2019年05月25日 (土)

シリーズ 虐待を防ぐには(1)「親も助けてほしい」<番組内容>

※虐待かも?と悩んだ時に相談できる場所をページの最後でご紹介しています。

虐待事件がニュースなどで繰り返し報道される中、「虐待」は子育て世代がとても気にする社会問題となっている。番組には「虐待はひとごとだとは思えない」という保護者からの声が多く寄せられている。
そこで「ウワサの保護者会」では、ホゴシャーズと、虐待について研究している専門家などを交えながら、虐待を防ぐにはどうすればいいのかシリーズで取り上げていく。



シリーズ 虐待を防ぐには① ~親も助けてほしい~

【専門家 林浩康教授(日本女子大学社会福祉学科)虐待が起きる背景や支援のあり方について研究】
特殊な家庭で虐待が起きるわけではなく、一般的な家庭でも「孤立した育児」や「経済的な不安」などが引き金となり、虐待につながる可能性はあるという。そのため、虐待を予防するためには一般的な家庭を支援することも必要だという。

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 【専門家 黒田公美さん(理化学研究所・脳神経科学)哺乳類の親子関係や愛着行動について脳科学の視点から研究】
・子ども虐待の罪で服役中の人にアンケート調査を行った結果、虐待の背景には夫婦の不仲や経済的な不安などの「子育て中のストレス」、うつなどの親自身の「精神的な問題」など複数の困難な要因が重なっていたことが分かった。
・配偶者との別離や病気など突発的な出来事で、子育てするのが難しくなる状況に追い込まれる可能性は誰にでもある。「親の自己責任」と言って支援をしないでいると、そのしわ寄せは子どもにきてしまうと指摘する。

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【親たちの本音:ひとごととは思えない】

「虐待という言葉を聞くのも本当は嫌だけど、そんなに遠くの話ではないと思う」(4児の母/小2~中2)

「自分自身が精神的に追い詰められてた時は、本当に可哀想な事したかなって思ってた時期もありました。その当時は、この状況をなんとかしなくちゃっていう思いで、もがきました」(2児の母/年長・小3)
「妻を突然亡くし、1人で3人の子育てをすることになった。想定外ばかり起きる中で、自分の感情が抑えられない時があった」(ライオンさん
「子どもが生まれる前は自分が感情的に怒る人間ではないと思っていた。誰しも最初に思っていたのとは違う状況に陥るのではないか」(マルベリーさん

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 【時代とともに孤立してきた子育て環境が、親を追い詰めている】
・かつては親戚や地域で気軽に助け合っていた子育て。しかし高度経済成長期以降、核家族化が進み、閉じられた空間で主に母親が子育てをするようになる。
・オイルショック以降は経済が低迷し、児童手当の受給者がより限定されるなど、国からの経済的支援も期待できなくなり、子育ては家族の責任で行うべきという考えが定着していった。
・林教授は、こうした時代背景の中で親は過剰な責任感を持つようになり、ベビーシッターを利用することも躊躇するような空気が醸成されたのではないかと指摘する。

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【親たちの本音:相談できるところがない】
「虐待してしまうかも」と悩んだホゴシャーズの中には、公的な機関の相談窓口に頼った人もいる。

・無料の電話相談を利用しようとしたが混んでいてなかなかつながらない。30回かけても、連続でつながらない。今聞いてほしいので、『かかれ』と祈るように押しています。(コチョウランさん
・育児に追い詰められて子どもにあたってしまい、警察沙汰になったこともあるが、行政の相談窓口を訪ねたところ「これぐらい軽ければまだまだ大丈夫ですね」と言われてしまった。(キヌアさん

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【なぜ支援が行き届かないのか?専門家・黒田公美さんの見解】
日本では子どもの心の傷や親の辛さに対する支援の重要性があまり認識されていない。例えば日本の医療は非常に質が高く、骨折の診療で一晩待たされることはない。しかし、人間の心に対する深い理解に基づいた福祉のあり方が欧米に比べると少しまだ遅れている。

虐待を防ぐには、どうすればいいのか。
「ウワサの保護者会」では、これからもシリーズで考えていきます。




「もしかして虐待かも?」と悩んだ時に相談できる場所

児童相談所 全国共通ダイヤル TEL:189
子育てに悩む家庭の支援や出産・育児の相談に応じています。相談は匿名でも可能で、秘密は守られます。
※24時間対応。最寄りの児童相談所につながります。
※一部のIP電話等からは利用できない場合があります。こちらの一覧表にある各児童相談所の電話番号をご利用ください。
一覧表


PCIT-JAPAN(ピーシーアイティ・ジャパン)
「PCIT」【親子で参加するプログラム】
こころや行動に問題を有する子ども(主に2~7歳)と育児に悩む養育者の両者が一緒に受ける心理療法。親子が遊んでいるの様子を見ながら、セラピストが別室でトランシーバーを使って親にスキルをライブコーチする。コミュニケーションの質を高めることで、親子関係の回復を目指す。


AF-CBT Japan(エーエフ シービーティ・ジャパン)
「AF-CBT」【親子で参加するプログラム】
コミュニケーションやしつけに悩んでいる5歳~17歳のお子さんを持つ家族が、より安全で穏やかな毎日を過ごせるようお手伝いするプログラム。子どもと養育者が対象で、個別に受けるセッションと親子合同で受けるセッションを組み合わせて行われる。


一般財団法人MY TREE(マイ ツリー)
「ペアレンツ・プログラム」【親向けプログラム】
「子育てが苦しい」「子どもを無視したり叩いたりしてしまう」 という親の回復プログラム。身体と心のリラクセーション法の習得、自尊感情の回復、子育てが楽になるコミュニケーションとしつけ方法の練習を行う。


株式会社 メンタルサポート研究所
「子どもと笑顔で過ごすためのプログラム」【親向けプログラム】
イライラや怒り、悲しみなどの不快な感情を処理する方法を知り、親自身のこころと身体が楽になっていくことを目指すと同時に、子どもとの適切な接し方について学ぶ。少人数定員6名の全12回。座学に加え、参加者と講師が互いの思いを語り合いながら成長を目指す。


一般社団法人 WANA関西
「SEP」【親向けプログラム】
自分を好きになれない方、家族を含めた対人関係に問題をかかえがちな方が、5回の学習で認知の修正法と定着方法を身につけるプログラム。生育過程など環境からの課題を見つめ、認知(考え方)の偏りを短期間で修正する方法を学習する。



専門家・黒田先生のプロジェクトでは他にも親向けのプログラムを紹介しています。 ※NHKのサイトを離れます。
 

 




 

 

投稿者:制作スタッフ | 投稿時間:21:30


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