子どもの怖いもの <番組内容>
今回のテーマは「子どもの怖いもの」。
ホゴシャーズへのアンケートによると、わが子の怖いものの上位3つは下の通りだった。
子どもの周りには怖いものがいっぱいあるが、どうして子どもはこんなに怖がりなのだろう?
恐怖の心理を研究している専門家を招き、怖がる我が子に親はどう向きあえばいいのか話し合った。
ホゴシャーズの悩み おばけが怖い息子
ポニーさんの2人の息子さんは大の怖がり。夜になるとおばけが怖くて1人でトイレに行けない。そのためポニーさんは毎回トイレにつきそい、終わるまでドアの前で待っていなければならない。息子たちに聞くと、トイレの暗闇が怖いのだという。そして、子どもたちが怖いのはトイレだけではない。家の中のいろんな所にもおばけがいるように感じている。
<“恐怖”の心理の専門家の話>
なぜ子どもは怖がりなのか。恐怖の心理を研究している名古屋大学准教授・川合伸幸さんはこう語る。
「人の脳には、怖さを感じる『へんとう体』と、それにブレーキをかける『前頭葉』がある。前頭葉の発達はすごく遅くて、思春期ぐらいまでかかる。だから、子どものときに怖がるのは当たり前。」
では、実際には存在しないおばけが怖いのはなぜなのか?
「おばけが怖い人と怖くない人がいるが、その人のそれまでの『学習』による。例えば、ポニーさんのお姉ちゃんがおばけの話をたくさんしていたが、弟たちはそれを聞いて『おばけは怖いんだ』と学習していた。」
悩んでいるポニーさんのため、川合さんは3つの解決案を考えた。
① 段階的に慣れさせる。最初は3回のうち1回だけつきそい、それができたら回数を増やしていく。
②周囲が怖がらせない。お姉さんに、弟たちを怖がらせないよう言い聞かせる。
③想像に想像で対抗。おばけに対して、お守りなどを使って安心させる。
怖い気持ちを親が利用することは?
一方で、親がしつけなどで積極的に子どもを怖がらせていることもある。それについてはどう考えるべきなのか?
<ホゴシャーズの意見>
エゾリス「怖い地獄の絵を見せて、自分の悪いことを見直してほしいと伝えたことがある。」
ハリネズミ「怖さを逆手に取る方法もあっていい。」
アラマンダ「怖さを教えるのはトラウマにならないかと私は避けてきた。」
トウガラシ「世の中全体的に平和だが、怖い気持ちは持っていた方がよいのでは。」
<尾木ママの意見>
「怖がらせる教育についていうと、道徳的な事を伝えたり、何かの素材として使ったりのは『あり』。しかし、子どものしつけなど、手段として怖がらせて言う事をきかせるのはかなり『疑問』。子どもを怒ってくれるアプリがずいぶん利用されたが、これはまずいと思う。下手でもいいから、ママの声でママの理屈でちゃんと叱るということが大事。」
<“恐怖”の心理の専門家の意見>
「恐怖は刃物と同じ。下手したらすごく危ないが、上手に使うと非常に便利。しかし、子どもによってものすごく怖がりな子もいて、トラウマになってしまうことも。例えば、絵は心に焼き付くこともあるので、絵ではなくお話でしてあげるのがよいのでは。その子の適性や発達を見ながら学びの力にしていったらいいと思う。」
どれくらいの怖さなら大丈夫?
では、わが子がどのくらいの怖さなら大丈夫なのか?その手掛かりを、東京都北区桜田保育園の保育士・近藤初江さんに聞いた。この園では、子どもたちに怖い絵本を読み聞かせるときに注意していることが2つあるという。
①年齢にあわせて本を選ぶ。例えば2、3歳の場合は、鬼が出る絵本でもユーモラスな絵柄のものを選ぶなど、「怖さの度合い」をみきわめている。
②最後に必ず子どもを安心させる。例えば、怖い山んばが最後には死んでいなくなる物語を選ぶ。さらに読んだ後は「お話の世界はここで終わりだ」と子どもに伝えることも大切。
END
投稿者:制作スタッフ | 投稿時間:21:30