みんな頑張ってます。」

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<VTRを見た虻川美穂子さんの感想>

◆思わず、泣いちゃった。施設の方が優しくて、泣いてしまったんですけど。お風呂とか、全然入れないんですよね。2歳ぐらいまでは自分の体も洗えない、なおかつ休んだら“母親としてダメ”と勝手に思っていたので。
こんな優しいこと言われたらちょっと泣けちゃう。

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<虐待防止に取り組むNPO法人代表 畠山さんの意見>
◆お風呂って本当に大変で。しかも兄弟が年子でいたりしたら、戦争みたいなもの。
お風呂やご飯を食べさせることを、毎日一人で全部やらなきゃって無理ですよね。
まずお母さん自身が優しくされないと、こんな大変なことできないと思う。

◆地域の中で具体的な子育て支援があれば一時保護しなくてもいいということで栃木県内で同じような支援施設が9か所に増えた。
県が予算をとって、県と市が予算を組んで、ひとつずつ増えていった。

◆“家から切り取る”とか“親から離す”というイメージではなくて“お母さんも一緒になってこの子を育てていこうね”という気持ちでやっています。



<尾木ママの意見>
◆困った状況でない時、ふだんから、「自分の地域にどんなショートステイがあるのかな」と調べたり登録しておくといいと思う。

◆一番大事なのは、頼り合ったり力を貸したりする、実家みたいな感覚の地域のつながり。

◆親の体罰禁止という法律が成立したが、法律ができたから虐待とかがなくなるわけではない。
日常の中で親が楽に頼れたり、相談できたり、愚痴を聞いてくれる所がある、そういう地域づくりが一番大事。

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NHKでは、さまざまな番組で虐待について考えていきます。
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END

*番組へのご意見ご感想をお待ちしております。

投稿者:制作スタッフ | 投稿時間:21:25 | カテゴリ:番組内容 | 固定リンク


シリーズ 虐待を防ぐには(3)「もしものときの児童相談所」<みんなの声>

■児童相談所についての放送を拝見しました。
実際に中学生の娘さんを一時保護された方の話を聞いて、通告の大切さを強く感じました。
私は小学校の放課後キッズクラブで働いており、研修で虐待や児相への通告義務についても学びましたが、キッズクラブのスタッフ間でも、気になる子がいないわけではないけど、通告するには抵抗があるという意見になりました。
通告してもらって良かったという話をもっと聞ければ、それならば通告してみようと思う人が増えて、通告しておけば良かったという後悔も少なくなるのではと思います。
【バナナ】



■11/28の11時頃の放送を拝見しました。児童相談所へ自ら通報された方のお話を見て、共感を得て涙が出ました。虻川さんが言った「子育てって紙一重ですよね」という言葉にも、とても共感させられました。私自身、育児のことを相談できる人がおらず、いつも誰かに話しを聞いてほしいと願ってきました。地元の保健センターに相談しても、共感するだけで、そしてなだめるだけで明確な回答は得られずさらに苦しい思いをすることが多かったです。「児童相談所」という響きが重く、連絡するまでには至りませんでしたが、娘から離れたいと思っていた時期も多々あったのが正直です。
【ひなママ】



■自身が親から虐待を受けて育ってます。今は1歳の子どもを育てていますが、泣き叫んでおさまらないと手をあげそうになります。我慢しますが「なんで私は殴られても良くて、この子は殴られちゃいけないんだろう」といつも思います。未だに私は誰にも助けてもらえなかったし今後も誰にも助けてもらえないという思いが拭えません。いつ子どもに手をあげるか時間の問題だと思います。
たぶん、誰も助けてくれないと思います。
【なっぱ】



■基準がなにか分からないですが、全てを満たせている親なんていないと思います。
理想?の親ってなんですか?
【さとし】



■私は現在42歳独身女性です。子どもは、中学生1年生です。
子どもが1歳半に離婚することになり、私が自立するため死に物ぐるいで働いて生きていました。現在、子どもは問題なく学校生活を送っていますが…将来何か問題が起こりうる不安をかかえています。何故かというと、日本には両親が揃ってこその家庭が一番という風習が根強いからです。
両親が揃った家庭と、片親には何か違いが明確なのでしょうか?片親で必死に生きていましたが、片親の子たちは議題にもあがらないです。
父に原因があることも多く離婚率が上昇していますが、やむをえず片親になっている場合も多くて、社会から無視されている存在であるため疑問に感じます。
【りこ】



■11/23日のウワサの保護者会を拝見しました。
児童相談所ということで興味を持って拝見させていただきました。
私自身が原因で、息子が2回保護されましたので、保護者の方の気持ちも児相の方のお考えもよく理解できました。
まだ私は別居中でプログラムを受けている最中ですので、“いい親”ではないかもしれませんが、より良い関係構築のために参考になることもありよかったです。
意見としましては、元児相の方と保護者の方の話は良かったと思うのですが、こういったテーマは、トコトン入り込まないと視聴者に伝わらず、ワイドショー的な伝わり方になってしまいます。
【ほそやん】



■もう少し虐待対策の問題点を取り上げていただきたいです。
親子分離が最終手段になっているのでしょうか。
本来なら不要な親子分離を行っていませんか。他にも介入の仕方はありませんか。
例えば、子どもを家庭から引き離すのではなく、問題があると思われる父親(or母親)を家庭から引き離すのではダメなのでしょうか。
現行の虐待対策は問題山積みだと考えます。
【夫】



■双子男子中1の母です。
首をしめる、それはしていないけど、赤ちゃんの時、二人が寝ている時に、近所のスーパーへ買い物に。逃げたんです。2時間。
帰ったら、一人が激泣き。あれは、虐待かも…ですよね。
【こちょうらん】





*番組へのご意見ご感想をお待ちしております。

投稿者:制作スタッフ | 投稿時間:00:00 | カテゴリ:みんなの声 | 固定リンク


2019年11月23日 (土)

シリーズ 虐待を防ぐには(3)「もしものときの児童相談所」<番組内容>

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みなさんは、児童相談所についてどれくらい知っていますか?
今回のテーマは、シリーズ虐待を防ぐには第3弾「もしものときの児童相談所」

ニュースでよく聞く児童相談所ですが、
多くの保護者は、「怖そう」「関わりたくない」と、あまりいいイメージを持っていないよう。

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<児童相談所に長年つとめた鈴木浩之さんインタビュー>

◆児童相談所に関わったから、「おしまいだ」とか「絶望だ」とか「ここまで来てしまった」とは思わないでほしい

◆児童相談所は、親を罰するのではなくて保護者と一緒に子どもの未来とか安全とか幸せをつくっていく、
そういうお手伝いをしたいというのが児童相談所の役割

◆保護者にとってショックな出来事である「一時保護」を行うのも児童相談所だが保護者と対立をするということをしようとしているわけではなくて
そこからが子育てのリスタートだと思う

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<尾木ママは・・・>
◆児童相談所で「助けてもらえた」とか、「ヒントをもらった」といういい話が伝わらないで、鬼気迫る時だけ児相が登場するから全然、児童相談所が理解されてないなと思う


<スタジオの保護者は・・・>

虻川美穂子さん(北陽)の意見
「児相」っていう響きがドドドーンと、重たい!

ももさんの意見
相談しにいった時点で「自分が頼りない親」「ダメな親」というイメージを持たれてしまうのではないかと思うと、相談しづらい


<児童相談所の所長を務めた川並利治さんは・・・>
◆児童相談所という名前が毛嫌いされるというようなこともあるので一部の自治体では「子どもセンター」「子ども総合相談センター」と名前を変えて、相談しやすくする工夫をしている

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<VTR1>

みなさんは、2015年から設置された全国共通ダイヤル189を知っていますか?

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全国共通ダイヤル189は、最寄りの児童相談所につながる電話番号。
「児童心理司」や「児童福祉司」などの職員が24時間休みなく、虐待や子育ての相談を受けている。
「あの子、虐待をうけているかも」という「周囲からの通告」、そして、親自身が「子育てがつらくて子どもにあたってしまう」という場合もこの番号にかけることができる


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番組では今回、自分で児童相談所に通告したという母親の話を聞かせてもらった。

2人の子どもを育てるアキクサさんは、長女の子育てに悩んでいた。
長女はこだわりが強く、泣き出すと何時間も暴れて、おさまらない。
夫は連日、深夜まで仕事。実家の親にも、何度か相談したが、ひとりで頑張りなさいと“叱咤激励”を受け、自分がしっかりしなきゃと追い詰められたそう。
ひとりで悩む日々が2年以上続き、あるとき、自分の感情を抑えられなくなってしまった。

当時の日記には・・・
「ただ静かに話したい。でもできない。
だまってほしいのに だまってくれずに 口をふさいで首をしめてしまった」

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消えているテレビの画面に映った自分の姿を見て、
「助けてほしい」と児童相談所に電話をした。
誰かに、ちょっと子どもを見てもらいたいと思ったそう。

児童相談所に電話をすると、職員がすぐに来た。 やっとそのとき、我にかえった。

日記「こんなに小さくてかわいいのに、なんで私はひどいことをしたり、傷つけてしまうのか、つらくなって泣いた」

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<VTRを見たスタジオ保護者の感想>

うしさんの意見
そういう気持ちは、すごく分かる。
手を出したことはないし、絶対にやっちゃいけないけど、私もうまくいかなかったときに相談できず、とりあえず一人で頑張るしかなかった。
感情をなんとか抑えて、今日が終わったらまた明日とやり過ごしていた。

虻川美穂子さん(北陽)の意見
子育てをしていると、もしかしたらちょっと紙一重だなと思う。


<児童相談所の所長を務めた川並利治さんの意見>
◆今、社会が「産んだ子は頑張って育てなさい、自分の子なんだから」という養育を強いる風潮がある。
反対に「そんなに頑張らなくてもいいよ」と強力に言えるのが児童相談所。

 



<VTR2>


孤立した育児で追い詰められ、
児童相談所の職員に来てもらったアキクサさんだが、
ほっとしたのもつかの間、思わぬことを言われた。

児童相談所の人は「じゃお母さん、仕切り直しってことで!」と言いながらパーッと子どもを連れていってしまったそう。

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アキクサさん
「私が望んだのは一時保護で連れてかれることじゃなくて、ちょっとの間だけ距離を取らせてもらえることだった。」

アキクサさんは、2~3日、子どもを預かってもらえると思っていたが、その日から2ヶ月、一時保護となった。

児童相談所は、親の意思にかかわらず、子どもを一時保護する権限があるため、とまどう親が多い。
親はどう受け止めればいいのか、児童相談所で長年、親のカウンセリングをしている五月女(そうとめ)友美子さんに聞いた。


五月女友美子
さん
◆一時保護は非日常的なことなので、すぐ気持ちを落ちつけるということはとても難しい。
◆子どもが保護されてしまったのに、自分ばかりが自宅でゆったり過ごしてはいけないんじゃないか、おいしいものを食べちゃいけないんじゃないかという方も多く「お母さん、それは違いますよ」という話をしたことがある。
◆やっぱり保護者が元気になる必要があって、ちょっと外に出て、買い物や楽しいことに、気持ちも体も動かしてほしい。
◆煮つまった環境をちょっと解放するのが一時保護の役割。

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アキクサさんも、時間がたつにつれ、少しずつ自分の育児を振り返ることができたという。
「子どもが産まれてから、ずっと一人で向き合って寝られてなかった。
保護されている間は、寝られたし、ちゃんと食事もまともにとれた。
子どもの特性について勉強したりとか、私はどういう声かけをしてあげればよかったのかなとか、考えました。」


 


<VTRを見た虻川美穂子さんの感想>
◆いきなり子どもと引き離されたら、どうなっちゃうんだろう!
体を半分持ってかれたような気持ちになっちゃうと思う。
だからアキクサさんは、そこを乗り越えて、子どもの愛おしさをもう一回見る時間ができたというのは、児相の力なんだなと思う。


<児童相談所の所長を務めた川並利治さんの意見>
◆一時保護されると親もショックでなので本当に保護するかどうかというのは、児童相談所側も非常に迷って迷って、安全のために親子を分けたほうがいいという場合に一時保護する。
◆だからやはり、お互いに元気を取り戻す時間と空間を提供するというようなことが一時保護の役割

 


 

◆オクラさんも、子どもを一時保護された経験があるが、その際、不安になったことがあったという。

中1の娘が一時保護されたきっかけは、夫の言動。
「部屋を片づけろ!」「服を脱ぎっぱなしにするな!」と毎晩、娘をどなりつけ、怒りがエスカレートすると、何十分もとまらない。
「片づけないなら、この家から出て行け!」と、もみあいになることも。
オクラさんは、そのたびに、「やめて!」と夫に言ったが、その行為はおよそ2年、続いた。
 

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ある日娘は、連絡帳に「お父さんのいる家に、もう帰りたくありません」と書いた。

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すると翌日、学校が児童相談所に通告。そのまま一時保護された。

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オクラさんは、学校から電話を受けそのことを知った。
「がく然とした。何の権限があって!みたいな。
調べると、親の同意に関係なく保護できるすごい強力な権力を持つ組織だということを知って。」

さらに、娘が一時保護されていた2か月、非常に不安な気持ちで過ごしたという。
その理由は子どもの様子を教えてもらえなかったから。

オクラさん
「こちらからしてみれば、子どもが急にその日から帰って来なくなって子どもを拉致されたっていう気持ちだった。
『子どもはどうですか?』って聞いても、なんにも教えてくれないし。
どういうふうにこれから過ごしていくのか、一日の流れとかも全く教えてくれない。
下着とか着替えとか『持っていきます』っていったら、『それはもう全部、こちらのものを使用するから、いらないです』って言われた。」


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娘を一時保護されたオクラさんは、児童相談所から、「家が安全でないと、娘さんを返せません。
家を安全にするためのプランを出してください」と言われたそう。

考えるうちに気付いたのは、「娘が頼れる場所がない」ということ。
そこで、近所の人や学校の先生、地域の児童委員などに家の事情を全て話し、何かあったら娘を助けてほしいとお願いした。

オクラさん
◆隠してきたからこうなってるんだと思うから、全部さらけ出したほうが、お父さん自身にも私はいいと思う。
◆とにかく娘の中学校時代の1日1日っていうのは、大人の1日よりも全然大事、貴重な時間なので、それを早く取り戻してあげるために自分にできることはなんなのかと考えた。

そしてもうひとつ。
一時保護されていた2か月の間に、夫との別居も決断した。

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オクラさん
◆とにかく目線を変えて、「娘を守る」!
私だけの手ではもうどうにもならないので地域の交流の場にも行って、下の子を連れていって、私たち家族を知ってください、と言った。
娘の姿がないと「あれどうしたの?」って気にかけてもらえるような地域とのつながりをとにかく持とうと思った。

◆いったんお父さんと離れることは、頭を冷やすとか、振り返る時間もあるでしょうし、いいことなんじゃないのかなって。

◆児童相談所が介入したことによって、私自身も虐待っていうことと向き合って、それがなかったらここまでの行動をしてなかった、ここまでの情報も知りえることがなかった。
子どもが勇気をもって学校に言ったこともそうですし、一時保護されたことは、すべてがプラスだったと思っています。

 


 

<児童相談所の所長を務めた川並利治さんの意見>
オクラさんは、大きな決断を2つされたと思う
「別居」は、娘に対して、あなたのことを守るよという強いメッセージ。
もう1つは、自分の家のもめごとを地域に話すのはなかなかできないが地域に気づいてもらうということが、虐待をストップできる大きな一歩。


<虐待防止活動をしているNPO法人代表 畠山由美さんの意見>
「通告」は、児童相談所と支援を必要としている方が出会うきっかけ。
児童相談所は、保護者を責めるところでも裁くところでもなくて、やっとつながれてよかったと思う。
目指すところは子どもの幸せ、家庭の幸せ、保護者の幸せ。


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<尾木ママの意見>
◆虐待の問題というのは、どうしても「自分とは関係ない」とか「ひどい親の問題」とか切り離しがちだけども、みんなつながっている、全員関係のある問題。
だから、まず児相ってなんだろうと。どんな仕事をしていて、どういうふうに僕たちが助けてもらえるのかというのを、まず知るということが大事だと思いますよね。

 

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NHKでは、さまざまな番組で虐待について考えていきます。
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END

*番組へのご意見ご感想をお待ちしております。

投稿者:制作スタッフ | 投稿時間:21:25 | カテゴリ:番組内容 | 固定リンク


子どもって迷惑?<みんなの声>

■再放送の「子どもって迷惑?」をたまたま、途中から見ました。
ちょうど、マンションの駐車場で遊ばせていた時の話でした。警察に通報されたことについて、「大人の方がコミュニケーション能力が下がっている」って専門家のかたがはなしていましたが、駐車場で遊ぶこと自体がよくないことではないかと思いました。車をキズつける心配があるし、事故の可能性もあるし。実際、子どもだけで遊んでいて、車にボールをぶつけて逃げていくのを見ました。
今はマンションの住人どうし、付き合いがありませんから、大人がいても、黙って逃げていく気がします。
かわいそうだし!親としては面倒だけど、遊べるところまで連れていくなどしないといけないと思います。
【子育て経験者です】



■私も自分の子どもとその友達と公園で一緒に遊んでいて、ご高齢の男性Yさんからしょっちゅう怒られてました。その都度、「すみません。子どもって楽しい時は、声でちゃうんです。私も昔子どもだったから、わかります。Yさんはお子さまたったころは、いかがでしたか?」と、すれすれの詫びを入れながら、日頃はにこやかにご挨拶をしていました。その方がころりと態度を変えるときがきました。私たちが住んでいた大規模団地の自治会の餅つき大会です。子どもたちを率いて、準備段階から参加して盛り上げたことで、オセロのように●から○に。私が餅つきの采配がめちゃめちゃ得意で、上手にできたことと、子どもたちが餅をつくことから、丸めまで楽しみながら、ず~っとがんばっていたのを目の当たりにしたYさんは、餅つき大会終了後に、「自分が言いすぎてたわ。みんないい子やな!」と言いに来てくれました。もちろん、「わかっていただけて、ありがとうございます!うれしいです。今日の餅つき大会参加の最高のご褒美のお言葉です。」と返しました。それからは和やかに挨拶をかわせ、地域イベントに参加して、とてもなか良くできるようになりましたよ。みんな「Yじいちゃん」と慕うようになりましたとさ、です。同じイベントに同じ場所でともにその喜びを共有することで、知らない要らない子どもたちの大声は、騒音から、みんなの希望と幸せの音色に変わったのでした。
【ササニシキ】



■16日放送の「子どもって迷惑?」拝聴しました。慣れない団地に越して以来、道端で遊ぶ子どもも多く、ご近所付き合いも無い環境で注意もし辛かったです。自分自身精神疾患を患っており、子どもの声が響いて聞こえてストレスに感じることも多々ありました。今回の道路を一時封鎖してご近所の皆さんに開放するという取り組み、とても良いと思います。それなら、私のようにハンデを持っている人でも出来る範囲で参加・協力でき、ご近所付き合いも深まるかなと思いました。
【アン】

 


*番組へのご意見ご感想をお待ちしております。

投稿者:制作スタッフ | 投稿時間:00:00 | カテゴリ:みんなの声 | 固定リンク


2019年11月16日 (土)

子どもって迷惑?<番組内容>

 

今回のテーマは「子どもって迷惑?」
子どもたちが道で遊んでいると叱られたり、公園での遊び声や登下校中のおしゃべりがうるさいといわれたり…。
子どもって、地域の中で迷惑な存在?

タレントの青木さやかさんと、恵泉女学園大学・学長の大日向雅美さんと考えていく!

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◇【子どもが近所で迷惑に!?】
ポニーさんの家の近くには、ボール遊びできる公園がない。子どもたちはしかたなく、家の前の道で遊んでいるが、近所の人から「静かに遊んでほしい」と注意されたことがあるという。

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他にも…
青木さやかさん「夜は静かにしてほしいという匿名の手紙をもらったことがあります」
うめさん「神社の駐車場で柔らかいボールでキャッチボールしていたら、怒られ、子どもは萎縮してしまいました」
アラマンダさん「マンションの駐車場で遊んでいると、遊び声がうるさいということで警察に通報されたことがあります」

一方、親が子どものころは…?
カブトムシさん「多少のことは許されていました」
うめさん「落書きをして、叱られて反省し、自分で消しました」


<専門家 大日向さんの意見>
子どもは失敗したり、いたずらしたり、叱られたりしながら育っていく。しかし、現代では、家でゲームすることが問題視される一方で、外で遊ぶと「迷惑」になってしまう。許容度の低い社会になってしまった…。

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子どもを取り巻く社会環境は、親の子ども時代と比べて大きく変化している!

◇【子どもを取り巻く社会環境の3つの変化】
(大阪大学・小野田正利教授の話)

①子育て世帯の減少
子どもと過ごす経験がある人が減っている。
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②「団塊の世代」の退職
退職後、家にいる時間が増えている人にとって、聞きなれない子どもの甲高い声などは、不快に感じてしまう。

③夜間就業者の増加
子どもが遊ぶ日中に休息を取る必要がある人が増えている。こうした人たちにとっては、子どもの遊び声などによって、必要な睡眠が脅かされることになると不快感は高くなる。


<専門家 大日向さんの意見>
昔は地域全体で子育てしていたが、今は近所付き合いが減っている。子どもと接する機会がなく、その子どもと顔見知りでないため、子どもを迷惑と感じてしまう。



変化した現代社会で子どもがトラブルを起こしたときは…?

◇【トラブルが起きたときの対応法】

ポイント①:状況を正確に把握

子どもから詳しく丁寧に話を聞いて全体像をある程度つかむ

ポイント②:謝りに行くときは子どもを連れていく
子どもにとっても成長の機会につながり、近所の人とも顔見知りになれる

ポイント③:相手を理解しようとする姿勢を示し、いい関係を作る
相手の事情を聞いて、お互い配慮できる点を探す。手土産を持っていくこともオススメ!


子どもと近隣住民とのトラブルに詳しい大阪大学教授・小野田正利さん
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<ホゴシャーズの経験>
カブトムシさんは、絵を描くことで子どもに『迷惑なこと』を分かりやすく伝える工夫をしている。
カイツブリさんは、謝ることを通じて、近所の人の事情を知ることができて、今もいい関係へ。

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<専門家 大日向さんの意見>
・子どもに自分の行為と周囲の感じ方を「見える化」して伝える
自分がしていることと、周囲が感じることの両方を“見える化”すると「迷惑なことを」を子どもが理解しやすい。子どもは自己中心的な世界から他者のことを徐々に考えられるようになる。

・「2-6-2」を目安にご近所との関係づくりを
2割の人は、子どもが大好きで味方になってくれる。別の2割の人は、関係性を築くのがなかなか難しいかもしれないということを目安に考え、残りの6割の人に対して、日ごろから挨拶するなどして、関係を深めていくと、味方が増えることが期待できる。



子どもも大人も地域でお互い顔見知りになるために…

◇【地域のつながりを大切に】
・一般の道を地域の遊び場として開放する「みちあそび」というイベントでは、近所の子どもも大人も自由に遊んでいる。
・イベントを主催する団体の代表・嶋村仁志さんは、社会で子どもが迷惑な存在と思われがちなことが気になり、道を遊び場として開放して、地域の交流を深められないかと、「みちあそび」の開催を考えた。4か月かけて地域の人たちに協力をよびかけ、実施へとこぎつけた。

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・いまでは、楽しみにしてくれる地域の人も増え、嶋村さんも「子どもが、町の人たちに覚えてもらっているのが、すごくうれしい」という。

【尾木ママの見解】
大人、子ども、高齢者も一緒にみんなで元気な街づくりをすることが大切!


子どもだって地域の住人。
大人も子どもも幸せに暮らすために、できることをやってみませんか?

END



*番組へのご意見ご感想をお待ちしております。

投稿者:制作スタッフ | 投稿時間:21:25 | カテゴリ:番組内容 | 固定リンク


誰もが過ごしやすいクラスって?<みんなの声>

■5人の子どもを持つ母です。
発達障害特集で支援学級の保護者の皆様のお話がすごく聞ける機会が出来て嬉しく思うのですが、それと同じように支援学校に通う保護者の方のお話しも聞ける機会が増えれば、支援学校と支援学級に通う子どもたちを持つ親としてはすごく心強くありがたく、みんないる!とより思えます。さらに取り上げていただけることによって、世間の『支援学校って車椅子の子みたいな子だけが行くんでしょ?支援学校に学年あるの?学校で勉強しないんでしょ?遊んでるんでしょ?』みたいな誤解から、正しい理解へつながるのではないのかなと思いました。
あと、初めにも書いたように、うちには5人の子どもがいて、そのうち下2人が支援学校と支援学級に通う子どもたち。兄弟児に関する保護者の方の声、または、兄弟児自身の声も聞くことが出来ればすごくうれしく思います。
【ひつじ】



■みずきくん、生きる力を持っておられますね。シャチさん、ナイスな見守りですね。学習の場も、ユニバーサルデザインといいますか、どんな状況にある人も参加できて、居心地よく過ごせる場所にしていけるといいなぁ、と思います。昔々、小学校で指導していた時、大きな音に過敏性のある子どもがクラスにいたんですが、その子がイアカバーをして授業を受けているとき、何人かが一緒にイアカバーしていました。「なんでしてるの?」と尋ねると、「Rさんだけでは寂しいかなと思って一緒にしてみた」と。子どもって、いろいろ考えて、思いやりをそだて、居心地のよい教室をつくってくれる働き者でもあります。また、こんなこともありました。思い込みの激しいTくんが、同じ活動班の仲良しの友達Kくんを誤解して、殴ってしまったことがありました。そのとき、Kくんは殴られて、痛くて悔しいはずなのに、Tくんが落ち着くのを待って、「どうしたの?大丈夫?」と語りかけて。するとTくんは、涙を流しながら、「おれの誤解やのに、ごめん。これからは気をつけるな。嫌いにならんとって」。Kくんに、「君こそ、大丈夫?」と尋ねると、「ほとんど兄弟みたいなもんやから。Tくんはほんまは優しいいいやつやねん」と。子どもは、すごいです。みんなで子どもたちがすくすくと生きていけるよう、雰囲気よく、忍耐強く、見まもってまいりましょう!花は花なり。人は人なり。です。
【ササニシキ】



■誰もが過ごしやすいクラスって?の回を見ました。発達障害の子と保護者の方の悩みや生きづらさなど少しは理解できました。私は二年生女の子を持っています。
私の周りにもそのような子がおられます。うちの子との普通のやりとりをしていて、ある子が泣き出しました。とたんに、うちの子は「泣かせた子」になってしまい、慌てた私は泣いた子に謝りました。すると、うちの子が自分が悪くないのになぜ謝るの?と泣き出しました。私はとても反省しました。謝った私も対処法を間違ったということになりました。周りの目もありすごく辛かったです。思いやったことをしてもその子にとって逆効果のことをしてしまった子は、間違ったことをしてしまった理解のない子、となってしまう空気も周りの子を傷つけないのかと疑問です。いろいろなタイプのいろいろな立場のみんなが過ごしやすい環境をみんなで考えてほしいです。
【もつなべ】

 




*番組へのご意見ご感想をお待ちしております。

投稿者:制作スタッフ | 投稿時間:00:00 | カテゴリ:みんなの声 | 固定リンク


2019年11月09日 (土)

誰もが過ごしやすいクラスって?<番組内容>


発達障害のある子にとって困難が多い学校生活。
多様な子どもたちが過ごしやすいクラスをつくるにはどうすればいい?
児童精神科医の髙岡健さん、お子さんに発達障害のあるホゴシャーズ、発達障害について知りたいホゴシャーズと一緒に考えた。

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◇問題行動には理由がある 自閉スペクトラム症・ADHDのあるみずきくん◇

シャチさんの長男みずきくん(14歳)は、小学1年生のときに自閉スペクトラム症とADHDの診断を受けた。特性としてIQが高いみずきくんは、小学3年生のころから日本史が大好きで、今は世界の現代史や時事問題にも関心を持ち、自分で本を読むなどして、学ぶことが好きだ。

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幼いころは泣き虫だったみずきくんが、学校で問題を起こすようになったのは小学2年生のころ。
周囲の子に暴力をふるったり、教室から逃げ出してしまったりしたのだ。
しかし、その背景には、周囲の大人が知らなかった理由があった。

みずきくん「保育園のころからいじめられっ子だった。小2のころに辛さがピークに達し、攻撃側に回ることで、弱者じゃなくなって自分を守りたいと思った。」

また、教室から逃げ出したのも、周囲の子たちがからかうことに耐えられなくなったという背景があった。
そんなとき、先生にはどうしてほしかったのだろうか?

みずきくん
「逃げたときは、追いかけたりしないこと。何もなくして、落ち着くために逃げているから、誰かに来られると困る。」

そんなみずきくんにどんなクラスならよかったと思うか聞いた。

みずきくん「いじめもないし、勉強が進んでいる子はどこまでも進めることができ、わからない子はとことん教えてもらえるような状態。」



<母・シャチさんの話>
小学2年生のころは、「普通になってほしい」と思い、わが子を受け入れていなかったが、小6のころには、いじめで苦しむみずきくんを見て、「生きてさえいればいい」と思った。


うみねこさんの場合>
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学校でよくパニックを起こしていたうみねこさんの次女。
担任の先生が変わると、クラス委員を務めるまでに成長した。

うみねこ
さん
が先生に、どんなことをしてくれたのか聞いてみたところ、「特別なことはしていない。みんなに同じようにしている。娘さんのためだけでなくクラス全体のためになる」との答えが返ってきた。

尾木ママ「本当にちょっとしたことで変わる」という。

尾木ママの実践>
・発達障害のある生徒が授業に集中できるように、15分で授業を区切り、間に雑談を入れるようにした。
・すると、その子だけでなくほかの子の意欲も成績も上がった。


<子どもが教室から出て行ってしまったら?>
子どもが教室から出て行ってしまった場合。みずきくんは「逃げたときは追いかけないでほしい」と言っていたが、先生はどうすればよいのだろうか?


髙岡先生(児童精神科医)の見解>
・逃げてもいい場所をあらかじめ作っておき、全員に対して、そこに逃げてよいと伝える。
・逃げ出したときは快く見送り、戻ってきたら歓迎する。



◇誰もが過ごしやすいクラスをどう作る? 特別支援学級の取り組み◇

公立小学校の特別支援学級を担任の先生に案内してもらった。そこには次のようなスペースがあった。

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・子どもたちが自ら設計して作った、不安になったときなどに落ち着くための部屋
・それぞれが過ごしやすいよう子どもたちが自分で考えて作った個別の学習スペース
・「揺れるいす」、「大きなボール」、「しっかり支えるいす」など子どもたちが自分で使いたいいすを選べる

校長先生「子どもたちは周りから与えられるより、自分で自分に合ったものを見つけていくことが大事だと気づかされた」

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◇誰もが過ごしやすいクラスをどう作る? 千駄谷小学校 3年生のクラス◇

3年生の担任 橋本先生は、一人一人が尊重され、自分で考えて行動できるクラスを作ろうと取り組んできた。取り入れたのは主に次の3つ。

サークル対話 誰もが本音で話し、お互いのことを知って認め合う
学び合い 自分がどうやって問題を解いたかを友達どうしで教え合う(教え合うときには、子どもたちは教室内を自由に立ち歩く)
自立学習 決まった課題を終えたら、自分が好きな学びに取り組める

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橋本先生「じっとしていられない子は話を聞いていることもつらい。学び合いというスタイルなら、自分で動いてよいのでフィットしている。それまで授業についていけなかった子も、友達に教えられると理解しやすかったようで、今では自分でも教えるようになった。」




ホゴシャーズ専門家の感想◇

・動き回ることをマイナスととらえず、生かすことができると、ほかの子たちも意見を言いやすくなるのでは?よつばさん)
・子ども同士の対話は誤解が解けてよいと思うもみじさん)
・サークル対話は必ずしも最初からはうまくいかない場合も。成立する条件は、子ども同士、先生と子どもの信頼関係があること。対話の経験があると、たとえいじめのようなことがあっても、子どもたちの力で解決することにつながる髙岡さん)


<尾木ママの見解>
・視点を切り替えることができれば、日本の学校もぐるっと変わってくる!



少し視点を変えれば、だれもが過ごしやすいクラスができるはず。
一人一人の子どもの思いを知ることがそのヒントになる!

 

END

*番組へのご意見ご感想をお待ちしております。

投稿者:制作スタッフ | 投稿時間:21:25 | カテゴリ:番組内容 | 固定リンク


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